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ロイ・ユーフォルビアの恋愛相談室

公爵家同士、一人っ子同士 4

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ラミー様とトーリ様の頭痛が痛い相談から暫く。
夕飯を食べてから寛いでいるところへ執事のリチャードがやってきた。

「ゼフ様、ロイ様、お寛ぎの所申し訳ありません…
 急ぎの用で取り次いでもらいたいと、お客様が」
「ふーん、誰が?」
「あの爵位が高めのお二人です」
「…は?」

彼らの相談に乗ったのはほんの数日前。
その時は超・初級閨教本を渡してお帰り願ったのだけど…次を貸してくれとかそういう事かしら。

「仕方ないなあ…。
 ゼフさん、ちょっと行ってくるね」
「うん、早く戻ってねロイ」

僕はゼフさんと新婚さんみたいにキスを交わして、応接室へ向かった。

***

「…はぁ?」
「だ、だから、どっちが抱かれる方になったら良い、とか、そういうのが分からないかと…」
「そんなん雰囲気で何とかしなさいよ」
「ですがその、どうしてもそういう雰囲気が作れないと言うか…」
「お互い裸になるのも、その…」

あとパンツ一枚のところで足踏みしちゃって先に進めないんです、って…

どーーーでもいいなー!
実にどうでもいいなー!

「困りましたなあー」
「その、あの、どうしてもセックスしないと子どもが出来ないのでしょうか」
「何言ってんの君」

キャベツ畑から赤子は収穫できませんが?

「教本にもあったでしょ、持続的に性的接触をすることで産むための体が整うって」
「き…っ、キス、だけでは無理でしょうか?」
「舌を入れて濃厚に求め合うやつならワンチャン」
「「し、したをいれるっ!?」」

二人は真っ赤になって僕の顔を見ている…

は?まさか唇でチュッチュしてるだけなん?

まじか。

僕が清すぎる交際にビビっていると、フリージアのラミー様がまた驚愕のご発言をなさる。

「でもトーリ、それで子どもが出来るなら…」
「だーかーらー、子どもを作る準備が整うかもしれないだけだって言ってんじゃん」
「…だめですか…」
「だめに決まってんじゃん」

こいつら思春期をどこにやったんだ…

「とはいえ反抗期くらいはあったはず…」
「はんこうき?」
「判子浮、き…?」
「まじかよ公爵家」

どこをどうやって育てたらこーなるんだ!?

親!
親の親!
親の親の親!!

どこでこうなったの?
それともこういうやつを選んで公爵家にしたの?
どっちなの!!

「……根が深すぎてビビり散らかすわぁ」
「びびりちら…?」

もう無理。
これはもう無理。

こうなったらガツンと一発…

「あっ」
「な、何か良い案が?」
「リチャード!リチャードー!」

もうあれしかない。

「お呼びですか旦那様」

僕はやってきたリチャードに告げた。

「ちょっとブレティラ殿呼んできてくれる?
 アレの件って言えば分かると思う」
「かしこまりました」

は?安全性?
知・っ・た・こ・と・か!

リチャードは急いで出ていく。
それを見てから、僕は2人に告げる。

「…コーラス君ご懐妊の件、ご存知ですか?」
「えっ、ええ、それは…」
「それにある秘薬が関係しているという話は?」
「えっ、いや、それは…」
「とにかく、先に知識は必要です。
 こちらユーフォルビア謹製、初級閨教本をお読み頂きながらお待ち下さい…では」

僕は2人に本を押し付け、ブレティラ殿を迎えるために部屋を出…

「ねえロイ」
「ゼフさん!?」
「ある秘薬、って何?」
「えっ」

どうやらゼフさん、部屋の外で僕らの話を聞いていたみたい…。
やばい、あの薬をゼフさんに盛ったのがバレたら!

「僕その話知らないなぁ…ねえ?」
「なっ、なんでもないよぅ?」
「ふう~ん」

ゼフさんは僕を下から見上げる。
そして、ニッコリと妖艶に笑って…

「嘘、全~部知ってる」
「ヒィッ」

まさか全部バレてる!?

「悪い子にはお仕置きが必要だねぇ?」
「ヒェッ」

嫌ぁーーー!!

ゼフさんのお仕置きマジでキツいんだって!

許してぇえ!!
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