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学園6年目
学内探索 3
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「第2寮、異常なし」
俺たちは第2寮にあるデューイ君とカイト君の部屋を確認した後、共用部を捜索。
手紙という可能性も考えて暖炉や風呂釜、焼却炉にキッチンまで調べたがそれらしきものの痕跡は無かった。
捜索中にソラン先輩に連れられてイドラ君が合流。
ブローチを見せて貰うと魔石の照りがほぼ無くなっていたので、念の為に闇飛ばし。
「まっぶしい…こりゃ目が覚めるわけだ」
「頭が痛かったりとかしない?」
「うん、別に何も無いよ」
ブローチの効果はギリギリ間に合っていたらしい。
良かった。
イドラ君にここまでの経緯を簡単に説明する。
名簿の件に関しては「今まで中身を盗まれた事がない」というアイリス商会の地下金庫に入っているそうで、とりあえずひと安心。
ただそうなると、無差別に闇魔法かけまくってる可能性も出てくるんだけど…。
「じゃあ次は武術棟ですね」
「会った奴からどんどん闇飛ばししていくか?」
「それしか無いですね…。
せめて闇魔法にかけられてるかどうかが分かるものがあればなあ」
「んじゃそういう魔道具も考えるか」
「ビスカリア教授、魔生物学からのアプローチも考えましょう」
「そうだな、大発生時の魔生物と通常の魔生物の様子の違いから割り出せるものがあるかも…」
そんな話をしているうちに武術棟に到着。
1階のピロティには、今日も属性付与魔法に勤しむ一団がいる。
「あっ!ルースさん、おはようございます!」
「来年から魔法剣の指導はどなたが…?」
「それについては、近衛騎士団から講師を派遣する方向で話を進めていますよ!」
「そうなんですか…良かった!」
「それはそうと、皆さんにご協力頂きたい事が…」
何だなんだ…と1階にいた生徒が集まってくる。
事情を説明し、1人ずつ闇飛ばし…
「うあああ!!」
「ぎゃあああ!!」
2人発見。
***
武術棟のあちこちでピッカピッカしていたら、数人の闇魔法被害者が発見された。
ちなみにケンタウレア先生始め講師陣は異常なし。
倒れている生徒たちの面倒を任せて、第3~6寮まで一気に確認して回ることにした。
「78人中12人か…」
「よく魔力続くね、ルース」
んん、まあ確かに。
まだ全然いける感じする…我ながらすごい魔力量になったもんだ。
死にかけただけのことはあるな。
「しかし効率が悪いねえ」
「闇属性を使えるやつがいれば実験も出来るが…
校長、何とかならないんですか?」
「む、儂は使えんぞ…それで一悶着したんじゃから」
「そうなんですか?」
おじいちゃんが言うには、ローズ王家は代々闇属性を持って生まれる人が多いらしい。
なんなら、かつては闇属性があるなしで王位継承権が決まっていたそうで…
「儂をすっ飛ばして息子が王になるべきじゃとか、まあ色々あったのう。
じゃから元々息子が王位を任せられる歳になったらすぐに譲るという条件で王になったんじゃ…
研究をするのにもちょうど良かったし、今となってはそれで良かった気もするがの」
公爵派どもの暗躍はだいぶ前から始まっていたんだな。
随分前から王位簒奪の計画はあったんだ。
おじいちゃんの代に公爵派だった奴らは何故だか全員墓の中で、もうどうしようもないけれど…。
「陛下って闇属性なんですか?」
「そうじゃよ?
儂も儂の伴侶も闇属性なぞ持っとらんのにのう…」
ここで1つの疑問が頭をもたげる。
「属性って遺伝…関係ありますかね?」
「昔はそう信じられとったが、どうじゃろうの。
儂も伴侶も闇属性で無かったのに息子は闇属性じゃし、孫も闇属性じゃし…よく分からんのう」
昔はそう信じられていたけど、今は否定されつつある…というところかな。
「まあ、遺伝だという前提があるから、ローズ王国の不思議な「お家継承」法が残っているんでしょうしねぇ」
「確かにね!養子の跡継ぎできない、びっくりでした」
「あ、やっぱ変だと思いますよね」
「子ども1人だけのに、仕事2つあるも変よ!
領主と大臣一緒、無理。
どっちか伴侶に任せる、したら別居。
それだから子ども出来ないでしょう?」
「ですよねえ」
そもそも代々大臣を務めているっておかしくない?
そこは能力主義であるべきだと思うんだよね…
大臣の意見をまとめる宰相もいないし。
改革すべきところだらけだな…
実は結構歪な国なのかもしれない、この国。
「こんなだからいつまでも帝国再興の夢が消えないのかもな…」
何かすることいっぱいだな。
卒業してからも忙しくなりそう…
俺、大丈夫なんか?
俺たちは第2寮にあるデューイ君とカイト君の部屋を確認した後、共用部を捜索。
手紙という可能性も考えて暖炉や風呂釜、焼却炉にキッチンまで調べたがそれらしきものの痕跡は無かった。
捜索中にソラン先輩に連れられてイドラ君が合流。
ブローチを見せて貰うと魔石の照りがほぼ無くなっていたので、念の為に闇飛ばし。
「まっぶしい…こりゃ目が覚めるわけだ」
「頭が痛かったりとかしない?」
「うん、別に何も無いよ」
ブローチの効果はギリギリ間に合っていたらしい。
良かった。
イドラ君にここまでの経緯を簡単に説明する。
名簿の件に関しては「今まで中身を盗まれた事がない」というアイリス商会の地下金庫に入っているそうで、とりあえずひと安心。
ただそうなると、無差別に闇魔法かけまくってる可能性も出てくるんだけど…。
「じゃあ次は武術棟ですね」
「会った奴からどんどん闇飛ばししていくか?」
「それしか無いですね…。
せめて闇魔法にかけられてるかどうかが分かるものがあればなあ」
「んじゃそういう魔道具も考えるか」
「ビスカリア教授、魔生物学からのアプローチも考えましょう」
「そうだな、大発生時の魔生物と通常の魔生物の様子の違いから割り出せるものがあるかも…」
そんな話をしているうちに武術棟に到着。
1階のピロティには、今日も属性付与魔法に勤しむ一団がいる。
「あっ!ルースさん、おはようございます!」
「来年から魔法剣の指導はどなたが…?」
「それについては、近衛騎士団から講師を派遣する方向で話を進めていますよ!」
「そうなんですか…良かった!」
「それはそうと、皆さんにご協力頂きたい事が…」
何だなんだ…と1階にいた生徒が集まってくる。
事情を説明し、1人ずつ闇飛ばし…
「うあああ!!」
「ぎゃあああ!!」
2人発見。
***
武術棟のあちこちでピッカピッカしていたら、数人の闇魔法被害者が発見された。
ちなみにケンタウレア先生始め講師陣は異常なし。
倒れている生徒たちの面倒を任せて、第3~6寮まで一気に確認して回ることにした。
「78人中12人か…」
「よく魔力続くね、ルース」
んん、まあ確かに。
まだ全然いける感じする…我ながらすごい魔力量になったもんだ。
死にかけただけのことはあるな。
「しかし効率が悪いねえ」
「闇属性を使えるやつがいれば実験も出来るが…
校長、何とかならないんですか?」
「む、儂は使えんぞ…それで一悶着したんじゃから」
「そうなんですか?」
おじいちゃんが言うには、ローズ王家は代々闇属性を持って生まれる人が多いらしい。
なんなら、かつては闇属性があるなしで王位継承権が決まっていたそうで…
「儂をすっ飛ばして息子が王になるべきじゃとか、まあ色々あったのう。
じゃから元々息子が王位を任せられる歳になったらすぐに譲るという条件で王になったんじゃ…
研究をするのにもちょうど良かったし、今となってはそれで良かった気もするがの」
公爵派どもの暗躍はだいぶ前から始まっていたんだな。
随分前から王位簒奪の計画はあったんだ。
おじいちゃんの代に公爵派だった奴らは何故だか全員墓の中で、もうどうしようもないけれど…。
「陛下って闇属性なんですか?」
「そうじゃよ?
儂も儂の伴侶も闇属性なぞ持っとらんのにのう…」
ここで1つの疑問が頭をもたげる。
「属性って遺伝…関係ありますかね?」
「昔はそう信じられとったが、どうじゃろうの。
儂も伴侶も闇属性で無かったのに息子は闇属性じゃし、孫も闇属性じゃし…よく分からんのう」
昔はそう信じられていたけど、今は否定されつつある…というところかな。
「まあ、遺伝だという前提があるから、ローズ王国の不思議な「お家継承」法が残っているんでしょうしねぇ」
「確かにね!養子の跡継ぎできない、びっくりでした」
「あ、やっぱ変だと思いますよね」
「子ども1人だけのに、仕事2つあるも変よ!
領主と大臣一緒、無理。
どっちか伴侶に任せる、したら別居。
それだから子ども出来ないでしょう?」
「ですよねえ」
そもそも代々大臣を務めているっておかしくない?
そこは能力主義であるべきだと思うんだよね…
大臣の意見をまとめる宰相もいないし。
改革すべきところだらけだな…
実は結構歪な国なのかもしれない、この国。
「こんなだからいつまでも帝国再興の夢が消えないのかもな…」
何かすることいっぱいだな。
卒業してからも忙しくなりそう…
俺、大丈夫なんか?
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