上 下
557 / 586
ロイ・ユーフォルビアの恋愛相談室

【閑話】仕方ないなあ、先輩! ~アウディ君視点~

しおりを挟む
ある日、僕はルースにあることをお願いした。

「ねえルース、補佐局の空き部屋貸~してっ!」
「いいけど、何に使うの?」
「ん~、恋のキューピッド的な事ぉ?」

もうそろそろ必要になると思うんだよね~。
エッチするためにホテル取るとか絶対無理でしょ。
バレバレなのにバレたくないって超面白くない?
ププ…ククク。

「はぁ…誰と誰のよ」
「バイオレット先輩とフリージア先輩だよぉ!
 侯爵家の正室はお見合いのセッティングもお仕事の一つだし、その練習?」
「いやもう付き合ってるじゃん」
「分かってないな~、結婚まで面倒みるのがお見合いなの!
 あの2人、今のところ既成事実作るしか道ないじゃない?」
「ああー…それはちょっと申し訳ない」

こういう時の為にも、傍系から養子迎えてその子を当主にできるって法律ができたのは良いんだけど、誰も使おうとしないっていうか…各家が牽制しあってて機能してないんだってさ。

まあ気持ちは分からなくもないよ?

兄弟やいとこの子どもとかがいればいいけど、それ以上遡るとなったらそれって相当の他人だもん。
どこの誰だか分かんない奴に家を継がすなんてヤダ~!とか言って反発するのも分かるけどさ~。

ちょっと覚悟足りないっていうか?

家が家がって言うならそんくらい受け入れないでどうすんのって話だけどね~。

まっ、僕が言うのもアレだけど!

「…でも、あの堅物同士で何とかなんの?」
「うふふ、それがねえ…」

僕はルースに、この前2人がやってきて閨グッズを貸りてった話をした。

「バイオレット先輩には紫のランジェリーとシルクのガウン!
 フリージア先輩は清楚系の純白レース閨着~!」
「おー…なるほど、いい仕事してるなぁ」

でしょでしょ!
僕そういうセンスには自信あるんだよね~!

「それから、どっちがどっちになるか分かんないっていうから、洗浄用魔道具2個と汚水袋10枚」
「まだ決まってないの!?」

うん、ほんとそれ。
どう考えてもフリージア先輩が愛される側でしょ?
そっちのほうが後々考えても良いと思うし~。

「あとあと、アナル解す用のクリーム2瓶」
「一人ひと瓶計算でね」

念の為にね!
もしお互い産むんだ~ってなったらそうしたほうが衛生的でしょ?
僕だってその辺は考えてるから!

「それからえっちなお道具フルセット~」
「絶対使い方分かんないやつじゃん」

だって、真っ赤になってる先輩たち見るの超面白いんだもーん!
ププ…ククク。

「そういうわけだから、どっか良い部屋貸してよ。
 一応フリージア家とバイオレット家は潰す予定無いんでしょ?」
「あー、フリージアのほうはどうかなぁ…。
 オッサンまだ金払わないしさぁ、たった1億、先々の損失考えたら即支払うべきなの分かんないんじゃちょっと…まあ面白いから良いけど」
「んじゃ、軽く潰しちゃう系?」
「それもありかなって話」

僕も補佐局で色々聞いてたら詳しくなっちゃった。
でも、こういう情報収集も夜会やお茶会でするのが侯爵家正室の務めだしね!
この話フィーデにしといてあ~げよっと。

「じゃあさぁ、フリージア先輩がバイオレット家に輿入れして、一回フリージア家無くして、そんで子どもが何人か出来たら、その中から領地経営得意な子選んで、復活!ってのは駄目なの?」
「あー、いわゆるプリムラ方式ね」
「まあそうとも言う…でもうちは暫くいいよぅ、借金子どもに背負わすの嫌だし」
「アウディ君が返すの?」
「うん、せめて今残ってる分はね。
 最近出来た株とかいうので儲けるつもり」

うちの領地って結構儲かってたから、国が借金の元本分と同額で買ってくれたんだけど、利子分がね…
ほんと馬鹿みたいに借金してたんだなって。
学園祭予算の水増し分なんか何の足しにもならないじゃん!
ばっかばかしい!

「そういうわけだから、僕もまずはお金稼がないとって。何かいい仕事ない?」
「仕事?」
「まずは株を買うお金いるじゃん、フィーデに出してもらうのも違うし」

するとルースはちょっと考えてから言った。

「うーん、あと数年すれば社交の先生も…あ」
「えっ、何なに?」
「1個ちょっと…アウディ君、絵描ける?」
「うん…ちょっとだけなら」
「衣装係でデザイナー募集してるんだけど…ちょっと一枚描いてよ」
「良いけど…何用?」
「閨着用?」
「誰の?」
「……俺の?」

そう言ってルースは真っ赤になった。
ププ…かーわいい!

「任せといて!とっときのやつ描いてあげる」
「とっておき…?」
「楽しみにしててね!」

もう3人子ども出来ちゃうくらいセクシーでムフフなの描いてやろ…

ププ…ククク。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~

日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました! 小説家になろうにて先行公開中 https://ncode.syosetu.com/n5925iz/ 残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。 だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。 そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。 実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく! ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう! 彼女はむしろ喜んだ。

【完結】優しくしないで

にゃーつ
BL
幼少期からの虐待でボロボロになっていたところを武田組若頭に拾ってもらう千秋。 虐待や暴力により心を閉ざしてしまう。 そんな時に武田組で出会ったのは自分の生涯に大きく関わる1人の男の子。その男の子との出会いが千秋を大きく変える。千秋の心の傷を癒やし、千秋に笑顔を取り戻したその男の子は武田空。千秋を拾った武田組若頭の息子だった。 空への想いを自覚するも自分の過去や立場を考え悩む千秋、それとは対照的に自分の思いを曝け出し行動に起こす空。 そこで千秋が下した決断とは!? 年の差12歳 年下×年上 トラウマを抱えながらも必死に空を想う千秋、千秋のためなら周りがどうなってもいいって思うほどに千秋に執着する空。 ちーがいないと生きていけない。 空がいないと不安。 愛を知らなかった千秋が空から大きすぎる愛を注がれる話。 初作品です 完結しました。 2/9 BL 31位!!!!

駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト
恋愛
「道楽で始めた駄菓子屋を継ぐ」という条件で祖父の遺産を相続した青年。 彼にとってその条件は、まさに夢の世界への片道切符だった。 次々にやってくる魅力的なロリっ子たちの誘惑に、ロリコンを隠して生きてきた青年は耐え切ることができるのだろうか?(できません) ※この物語はフィクションです。実在する地名・人物・団体とは一切関係ありません。 ※作中での行為を実際に行った場合、法律に違反してしまう可能性がありますのでご注意ください。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

ある公爵令嬢の生涯

ユウ
恋愛
伯爵令嬢のエステルには妹がいた。 妖精姫と呼ばれ両親からも愛され周りからも無条件に愛される。 婚約者までも妹に奪われ婚約者を譲るように言われてしまう。 そして最後には妹を陥れようとした罪で断罪されてしまうが… 気づくとエステルに転生していた。 再び前世繰り返すことになると思いきや。 エステルは家族を見限り自立を決意するのだが… *** タイトルを変更しました!

婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい

香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」 王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。 リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。 『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』 そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。 真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。 ——私はこの二人を利用する。 ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。 ——それこそが真実の愛の証明になるから。 これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。 ※6/15 20:37に一部改稿しました。

ヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年に懐かれた結果、立派なヤンデレ美青年へと成長した彼に迫られ食べられたが早まったかもしれない件について。

宝楓カチカ🌹
BL
諸事情により預かった天使のような美貌を持つヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年(6歳)に懐かれた平々凡々とした鈴木春人くん(14歳)が十数年後、身長187.3cmのヤンデレ科ヤンデレ属に属する立派なヤンデレ美青年へと成長したかつてのヤンデレ気味のハーフ美少年に迫られ食べられて早まったかなあなんて思ってしまうお話。 ※閲覧は自己責任でお願いします。ムーンライトノベルズ様にも掲載させて頂いております(タイトルは微妙に異なります)(文字数制限でタイトル入りきりませんでした) ※※R18シーンには*つけてます。

運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~

日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。 女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。 婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。 あらゆる不幸が彼女を襲う。 果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか? 選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!

処理中です...