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学園6年目
子育ては親育て…? ~ベルガモット教授視点~
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ふぎゃあ、ふぎゃあ
ふぎゃ、ふぎゃ
ふええん…ふえええ
おぎゃー!おぎゃー!
「おーよしよし…セドぉ、おっぱいの時間…」
「ん…そうか…ふわあ」
4人産んだのはいいけど、4人分の乳が出続けるかどうか…
出産してすぐにその問題にぶち当たった俺は、ルースから教わった乳マッサージを続けている。
4人の父親であるあいつらも、ルースから色々と指導を受けているらしく一生懸命サポートしてくれる。
「セドは少しでも寝ていてね」
「おしめの変え方も習ったから!」
「マッサージも覚えたから言って」
「ごはん食べさせてあげる、あーん」
肝心のルースは学園に戻る用が出来たと言って昨日からいない。
彼には本当に色々世話になった。
堕ろす事しか考えられなかった俺に「産め」と言ってくれて、産ませるからにはサポートする、といって授業の事から食事内容、ユーフォルビア家の記録から分かった妊娠出産に関しての知識の共有…
『胎児は常に、栄養と共に魔力を求めます。
ベルガモット教授は魔力の多い方なので、しっかり食べて寝ていれば大丈夫だとは思うのですが…』
『…まさかとは思うが、魔力供給を受けろと?』
『話が早くて助かります。
基本週に1回程度だそうですが、多胎の場合は頻度を増やすといいそうです』
…で、あの話のあとすぐにあいつらがやってきて…
うん、まあ、うん…色々?
しかし、魔法侯爵4人分の穴を埋めてくれたのはルースとその友人たちだろう。
何か感謝の気持ちを贈らねば…
ああ、そういえばクリビア殿から祝いを頂いたのだ、それも返さないと。
「…おい、キュー。げっぷ頼む」
「はいはい」
「エバも」
「はーい」
「セド、この子たちもおっぱい飲むって」
「…まだ出るかな…」
「先に代替乳飲ませてるから、乳首吸いたいだけなんじゃない」
「なるほど…まあなるべく公平に、だな」
代替乳は人の乳に近くなるように色々な家畜の乳を混ぜたものだそうだ。
ルースがとある商店に「新しい保存方法の開発・実験」の名目で、定期配送を頼んでくれた。
ただ表向きの理由が理由なだけに、この前ついに製造元の社長が「進捗はどうですかね?」と納品ついでにやってきたりして…。
だいぶヒヤヒヤしたが、エバが魔法で水を抜くことに成功した話を聞かせて追い返していた。
エバだけじゃない。
ロリィもテディもキューも、少し逞しくなった。
今もこうして俺と子どもたちの世話を甲斐甲斐しく焼いてくれて、おむつの交換も洗濯もしてくれて…。
ルースがいなくても俺たちがいるから大丈夫、と言われたときには思わず泣いてしまった。
なんだ、ちゃんと親になってくれるんじゃないか、って…
だめだ、また涙が出てきた。
「…どうしたの、セド?」
「どこか痛いのか?」
「乳首ヒールする?」
「腰のマッサージする?」
「ううん、嬉しいんだ。
産んで良かった、本当に…」
ルースは、こいつらに黙って堕ろそうとしたことは黙っておいたほうがいい、と言った。
余計な事を言って心配事を増やさなくてもいいし、出来れば俺も忘れた方がいい…と。
少しだけ乳を吸う子たちから目を離し、あいつらを見る。
げっぷをさせてからお尻をポンポン叩いて寝かしつけようと頑張る、キューとエバ。
4人いるのだから交代で休めばいいのに、ウトウトしながらもおむつを畳むロリィとテディ。
確かに、今はそれをいう時じゃない。
もっと先、この子たちが成長して立派になっ、いっ!?
「痛っ、いたた」
「セド!?」
「か、噛んでも出ないってば、痛い、痛いって」
「こら!パパを困らせちゃ駄目でしょ!!」
「どっちが噛んでるの!?」
「どっちもだ!!」
これは、早急になんとか、乳が4人分出る方法を考えねば…!!
「いっそ4人とも代替乳に…」
「経済的にそれはちょっと、いたた…
これ以上ユーフォルビア家の負担になるわけには」
実は食費も医者代も、何も精算していないんだ。
その前に、どうやって金を受け渡すかも考えなきゃならんのに…。
だが、そんなことならという顔でロリィが言った。
「お金ならあるよ!俺たち、授業を代わって貰ったお礼にルースに500万ずつ払っといたから」
「えっ?」
4人それぞれ500万なら2000万がルースの手元にあるということか?
じゃあ、支払いが遅れても多少は問題ない…?
テディやキュー、エバも言う。
「代替乳代って高いのか?
ならもう少し払っておくか、3学期分も頼むし」
「3学期も頼むのか」
「頼むに決まってるじゃん!
ついでに引継ぎも頼もうと思ってるのに」
「……は?」
「だって!子育てしなきゃいけないだろ!」
だからって、急に仕事を引継ぎも無しに辞めるだなんて!?
大体魔法侯爵は学園に常駐して優秀な魔法使いを育てるのが使命、だと、言ってなかったか…?
「仕事と子育てを両立するつもりは…」
「だあって!またそれもルースに頼むんでしょ?」
「う…む、まあ…でも、相談できそうな人が他にもいるから、そっちにも聞いてみる…」
「あっ、「魔王の番」だな?」
「えー…ああ、そうだ」
どうやらそれが新しいクリビア殿の二つ名らしい。
誰が手を回したんだか知らんが、あの御仁もなかなかの策士だからな…。
「ふーん…だったら良いか」
「ルースに頼むのはムカつくけど、それなら…」
うんうん…と4人は頷く。
俺はどうやら、今後もこいつらの極端な発想に今後も振り回されるらしい。
それはそれで…
まあ、幸せなことなのかもしれないな。
ふふふ。
ふぎゃ、ふぎゃ
ふええん…ふえええ
おぎゃー!おぎゃー!
「おーよしよし…セドぉ、おっぱいの時間…」
「ん…そうか…ふわあ」
4人産んだのはいいけど、4人分の乳が出続けるかどうか…
出産してすぐにその問題にぶち当たった俺は、ルースから教わった乳マッサージを続けている。
4人の父親であるあいつらも、ルースから色々と指導を受けているらしく一生懸命サポートしてくれる。
「セドは少しでも寝ていてね」
「おしめの変え方も習ったから!」
「マッサージも覚えたから言って」
「ごはん食べさせてあげる、あーん」
肝心のルースは学園に戻る用が出来たと言って昨日からいない。
彼には本当に色々世話になった。
堕ろす事しか考えられなかった俺に「産め」と言ってくれて、産ませるからにはサポートする、といって授業の事から食事内容、ユーフォルビア家の記録から分かった妊娠出産に関しての知識の共有…
『胎児は常に、栄養と共に魔力を求めます。
ベルガモット教授は魔力の多い方なので、しっかり食べて寝ていれば大丈夫だとは思うのですが…』
『…まさかとは思うが、魔力供給を受けろと?』
『話が早くて助かります。
基本週に1回程度だそうですが、多胎の場合は頻度を増やすといいそうです』
…で、あの話のあとすぐにあいつらがやってきて…
うん、まあ、うん…色々?
しかし、魔法侯爵4人分の穴を埋めてくれたのはルースとその友人たちだろう。
何か感謝の気持ちを贈らねば…
ああ、そういえばクリビア殿から祝いを頂いたのだ、それも返さないと。
「…おい、キュー。げっぷ頼む」
「はいはい」
「エバも」
「はーい」
「セド、この子たちもおっぱい飲むって」
「…まだ出るかな…」
「先に代替乳飲ませてるから、乳首吸いたいだけなんじゃない」
「なるほど…まあなるべく公平に、だな」
代替乳は人の乳に近くなるように色々な家畜の乳を混ぜたものだそうだ。
ルースがとある商店に「新しい保存方法の開発・実験」の名目で、定期配送を頼んでくれた。
ただ表向きの理由が理由なだけに、この前ついに製造元の社長が「進捗はどうですかね?」と納品ついでにやってきたりして…。
だいぶヒヤヒヤしたが、エバが魔法で水を抜くことに成功した話を聞かせて追い返していた。
エバだけじゃない。
ロリィもテディもキューも、少し逞しくなった。
今もこうして俺と子どもたちの世話を甲斐甲斐しく焼いてくれて、おむつの交換も洗濯もしてくれて…。
ルースがいなくても俺たちがいるから大丈夫、と言われたときには思わず泣いてしまった。
なんだ、ちゃんと親になってくれるんじゃないか、って…
だめだ、また涙が出てきた。
「…どうしたの、セド?」
「どこか痛いのか?」
「乳首ヒールする?」
「腰のマッサージする?」
「ううん、嬉しいんだ。
産んで良かった、本当に…」
ルースは、こいつらに黙って堕ろそうとしたことは黙っておいたほうがいい、と言った。
余計な事を言って心配事を増やさなくてもいいし、出来れば俺も忘れた方がいい…と。
少しだけ乳を吸う子たちから目を離し、あいつらを見る。
げっぷをさせてからお尻をポンポン叩いて寝かしつけようと頑張る、キューとエバ。
4人いるのだから交代で休めばいいのに、ウトウトしながらもおむつを畳むロリィとテディ。
確かに、今はそれをいう時じゃない。
もっと先、この子たちが成長して立派になっ、いっ!?
「痛っ、いたた」
「セド!?」
「か、噛んでも出ないってば、痛い、痛いって」
「こら!パパを困らせちゃ駄目でしょ!!」
「どっちが噛んでるの!?」
「どっちもだ!!」
これは、早急になんとか、乳が4人分出る方法を考えねば…!!
「いっそ4人とも代替乳に…」
「経済的にそれはちょっと、いたた…
これ以上ユーフォルビア家の負担になるわけには」
実は食費も医者代も、何も精算していないんだ。
その前に、どうやって金を受け渡すかも考えなきゃならんのに…。
だが、そんなことならという顔でロリィが言った。
「お金ならあるよ!俺たち、授業を代わって貰ったお礼にルースに500万ずつ払っといたから」
「えっ?」
4人それぞれ500万なら2000万がルースの手元にあるということか?
じゃあ、支払いが遅れても多少は問題ない…?
テディやキュー、エバも言う。
「代替乳代って高いのか?
ならもう少し払っておくか、3学期分も頼むし」
「3学期も頼むのか」
「頼むに決まってるじゃん!
ついでに引継ぎも頼もうと思ってるのに」
「……は?」
「だって!子育てしなきゃいけないだろ!」
だからって、急に仕事を引継ぎも無しに辞めるだなんて!?
大体魔法侯爵は学園に常駐して優秀な魔法使いを育てるのが使命、だと、言ってなかったか…?
「仕事と子育てを両立するつもりは…」
「だあって!またそれもルースに頼むんでしょ?」
「う…む、まあ…でも、相談できそうな人が他にもいるから、そっちにも聞いてみる…」
「あっ、「魔王の番」だな?」
「えー…ああ、そうだ」
どうやらそれが新しいクリビア殿の二つ名らしい。
誰が手を回したんだか知らんが、あの御仁もなかなかの策士だからな…。
「ふーん…だったら良いか」
「ルースに頼むのはムカつくけど、それなら…」
うんうん…と4人は頷く。
俺はどうやら、今後もこいつらの極端な発想に今後も振り回されるらしい。
それはそれで…
まあ、幸せなことなのかもしれないな。
ふふふ。
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