上 下
429 / 586
学園6年目

弟の魔力回復、兄の魔力譲渡 ※

しおりを挟む
【エルside】

ん…息苦しい…何…?

「んっ…あ、ふ…ジョン?」
「目が覚めましたか、エル…」
「じょ…ジョン?あ…あれ…」
「その、魔力譲渡をと、思いまして」

積み上げられたリネンの上で、私はジョンに覆い被さられている…らしい。

「魔力…譲渡?」
「はい、ですから、その…」
「あっ…そ、それで、あの…」

ジョンの言葉に、さっきのはキスだったのだと思い至り、顔が熱くなる。

「このような形で…ですが、エル…」
「う、うん、分かってる…」

ジョンの顔が近づく。
唇と唇を合わせるだけのキス、その後…

「ん…、ん、ふ…」

口の中をまさぐるような、官能的なキス…
愛する人とこんなキスができるなんて、この国に居た時は想像もしてなくて。

「んっ…ふ、ジョン、もっと…ほしい」
「仰せのままに、エル…」

息を整えたら、また息が切れるまで舌を絡ませ…
舌だけを舐め合うようなキスになる。
太もものあたりに、固いモノが当たる。
意地悪したくなって腿を揺らす。

「ん、エル、煽らないで」
「やだ、早く…ジョンが、ほしい」

ジョンの耳元で囁く。

「ねえ、ちょうだい…」

ジョンは困ったような顔で言う。

「まだ駄目ですよ、ちゃんと…エルも気持ちよく、ならないと」
「ん…じゃあ、脱がせて?
 それから、ジョンも…脱いで、見せて」
「ええ」

鍛え上げられた身体。
いくつもの傷の残る身体…

「生き残ってくれて、ありがと、ジョン」
「どうしたんです、急に…」
「出会えて、良かったと、思って」

愛しい人の首に手を回して、抱きつく。

「すきだよ、ジョン…世界で、一番」

ジョンは無言で、私を強く抱きしめ…

「俺も、エルを、愛してる」

と、言った。

--------------------

【スプーラside】

「これで最後、か…」
「そのようですね」

ようやく前庭での戦闘が終わった。
倒れたのをルース殿がツタで括り付けてくれたおかげで大分捗ったな。
それと、急にジョンとエルグランが数人を吹っ飛ばしながら走って行ったのも良かった。

いきなり現れて兄を手伝うとは、粋なやつめ。

「久々に思い切り暴れたな…これで少しは叔父上への脅しになれば良いが」
「…そう、ですね…」

数にすればたかが50程度の人数だったが、向こうに光魔法使いがいた所為で随分と時間がかかった。
だが魔法使いというものは、魔法を沢山使うと急にばったり倒れるものらしい。
何度もヒールを使わせてやると急にそいつが倒れ、そこから先は早かっ、!?

「おい、ゴード!」

急にゴードが地面に両膝を付いた。

「は、はは、少し調子に乗りすぎたか…
 俺も、魔力を、使い過ぎました…」
「そんな!どうすればいい」
「慌てなくても、寝れば治ります、から…」

寝れば治る?
そんな時間は無いぞ。
結婚式に集まってくれた友人達にも予定があるのだ。

「他に方法は無いの…あっ」

そういえば、ローズで小耳に挟んだぞ。
確か…

「なるほど、治る」

***

屋敷右側の勝手口から厨房のパントリーへ入る。
どうやら誰も居ないようだ…

背負ってきたゴードをそっと床へ降ろす。
この重みが彼の努力の賜物だと思うと、愛しい。

「自分の背中を任せられる伴侶…私の理想だ」

この武骨で逞しい外見の向こうに、かわいいところが隠れているのを知っているのは私だけだ。
全身の力が抜け、今にも眠ってしまいそうなゴードに口づける。
優しく口づけるつもりが、ついむさぼるように激しくなってしまう。

彼の前で我慢が利く私ではない…
自慢げに言う事ではないけれど。

戦う時に邪魔だと、お互い上半身はシャツ1枚。
すでにいくつかのボタンは取れ、戦いの興奮からか胸の飾りはすでに主張を始めている。
シャツの上からなぞると、ゴードの身体がぴくりと跳ねる。

何度もなぞって、摘まみ上げる。
「んっ…」
甘い鼻声が聞こえ、顔がなまめかしく色づく。
取れていないボタンを外し、上半身をあらわに…
色づいたそこを、甘噛みする。

「…きれいだ」
「ふぁ…ん…ふ」

魔力譲渡というのは口または尻から精液を注ぐだけでいいらしいが、ただの作業にするのは勿体ない。
悦ばせ、感じさせ、求めさせたい…

暫く両の胸の先に触れながら、彼の吐息がより熱っぽくなるのを待ってから、ズボンとパンツを勢いよく下へ下ろす。

「ひゃっ!?」
「ここへ、魔力を注げばいいんだな?」
「ふっ、にゃあっ」

尻の穴へ指を差し込むと、ゴードが可愛らしい声で抗議してくる。

かわいい。

今まで何度も突き挿れたおかげで従順になっているそこへ、猛る自身をあてがう。
行為を刷り込まれた身体は、そこを充分に潤わせていて、私を受け入れていく…

「ゴード、私の魔力を、受け取れ」
「ん…」

その事までが愛しすぎて、私は…

気が付けば何度も、
ゴードの中へ、
子種まりょくを注いでいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~

日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました! 小説家になろうにて先行公開中 https://ncode.syosetu.com/n5925iz/ 残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。 だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。 そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。 実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく! ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう! 彼女はむしろ喜んだ。

【完結】優しくしないで

にゃーつ
BL
幼少期からの虐待でボロボロになっていたところを武田組若頭に拾ってもらう千秋。 虐待や暴力により心を閉ざしてしまう。 そんな時に武田組で出会ったのは自分の生涯に大きく関わる1人の男の子。その男の子との出会いが千秋を大きく変える。千秋の心の傷を癒やし、千秋に笑顔を取り戻したその男の子は武田空。千秋を拾った武田組若頭の息子だった。 空への想いを自覚するも自分の過去や立場を考え悩む千秋、それとは対照的に自分の思いを曝け出し行動に起こす空。 そこで千秋が下した決断とは!? 年の差12歳 年下×年上 トラウマを抱えながらも必死に空を想う千秋、千秋のためなら周りがどうなってもいいって思うほどに千秋に執着する空。 ちーがいないと生きていけない。 空がいないと不安。 愛を知らなかった千秋が空から大きすぎる愛を注がれる話。 初作品です 完結しました。 2/9 BL 31位!!!!

駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト
恋愛
「道楽で始めた駄菓子屋を継ぐ」という条件で祖父の遺産を相続した青年。 彼にとってその条件は、まさに夢の世界への片道切符だった。 次々にやってくる魅力的なロリっ子たちの誘惑に、ロリコンを隠して生きてきた青年は耐え切ることができるのだろうか?(できません) ※この物語はフィクションです。実在する地名・人物・団体とは一切関係ありません。 ※作中での行為を実際に行った場合、法律に違反してしまう可能性がありますのでご注意ください。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

ある公爵令嬢の生涯

ユウ
恋愛
伯爵令嬢のエステルには妹がいた。 妖精姫と呼ばれ両親からも愛され周りからも無条件に愛される。 婚約者までも妹に奪われ婚約者を譲るように言われてしまう。 そして最後には妹を陥れようとした罪で断罪されてしまうが… 気づくとエステルに転生していた。 再び前世繰り返すことになると思いきや。 エステルは家族を見限り自立を決意するのだが… *** タイトルを変更しました!

婚約破棄された公爵令嬢は、真実の愛を証明したい

香月文香
恋愛
「リリィ、僕は真実の愛を見つけたんだ!」 王太子エリックの婚約者であるリリアーナ・ミュラーは、舞踏会で婚約破棄される。エリックは男爵令嬢を愛してしまい、彼女以外考えられないというのだ。 リリアーナの脳裏をよぎったのは、十年前、借金のかたに商人に嫁いだ姉の言葉。 『リリィ、私は真実の愛を見つけたわ。どんなことがあったって大丈夫よ』 そう笑って消えた姉は、五年前、首なし死体となって娼館で見つかった。 真実の愛に浮かれる王太子と男爵令嬢を前に、リリアーナは決意する。 ——私はこの二人を利用する。 ありとあらゆる苦難を与え、そして、二人が愛によって結ばれるハッピーエンドを見届けてやる。 ——それこそが真実の愛の証明になるから。 これは、婚約破棄された公爵令嬢が真実の愛を見つけるお話。 ※6/15 20:37に一部改稿しました。

ヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年に懐かれた結果、立派なヤンデレ美青年へと成長した彼に迫られ食べられたが早まったかもしれない件について。

宝楓カチカ🌹
BL
諸事情により預かった天使のような美貌を持つヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年(6歳)に懐かれた平々凡々とした鈴木春人くん(14歳)が十数年後、身長187.3cmのヤンデレ科ヤンデレ属に属する立派なヤンデレ美青年へと成長したかつてのヤンデレ気味のハーフ美少年に迫られ食べられて早まったかなあなんて思ってしまうお話。 ※閲覧は自己責任でお願いします。ムーンライトノベルズ様にも掲載させて頂いております(タイトルは微妙に異なります)(文字数制限でタイトル入りきりませんでした) ※※R18シーンには*つけてます。

運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~

日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。 女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。 婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。 あらゆる不幸が彼女を襲う。 果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか? 選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!

処理中です...