145 / 209
恋人同士になる試練
15番目の祠 5
しおりを挟む
ミシェルの話を総合すると、この国の「貴族」が見えてきた。
貴族とは、
・世襲の支配階級
・建国以来血筋の断絶がない
・歴史と伝統を大事にする
・魔力が余程多くない限り生まれた土地から離れない
というものだ。
何故かお金があるわけではなく、領地を持っていて、そこを治めることでそこから税収を得ている。
当然税収であるからには領民の為にそのお金は使われるし、お金を使うのは基本的に領内だそうだ。
「意外と自由が無いんだね」
「自由?」
「生まれた土地を離れられないじゃん?」
「…ふむ?
だが、全員が好きでそうしているのだぞ?」
「そうなんだ…不満はないの?」
「そうだな、特には…」
ミシェルは特段何も思わないようだ。
俺はさらに突っ込んで聞いた。
「じゃあミシェルも騎士になりたくなかった?」
「ふむ…いや、特に何も。
そういうものだと思って来たから」
「ふうん…そうか」
ミシェルもやっぱりこの国の事を疑わずに生きている。
疑えるのは、王家に引き継がれる「嘘をつける」人だけ…。
その能力も、常に王様が持っているわけじゃない。
誰がその能力をもたらしたのかは分からない。
ただ、嘘をつける事は疑える事に繋がる。
嘘というものを知っているから。
「嘘の概念が無いって…良い事のような気がするのにな」
この国の人たちは、あんまりにも素直に疑問を抱かず生きている。
みんな似たような服を着てるし、文字は読めないし、人を疑わない。
支配される事に慣れ過ぎてる。
その中で唯一、恋をする事が自由なら…
恋に依存してしまうんじゃないだろうか?
「…ミシェルは、俺が旅に出たいって言ったら、家族が止めても付いてきてくれる?」
「当然だろう」
「…そっか、そうだよね」
ミシェルは今まで何も疑問を抱かずに生きてきた。
それが、恋愛となると嫉妬する…つまり、愛を「疑っている」んだ。
恋愛が、人として欠けてるパーツを埋めるんだ。
「……恋愛が大事な理由、分かったかも」
「そう?」
「うん…俺、ミシェルが恋愛できて、良かった」
「ふふ、そうか」
俺は今考えてる事を隠す為に、見つめ合ってから目を閉じる。
ミシェルは俺にキスをして…。
「ね、触りっこ…しよ」
「ああ」
きっと今の誘いも、考えてる事を隠す為だって、ミシェルは考えない。
そういう風に、育てられているんだ。
***
露天風呂の中でお互いのを扱き合ったりして、何度かイったりイかされたり。
そうしているうちに何だかのぼせてきたので、裸のまま風呂の縁に腰掛けて一休みする。
隣にミシェルが座って、軽くキスしたりしてイチャつく。
「…シゲル、そろそろ」
「…うん、準備…してくる」
今日はもうここでしようと決めた。
多分その為の露天風呂だと思うし…
外だけど誰も見てないし、神様以外は。
「…っぅ…」
ミシェルが持ってきた道具で、ナカを洗う。
これはさすがにテント付近ではちょっと出来ない…悪いけど、天然の水洗トイレを使わせて頂く。
「……はぁ」
やっぱあの神様洗浄棒は便利だわ。
こんな思いをしなくて済むもん…
「っていうか、こういう時に使える魔法って無いのかな」
マルコさんとハイドさんはどうしてるんだろ。
やっぱこういう道具を使ってるのかな…
でも、だったら北の街でエッチなお道具屋さんに行った時に言ってくれそうなもんだけど。
「…謎だなぁ」
ま、良いか…祠出たら聞こう。
貴族とは、
・世襲の支配階級
・建国以来血筋の断絶がない
・歴史と伝統を大事にする
・魔力が余程多くない限り生まれた土地から離れない
というものだ。
何故かお金があるわけではなく、領地を持っていて、そこを治めることでそこから税収を得ている。
当然税収であるからには領民の為にそのお金は使われるし、お金を使うのは基本的に領内だそうだ。
「意外と自由が無いんだね」
「自由?」
「生まれた土地を離れられないじゃん?」
「…ふむ?
だが、全員が好きでそうしているのだぞ?」
「そうなんだ…不満はないの?」
「そうだな、特には…」
ミシェルは特段何も思わないようだ。
俺はさらに突っ込んで聞いた。
「じゃあミシェルも騎士になりたくなかった?」
「ふむ…いや、特に何も。
そういうものだと思って来たから」
「ふうん…そうか」
ミシェルもやっぱりこの国の事を疑わずに生きている。
疑えるのは、王家に引き継がれる「嘘をつける」人だけ…。
その能力も、常に王様が持っているわけじゃない。
誰がその能力をもたらしたのかは分からない。
ただ、嘘をつける事は疑える事に繋がる。
嘘というものを知っているから。
「嘘の概念が無いって…良い事のような気がするのにな」
この国の人たちは、あんまりにも素直に疑問を抱かず生きている。
みんな似たような服を着てるし、文字は読めないし、人を疑わない。
支配される事に慣れ過ぎてる。
その中で唯一、恋をする事が自由なら…
恋に依存してしまうんじゃないだろうか?
「…ミシェルは、俺が旅に出たいって言ったら、家族が止めても付いてきてくれる?」
「当然だろう」
「…そっか、そうだよね」
ミシェルは今まで何も疑問を抱かずに生きてきた。
それが、恋愛となると嫉妬する…つまり、愛を「疑っている」んだ。
恋愛が、人として欠けてるパーツを埋めるんだ。
「……恋愛が大事な理由、分かったかも」
「そう?」
「うん…俺、ミシェルが恋愛できて、良かった」
「ふふ、そうか」
俺は今考えてる事を隠す為に、見つめ合ってから目を閉じる。
ミシェルは俺にキスをして…。
「ね、触りっこ…しよ」
「ああ」
きっと今の誘いも、考えてる事を隠す為だって、ミシェルは考えない。
そういう風に、育てられているんだ。
***
露天風呂の中でお互いのを扱き合ったりして、何度かイったりイかされたり。
そうしているうちに何だかのぼせてきたので、裸のまま風呂の縁に腰掛けて一休みする。
隣にミシェルが座って、軽くキスしたりしてイチャつく。
「…シゲル、そろそろ」
「…うん、準備…してくる」
今日はもうここでしようと決めた。
多分その為の露天風呂だと思うし…
外だけど誰も見てないし、神様以外は。
「…っぅ…」
ミシェルが持ってきた道具で、ナカを洗う。
これはさすがにテント付近ではちょっと出来ない…悪いけど、天然の水洗トイレを使わせて頂く。
「……はぁ」
やっぱあの神様洗浄棒は便利だわ。
こんな思いをしなくて済むもん…
「っていうか、こういう時に使える魔法って無いのかな」
マルコさんとハイドさんはどうしてるんだろ。
やっぱこういう道具を使ってるのかな…
でも、だったら北の街でエッチなお道具屋さんに行った時に言ってくれそうなもんだけど。
「…謎だなぁ」
ま、良いか…祠出たら聞こう。
0
お気に入りに追加
390
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
悪役なので大人しく断罪を受け入れたら何故か主人公に公開プロポーズされた。
柴傘
BL
侯爵令息であるシエル・クリステアは第二王子の婚約者。然し彼は、前世の記憶を持つ転生者だった。
シエルは王立学園の卒業パーティーで自身が断罪される事を知っていた。今生きるこの世界は、前世でプレイしていたBLゲームの世界と瓜二つだったから。
幼い頃からシナリオに足掻き続けていたものの、大した成果は得られない。
然しある日、婚約者である第二王子が主人公へ告白している現場を見てしまった。
その日からシナリオに背く事をやめ、屋敷へと引き篭もる。もうどうにでもなれ、やり投げになりながら。
「シエル・クリステア、貴様との婚約を破棄する!」
そう高らかに告げた第二王子に、シエルは恭しく礼をして婚約破棄を受け入れた。
「じゃあ、俺がシエル様を貰ってもいいですよね」
そう言いだしたのは、この物語の主人公であるノヴァ・サスティア侯爵令息で…。
主人公×悪役令息、腹黒溺愛攻め×無気力不憫受け。
誰でも妊娠できる世界。頭よわよわハピエン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる