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恋人同士になる試練

15番目の祠 5

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ミシェルの話を総合すると、この国の「貴族」が見えてきた。

貴族とは、

・世襲の支配階級
・建国以来血筋の断絶がない
・歴史と伝統を大事にする
・魔力が余程多くない限り生まれた土地から離れない

というものだ。

何故かお金があるわけではなく、領地を持っていて、そこを治めることでそこから税収を得ている。
当然税収であるからには領民の為にそのお金は使われるし、お金を使うのは基本的に領内だそうだ。

「意外と自由が無いんだね」
「自由?」
「生まれた土地を離れられないじゃん?」
「…ふむ?
 だが、全員が好きでそうしているのだぞ?」
「そうなんだ…不満はないの?」
「そうだな、特には…」

ミシェルは特段何も思わないようだ。
俺はさらに突っ込んで聞いた。

「じゃあミシェルも騎士になりたくなかった?」
「ふむ…いや、特に何も。
 そういうものだと思って来たから」
「ふうん…そうか」

ミシェルもやっぱりこの国の事を疑わずに生きている。
疑えるのは、王家に引き継がれる「嘘をつける」人だけ…。
その能力も、常に王様が持っているわけじゃない。

誰がその能力をもたらしたのかは分からない。
ただ、嘘をつける事は疑える事に繋がる。
嘘というものを知っているから。

「嘘の概念が無いって…良い事のような気がするのにな」

この国の人たちは、あんまりにも素直に疑問を抱かず生きている。
みんな似たような服を着てるし、文字は読めないし、人を疑わない。
支配される事に慣れ過ぎてる。

その中で唯一、恋をする事が自由なら…
恋に依存してしまうんじゃないだろうか?

「…ミシェルは、俺が旅に出たいって言ったら、家族が止めても付いてきてくれる?」
「当然だろう」
「…そっか、そうだよね」

ミシェルは今まで何も疑問を抱かずに生きてきた。
それが、恋愛となると嫉妬する…つまり、愛を「疑っている」んだ。
恋愛が、人として欠けてるパーツを埋めるんだ。

「……恋愛が大事な理由、分かったかも」
「そう?」
「うん…俺、ミシェル恋愛できて、良かった」
「ふふ、そうか」

俺は今考えてる事を隠す為に、見つめ合ってから目を閉じる。
ミシェルは俺にキスをして…。

「ね、触りっこ…しよ」
「ああ」

きっと今の誘いも、考えてる事を隠す為だって、ミシェルは考えない。

そういう風に、いるんだ。


***


露天風呂の中でお互いのを扱き合ったりして、何度かイったりイかされたり。

そうしているうちに何だかのぼせてきたので、裸のまま風呂の縁に腰掛けて一休みする。
隣にミシェルが座って、軽くキスしたりしてイチャつく。

「…シゲル、そろそろ」
「…うん、準備…してくる」

今日はもうここでしようと決めた。
多分その為の露天風呂だと思うし…
外だけど誰も見てないし、神様以外は。

「…っぅ…」

ミシェルが持ってきた道具で、ナカを洗う。
これはさすがにテント付近ではちょっと出来ない…悪いけど、天然の水洗トイレを使わせて頂く。

「……はぁ」

やっぱあの神様洗浄棒は便利だわ。
こんな思いをしなくて済むもん…

「っていうか、こういう時に使える魔法って無いのかな」

マルコさんとハイドさんはどうしてるんだろ。
やっぱこういう道具を使ってるのかな…
でも、だったら北の街でエッチなお道具屋さんに行った時に言ってくれそうなもんだけど。

「…謎だなぁ」

ま、良いか…祠出たら聞こう。

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