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恋人同士になる試練
18番目の祠 4
しおりを挟む封印の間からバニーガールの衣装を持ち出そうとしたミシェルが外に出る扉に拒まれてみたりしたけど、18番目も無事に終了だ。
「ああ、シゲルのうさぎさんが…」
「こっちの世界に無い素材だから仕方ないね」
「何、何の話?」
「うん、今日泊まるとこで言う」
今まで、封印の間で起きた事は全部トモアキに報告してある。
今回の浄化の巡礼はイレギュラーだろうから、こんな時もありましたって記録をちゃんと残しとかないと…と思って。
ちょっと恥ずかしいけど、トモアキも下世話な顔では聞かないから話せる。
言いたくないなら無理するなって、いつも言うし…
だから出来る限り話そうと思う。
「それでは今回も少しばかり移動致しまして、無人宿泊所へ参りましょうか」
「今回も近いんですね」
「そうですね、前にある場合と、後にある場合と御座いますが、大体そばに御座いますね」
「へえ、そうなんだ…ふうん」
「私は先に行っておりますので、ゆっくりお越しください」
「はい、ありがとうございます」
クリスチーヌさんは戦えるところを俺とトモアキに見せてから、単独で先に行くことも増えた。
俺の光が外まで漏れているから、それほど危険でも無いんだって…
ほんとかなぁ。
「無人宿泊所が祠の後にあるパターンって、祠の上が開いてる時だけだと思うから大丈夫じゃね」
「そうだっけ?」
「うん、多分そう…だから大丈夫だ、クリスチーヌさんは格好つけてしくじるタイプじゃないし」
「そっか、じゃあ安心だな」
「心配なら早く行くか?
手伝いがあった方が早いだろうし…」
「うん、そうしよう。
トモは誰かに馬借りて…俺、ミシェルに乗せてもらう」
「分かった」
というわけで、俺とミシェルとトモアキは早めに行って、クリスチーヌさんを手伝う事にした。
トモアキはマルコさんに馬を借り、マルコさんは馬車に乗って…。
「道中くすみがあったら、すぐ浄化するね!」
「ああ、頼むぞ!」
マルコさんが馬車に乗った後、行商の人に馬を預けてハイドさんも馬車に乗り込んだのは見なかった事にした。
さすがにこの短距離で何もないだろう…
うん。
***
結論から言うと、マルコさんとハイドさんはこの短距離で何かしたようだ。
「キス、だけです」
「嘘だなぁ」
「嘘だねぇ」
「…ちょっとさわりました」
「それも嘘だね?」
おセッセしたわけでは無いようだけど、そこそこのイチャイチャはあった模様。
馬車は匂いを取るべく窓を開けて放置。
西の街に着いたらクッションを買い直そう…。
「無人宿泊所じゃ、ちょっとセックス出来ないもんな…」
「防音死んでるからな、基本」
無人宿泊所は、ヒソヒソ話ならまだしも喘ぎ声は一発でバレる。
なぜって、多少扉の木が傷んでるからだ。
扉に隙間があるのがデフォルトなのだ。
他にも色々と壊れたりしてるし…修繕場所のリストをクリスチーヌさんが作っているのを見たけど、超長いもん。
「声を出さずにすれば良いのでは?」
「せ、セトさんっ!?」
「ハイドが考えなしにヤるから駄目なのよ」
「リラさんまで!!」
声を出さないようにセックスって、そんなの口をずっと何かで塞いでおかないと…
「あ」
「どうすれば分かった?ハイド」
「ずっとキスしたままセックスする」
「余計な知恵付けないでくれるかな!?」
マルコさんが叫んだけど、もう遅い。
「……みなぎってきた」
「何でだよ!!」
「キスしたままする、とても…よい」
そう言うと、マルコさんとハイドさんは疾風の如く消えた。
「ハイドさんの語彙…」
「ああ、いつもの事です」
「うん…まあ…分かるけど」
あんな渋みのある顔してるのに、ギャップに付いて行けないんだよな…
マルコさんはそういうとこが好きなのかな。
ちょっと可愛い気がするもん…ん?
「何、ミシェル」
「シゲル、したい」
「こっちも語彙無くしてる!?」
「やめろよトラさん、俺とシゲは今から今後についての大事なお話し合いすんだから」
「…………ぃゃっ」
「は?何だって?」
「ひどいやつだ!!」
「言い方がまるでクソガキだなオイ」
そうして久々にトモアキとミシェルが喧嘩したりして…
ちょっと、楽しかったりした。
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