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学園6年目

うう、頭が… ~アルファード視点~ ※微

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「…どうした、ルース」
「ああ、いや…ちょっと、頭が」

ルースの様子がおかしい。
それも当然だ、学内のほぼ全員に闇飛ばしを掛けるだなどと…恐ろしい事を。

「すまんが先にルースを連れて帰る。
 十中八九、魔力不足だろう…後は頼んだ」
「はっ!分かりました」

フィーデに後を頼み、ルースを抱いて寮まで帰る。
歩けますという抗議は無視だ。

「ごめん、アル…」
「今回はお前の安全の為にした事だ…許す」

そうだ、俺は結局、ルースが他人の為に自分を犠牲にするのが気に入らないのだ。
ルースがルースの為に力を使っている分には心配こそすれ腹が立つなどという事は無い。

だが、それでも…俺は自然と早足になる。
寮の入口を蹴り開けて、まっすぐ部屋へ向かう。
途中の階段でルースに囁く。

「部屋に着いたらすぐに魔力補給だな?」
「ばっ…ばかっ、何言ってっ」

顔を真っ赤にするルース。
可愛いので額にキスをして、唇にも軽く触れる。
部屋に運び入れてベッドへ転がす。
少々強引に靴を脱がせ、自分もベッドへと乗り上げてから、深く口づけをする。

「ん~!!んっ、んー…」

頭を撫でながら口の中をかき乱してやれば、程なく瞳の奥に欲情の火が灯る。

「んふ…ぅ、ん…ぁは、」

ぷっくりと勃ち上がった胸の先を指先で刺激すると、息継ぎの間に甘い声が上がる。
何も考えずに眠れるように、たっぷり感じさせて吐き出させて…
俺の魔力がこもったソレを指で口に運んで、しゃぶらせて。

「アル……すき……」
「ああ、俺もだ…ルース、愛してる」
「ん…」

何度も吐精した後のけだるく甘い空気の中で、ルースは糸が切れたように眠った。

***


部屋の扉がノックされる。
あのリズムはウィンだろう…

「やあ殿下、今日の報告を持ってきた…ルーは?」
「すでに寝ている」
「良かった」

新学期がスタートしてから、アナガリス兄弟には交代でエルム捕縛の進捗を伝えにきてくれるよう頼んだ。

「やつら、やっぱ旧イフェイオン邸から出る様子は無いみたいだよ」
「…自領を捨てる気ではあるまいな?」
「さあね、ただイフェイオン領とエルム領は隣同士だ。
 地下道の1つくらいあってもおかしくは無いだろ?
 闇属性があれば、サンドワームの使役くらいできそうだし」
「…厄介な事だな」

ルースがかつて言っていた。
サンドワームはローズ王国の気候では大きくならない生物だ。
ということは、あの学園ダンジョンで見つかったサンドワームは元々、誰かの手によってそこそこのサイズまで育てられた個体なのではないか…と。

「2m程度の大きさのサンドワームを数匹使えば、人間の通れる穴を開けさせることくらい簡単だろうね」
「…そのトンネルが王宮まで伸びていない事を祈るしかないな」

一昨年「寄付の鶏が消えた件」で国中の神殿を調べた時には、王都や学園都市にある神殿には一切被害が無かった。
どちらかというと田舎、ダンジョンから10㎞範囲、古龍の墓から奥へは行っていない…

「フリージア公に確認を。
 イフェイオンには…まあ、聞いたところで無駄だろうが、確認を頼む」
「了解」
「それから、トルセンを確保したと、ケイに」
「えっまじで!?了解」
「それと、学園内で闇魔法に掛かった者が多数発生しているので現在調査中、と」
「あー、やっぱりね…了解」
「今判明している者たちには既に解除魔法を施している事も伝えてくれ」
「はいはい…って、まさか学園中でピッカピッカしまくったわけ?
 それでルーが倒れたって事?」
「…まあ、そういうことだ」
「ま、ルーらしいといえばルーらしい、か…」

金と権力以外のものは限界まで使う。
保有魔力の多さにものを言わせたごり押し…

「持てる者の戦い方、だな」
「金と権力は持て余してるのにねぇ」

くくく…と2人して笑う。

「働かせすぎてすまんな」
「はは、今動かなくていつ動くのさ」
「それはそうだが…お前たちに倒れられるのも困るからな」
「だったら早いとこ終わらせてくれよな」
「分かってる」

とはいえ、この事態をどう収束させるか…

俺も頭が痛くなってきた。
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