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学園6年目
結婚式大作戦 1
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スプーラ殿下とゴード先輩の小さな結婚式。
王都から少し離れた草原にポツンとある神殿に、スプーラ殿下のご学友とゴード先輩の友人である俺たちは集まっていた。
「ジギタリス両伯爵が来てない時点でおかしいとは思っていましたけどね」
「しかし、いい場所を見つけたな…ここならもし戦闘が起きても街への被害は最小限で済む」
結婚式前にしては不穏当な会話を交わす俺たち。
ここへの道中で襲われることも考えて、新郎2人には魔法馬鹿4人組+ジョンさんが同行している。
「…無事に着けばいいんですけどね」
神殿の裏手に広がる林にはケンタウレア先生とカイト君が偵察に行き、何かあったときの為に魔法棟5侯爵が周辺に詰めている。
入口を見張るのはソラン先輩とビスカリア教授の盾コンビ。
式を取り仕切る神官さんのお迎えにカレンデュラ先生とヘヴィさん、ウィン兄にディー兄。
式場チェックは古代魔法組と魔石工学組の6人、そして来客一人ひとりに闇飛ばしチェックをするのは俺。
受付はアレクさんと途中合流のクリビアさん、音楽はデューイ君、指揮官は殿下。
「…セント神官長連れてきたら良かったですね」
「確かにな…ここの神官長殿は祈りの結界が甘い」
そうなんだよな…
昨日お布施して結界してもらったけど、もう解けかけてるもん。
もしかしたらそれが狙いなのかもしれないけど…
「殿下、神殿内には危険物等見当たりませんでした」
「周辺の敷地についても問題ありません」
「分かった」
「殿下、神官殿が到着されました」
「うむ、何かあったか」
「あったけど解決してきましたよ~」
「さすがだな」
えっ何?
解決した?
何を?
「後で説明する」
「殿下、林の盗賊団、殲滅しました」
「早かったな、ご苦労」
えっ何!?
殲滅!?
「殺してはいないぞ」
「気絶させて転がしてあるだけだからな」
「魔法棟のが見張ってくれているから安心だぞ」
ちょっとまって、どんどん不穏なんですけど。
「ルース君、表に街の人がお祝いだって来てるんだけど、闇飛ばし頼める?」
「急にやって来てなんか怪しいんだよな」
「あ、はーい…というか、古代魔法の3人に結界掛け直してもらいましょうか」
「それがいい」
…もう不穏なのはしょうがないか。
「…どうやら本気でこの結婚式を潰そうとしている人がいるみたいですね」
「そうだな」
「普通、気に入らなくても一旦結婚させておいて、後に暗殺するとかしませんかね」
「そうなったらローズとカメリアの仲は最悪になるからな。
一応それくらいは知恵が回るんだろう」
簡単に暗殺されるような奴でもないしな、と殿下。
確かに、暗殺できるもんならもうしてるか…
ゴード先輩はずっと王城に居たんだから。
あっ。
「あと、スプーラ殿下に色仕掛けするとか」
「騎士と魔法使いの対立がすでに和らいできている今、そんな時間のかかる事もしてはおれんのだろう」
うーん、それも出来るもんならもうしてるか。
「つまり、対立しているほうが都合がいい人が裏にいるってことですね」
「そういうことだ」
その2つが対立していることで利益がある…
売国の匂いがするけど、どうなんだろ。
「まさか、あのクーデター事件にも関与してたり…」
「ルース、不確実な想定は避けるべきだ」
「…そうですね、すみません」
決めつけは目を曇らせる。
スプーラ殿下の存在がまさにそう…
「…スプーラ殿下になら、ゴード先輩を託せそうですね」
「悪い奴ではない、口は悪いがな」
そんな話を殿下としていると、スプーラ殿下のご学友の皆様がこちらへやってきて言った。
「アルファード殿下、我々にも手伝えることはありますか?」
「皆様には、スプーラ殿下とゴードを祝福する事と、今回の結婚の証人になって頂く覚悟をお願いしたい」
「それはもうしてきています、他には?」
「この結婚式の話を、出来る限り広めて頂きたい。
委細合切、しっかり記憶して頂きたい」
「我々の仕事は式の後ということですね、分かりました」
ご学友の皆様も、相応の覚悟はしてきている。
もし家にとって都合が悪くなるのであれば、いつでも家との縁を切れるように書面を用意しているそうだ。
「スプーラ殿下…慕われてるんですね」
「ええ、腹芸なく思った事を言う方なので、気楽に付き合えますから」
「意外と一緒にいると楽しいですよ?」
「あのまま王になると大変そうだから、支えてやろうと思っています…側近はあてになりませんしね」
「あー…確かに、フォローが下手でしたね」
「ははは、ルース殿もなかなか仰いますね!」
うーん、確かに最近ツッコみ癖が出てるもんな。
引き締めねば…。
「そろそろスプーラ殿とゴードが到着するはずだが…」
「確かに、ちょっと遅いですね?」
迎えにいったほうがいいのか?
何だかとても心配…。
王都から少し離れた草原にポツンとある神殿に、スプーラ殿下のご学友とゴード先輩の友人である俺たちは集まっていた。
「ジギタリス両伯爵が来てない時点でおかしいとは思っていましたけどね」
「しかし、いい場所を見つけたな…ここならもし戦闘が起きても街への被害は最小限で済む」
結婚式前にしては不穏当な会話を交わす俺たち。
ここへの道中で襲われることも考えて、新郎2人には魔法馬鹿4人組+ジョンさんが同行している。
「…無事に着けばいいんですけどね」
神殿の裏手に広がる林にはケンタウレア先生とカイト君が偵察に行き、何かあったときの為に魔法棟5侯爵が周辺に詰めている。
入口を見張るのはソラン先輩とビスカリア教授の盾コンビ。
式を取り仕切る神官さんのお迎えにカレンデュラ先生とヘヴィさん、ウィン兄にディー兄。
式場チェックは古代魔法組と魔石工学組の6人、そして来客一人ひとりに闇飛ばしチェックをするのは俺。
受付はアレクさんと途中合流のクリビアさん、音楽はデューイ君、指揮官は殿下。
「…セント神官長連れてきたら良かったですね」
「確かにな…ここの神官長殿は祈りの結界が甘い」
そうなんだよな…
昨日お布施して結界してもらったけど、もう解けかけてるもん。
もしかしたらそれが狙いなのかもしれないけど…
「殿下、神殿内には危険物等見当たりませんでした」
「周辺の敷地についても問題ありません」
「分かった」
「殿下、神官殿が到着されました」
「うむ、何かあったか」
「あったけど解決してきましたよ~」
「さすがだな」
えっ何?
解決した?
何を?
「後で説明する」
「殿下、林の盗賊団、殲滅しました」
「早かったな、ご苦労」
えっ何!?
殲滅!?
「殺してはいないぞ」
「気絶させて転がしてあるだけだからな」
「魔法棟のが見張ってくれているから安心だぞ」
ちょっとまって、どんどん不穏なんですけど。
「ルース君、表に街の人がお祝いだって来てるんだけど、闇飛ばし頼める?」
「急にやって来てなんか怪しいんだよな」
「あ、はーい…というか、古代魔法の3人に結界掛け直してもらいましょうか」
「それがいい」
…もう不穏なのはしょうがないか。
「…どうやら本気でこの結婚式を潰そうとしている人がいるみたいですね」
「そうだな」
「普通、気に入らなくても一旦結婚させておいて、後に暗殺するとかしませんかね」
「そうなったらローズとカメリアの仲は最悪になるからな。
一応それくらいは知恵が回るんだろう」
簡単に暗殺されるような奴でもないしな、と殿下。
確かに、暗殺できるもんならもうしてるか…
ゴード先輩はずっと王城に居たんだから。
あっ。
「あと、スプーラ殿下に色仕掛けするとか」
「騎士と魔法使いの対立がすでに和らいできている今、そんな時間のかかる事もしてはおれんのだろう」
うーん、それも出来るもんならもうしてるか。
「つまり、対立しているほうが都合がいい人が裏にいるってことですね」
「そういうことだ」
その2つが対立していることで利益がある…
売国の匂いがするけど、どうなんだろ。
「まさか、あのクーデター事件にも関与してたり…」
「ルース、不確実な想定は避けるべきだ」
「…そうですね、すみません」
決めつけは目を曇らせる。
スプーラ殿下の存在がまさにそう…
「…スプーラ殿下になら、ゴード先輩を託せそうですね」
「悪い奴ではない、口は悪いがな」
そんな話を殿下としていると、スプーラ殿下のご学友の皆様がこちらへやってきて言った。
「アルファード殿下、我々にも手伝えることはありますか?」
「皆様には、スプーラ殿下とゴードを祝福する事と、今回の結婚の証人になって頂く覚悟をお願いしたい」
「それはもうしてきています、他には?」
「この結婚式の話を、出来る限り広めて頂きたい。
委細合切、しっかり記憶して頂きたい」
「我々の仕事は式の後ということですね、分かりました」
ご学友の皆様も、相応の覚悟はしてきている。
もし家にとって都合が悪くなるのであれば、いつでも家との縁を切れるように書面を用意しているそうだ。
「スプーラ殿下…慕われてるんですね」
「ええ、腹芸なく思った事を言う方なので、気楽に付き合えますから」
「意外と一緒にいると楽しいですよ?」
「あのまま王になると大変そうだから、支えてやろうと思っています…側近はあてになりませんしね」
「あー…確かに、フォローが下手でしたね」
「ははは、ルース殿もなかなか仰いますね!」
うーん、確かに最近ツッコみ癖が出てるもんな。
引き締めねば…。
「そろそろスプーラ殿とゴードが到着するはずだが…」
「確かに、ちょっと遅いですね?」
迎えにいったほうがいいのか?
何だかとても心配…。
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