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学園6年目

トリプル新年会 3

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新年3日目、最後はダンスパーティー。

ファーストダンスを両陛下が踊り、パーティーは恙無くスタート。

俺はカメリアで編み出した裏技でステップを華麗に回避し、ふわふわと殿下に振り回されて踊る。
殿下もそれに慣れてきたみたいで、俺をくるくる回したり持ち上げたりして遊ぶ。
なんせ空中にやや浮いているからどんな早い動きでもついて行ける…

いや、振り回されているだけだけども。

「少しダンスが楽しくなってきました」
「それは良かった」

姿勢良くして殿下の顔を見る、という言い付けのみを守り、ダンスは3曲目に突入。
3曲目の途中でいつものメンバーと遭遇する。

「ルース先生、そのダンス面白いですね」
「あっ、エルさま、ジョンさん!」

「ルース君の性格が出てるみたいで良いよね」
「魔法で解決しちゃうんだからすごいです!」
「ヘザー先輩、カート君!」

「ふふ、本当、ルースらしいよね」
「相変わらず器用だね、羨ましいよ…」
「イドラ君にソラン先輩!」

後宮のメンバーも、ベルガモット教授とあの4人以外は全員参加しているらしい。
端っこで一組だけチークを踊っていたガーベラ先輩とノースさんにも会った。

「先輩…何でチークなんですか?」
「だって、僕これしか踊れないからさ…。
 ルースはダンス上手くなったね」
「上手くなったのは殿下だけですけどね…。
 ノースさんもこっちで新年を迎えたんですね」
「そう、向こう心配ない、弟が何とかしてる」
「ノースさん、弟さんがいたんですか?」
「そう、シャラパール本部は弟、ローズ支部仕切る私、話し合うました。
 それでも時々シャラパール帰るないと怒るね」
「そうでしたか」

中央で人目を惹きつけていたのはカイト君とデューイ君。
さすがカイト君、ダンスの先生だけあってキレが違う。デューイ君も小柄なのにダイナミックな動きだし…
レベルが領域一つ違うみたい。

その二人がこっちに気付いて声を掛けてきた。

「ようルース!その宙に浮くダンス、どうやってんだ?」
「あっ、カイト君!
 簡単だよ、片足ずつ同量の魔力を送って「ちっちゃトルネード」をキープしてるだけ」
「片足ずつ同量って、お前…簡単に言うなぁ」
「さすがルースさん…妖精みたいです」
「はは…お世辞はいらないんだよ、デューイ君」
「いえ、本当の事ですよ!
 カメリアでは今、そのダンスの再現に躍起になってる人がいっぱいいるそうです」
「えー、本当!?」

あの会場では完全に笑いものだった気がするけどな。
すると俺の疑問に殿下が答えをくれた。

「カメリアは風の国だから、拘りがあるんだろう」
「あっ、なるほど…お国柄ってやつですか」
「風魔法で他国の人間に上を行かれると悔しいんだろう…
 スプーラ殿の正式な結婚披露宴で、全員それで踊っていたら凄いだろうな」


あと、側室ではないけどヘヴィさんとクリビアさんにも会った。
仲良さそうで何よりだと思った。



3曲目が終わって、殿下は用があるらしく一旦退出。
みんなが俺のところへ集まって来る。

まずは開口一番、イドラ君が言う。
「うーん…ルースのあのダンスを踊れる魔石シューズを開発できないかな…」

ガーベラ先輩も当然の顔でその話に乗る。
「ガーベラ式にするかネリネ式にするか悩むね」

ソラン先輩が言う。
「カメリアには風属性の魔物が多いから、魔石も良いのが安く手に入るよ。
 だから作るならカメリアで作ってカメリアで売ったら?」

ノースさんが言う。
「ソラン、商売の話できるなったね!
 シャラパールではダンス踊るは踊りの人だけ、いらないかな…」

カイト君が言う。
「シャラパールの踊りも気になるんだよな…一度本物を見に行きたいな」

デューイ君が言う。
「後宮でのお勤めが終わったら、新婚旅行で行きましょう!」

そんな話を聞いてたところへ、声を掛けられる。

「魔法陣はどうですかね?」
「もし使えそうなやつがあるなら靴底に仕込んどくのもいいよな。
 俺もその方法で乗り切りてえ…」

ルディ君とワルド先輩だ。
2人はダンスを早々にやめて軽食コーナーにいたらしい。

「ルース…何かお疲れじゃね?大丈夫か?」
「まあ何とか大丈夫ですよ。
 薬学コンビの回復薬が効くもんで…」
「ああ薬学の…。
 あの2人も仲良くあっちで飯食ってたな」
「いつも、いつの間にか紛れ込んでますね」
「あれもすごい才能だよな…」
「いつの間にか後宮にもいそう」
「怖い怖い」

そうこうしているうちにジョンさんやエルさま、カート君にヘザー先輩も合流して軽食コーナーへ行くことに。
するとそこにはおじいちゃん先生がいて…

「ちょっとファイヤー!」ぱちぱち…こんがり。

久々にホットドッグを温めていたのだった。
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