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学園4年目
学者さんたちの交流会
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「本日はありがとうございました、ルース様。
次の機会には必ず、納得のいく経済政策をご提案できるように致します」
「ええ、宜しくお願い致します」
王都国立大学での学者さんたちの意見交換会は好評のうちに終了。
現在記念パーティーの真っ最中…
ダンスが付いていないのが救いだ。
国家の恥をさらさなくて済む。
「しかし景気というものは、上がればいいというものでは無いのですな」
「そうですね、急激な景気上昇は、いつか大きな打撃となって返ってくるのでは、と…。
緩やかに堅実に、が一番です。
常に飢える国民が出ないことが大事かと」
「確かに、飢えは不幸の始まりとも言いますね…」
そうなんだよね…飢えって治安維持にも関わってくる問題だからね。
お腹が空き過ぎたらまともな思考ができないもん…自殺はもちろん、窃盗・強盗・殺人…暴動が起きたりもするし。
ダンジョンで食料が無くなった時の悲惨さも、クリビアさんから懇々と聞かされたもんな。
そんな話をしていると、また他から声が掛かる。
「科学技術と魔法技術の融合…というお話、大変面白くお聞き致しました。
やはり魔法の事は学園が最も進んでおりますから、これからは平民と貴族の垣根を超えた連携も必要ですね」
「そういえば農業分野でも面白い話をお聞きしました。
魔物の死体を焼却した灰を土に混ぜる農法ですか?」
「そういえば、建築に関しても…「魔法工法」でしたか」
次々に話しかけられるんだけど、どうしたもんかな…。
延々と話が続いて会場を抜け出せない。
皆さん、そんなに話に来ても、意見交換会で出た以上のものは出ませんぞ?
ちょっと困っていると、殿下が話に割って入って来てくれた。
「王子の俺よりお前のほうがよっぽど人気があるな」
「そりゃいきなり王族に話しかける度胸のある人は少ないですもん!
その点、貧乏伯爵家の末っ子ならそれほど気を遣わなくていいですし」
「…それだけが理由だと?」
「まあ、それが現実ってやつですよ…勘違いしちゃいけません」
俺がそう言うと、勝手にくっついてきたテナチュール様と殿下がひそひそ話を始める。
「…これはまた質の悪い無自覚ですね」
「分かるか、フィーデ」
「聞こえてますよ!?」
んもー!
王子様より俺のほうが人気なわけないでしょ!?
どこの世界のお話よ!
しかし、定期的にこのような会合を開いて欲しいとみんなから言われるんだけど、どうしたもんかな。
俺まだ学生だしな…何の学位もないやつが学会みたいなもん開けないでしょ。
結婚できたら王族権限とかで何か出来るのかもしれんがさ…。
「こうなったら誰かに頼む…あっ」
「どうした」
「ベルガモット教授に頼もう」
「何をだ?」
「この会を来年・再来年と定期的に開催するのを、です」
「なぜ伯父上に…」
「…声が大きいから?」
だってとりあえず「やるぞ!」って言わなきゃ始まんないからさ…。
「…ルース君が名前を貸してくれるなら、僕がやりましょう」
「えっ、本当ですか?じゃあお願いします」
まあ、俺の名前を出したところでどうだって話だけどね!
そんな話をしていると、王大の学長さんに声を掛けられた。
「ああ、ルース様!本日はこのような機会を…ありがとうございます」
「いえいえ、皆様の情熱に押されただけのことで」
「おかげさまで、自分の研究を託せる若者が見つかりました…これで一安心です」
「それは良かった!人生をかけた研究が自分の代で途絶えるのは耐え難いことですから…」
「そうなのです!分かってくださいますか」
そう、古い学問でも、誰かが続けていかなけりゃ途絶えてしまう。
古代魔法はそれを痛いほど教えてくれた。
マグノリア教授がいなかったら、魔法剣は雷属性だけの特権になるところだったのだ。
1つの属性だけが異様にもてはやされるのは良くない。
すべての属性があってこそ、生活は豊かになる…
…なーんてね。
多分やで!
知らんけど!
次の機会には必ず、納得のいく経済政策をご提案できるように致します」
「ええ、宜しくお願い致します」
王都国立大学での学者さんたちの意見交換会は好評のうちに終了。
現在記念パーティーの真っ最中…
ダンスが付いていないのが救いだ。
国家の恥をさらさなくて済む。
「しかし景気というものは、上がればいいというものでは無いのですな」
「そうですね、急激な景気上昇は、いつか大きな打撃となって返ってくるのでは、と…。
緩やかに堅実に、が一番です。
常に飢える国民が出ないことが大事かと」
「確かに、飢えは不幸の始まりとも言いますね…」
そうなんだよね…飢えって治安維持にも関わってくる問題だからね。
お腹が空き過ぎたらまともな思考ができないもん…自殺はもちろん、窃盗・強盗・殺人…暴動が起きたりもするし。
ダンジョンで食料が無くなった時の悲惨さも、クリビアさんから懇々と聞かされたもんな。
そんな話をしていると、また他から声が掛かる。
「科学技術と魔法技術の融合…というお話、大変面白くお聞き致しました。
やはり魔法の事は学園が最も進んでおりますから、これからは平民と貴族の垣根を超えた連携も必要ですね」
「そういえば農業分野でも面白い話をお聞きしました。
魔物の死体を焼却した灰を土に混ぜる農法ですか?」
「そういえば、建築に関しても…「魔法工法」でしたか」
次々に話しかけられるんだけど、どうしたもんかな…。
延々と話が続いて会場を抜け出せない。
皆さん、そんなに話に来ても、意見交換会で出た以上のものは出ませんぞ?
ちょっと困っていると、殿下が話に割って入って来てくれた。
「王子の俺よりお前のほうがよっぽど人気があるな」
「そりゃいきなり王族に話しかける度胸のある人は少ないですもん!
その点、貧乏伯爵家の末っ子ならそれほど気を遣わなくていいですし」
「…それだけが理由だと?」
「まあ、それが現実ってやつですよ…勘違いしちゃいけません」
俺がそう言うと、勝手にくっついてきたテナチュール様と殿下がひそひそ話を始める。
「…これはまた質の悪い無自覚ですね」
「分かるか、フィーデ」
「聞こえてますよ!?」
んもー!
王子様より俺のほうが人気なわけないでしょ!?
どこの世界のお話よ!
しかし、定期的にこのような会合を開いて欲しいとみんなから言われるんだけど、どうしたもんかな。
俺まだ学生だしな…何の学位もないやつが学会みたいなもん開けないでしょ。
結婚できたら王族権限とかで何か出来るのかもしれんがさ…。
「こうなったら誰かに頼む…あっ」
「どうした」
「ベルガモット教授に頼もう」
「何をだ?」
「この会を来年・再来年と定期的に開催するのを、です」
「なぜ伯父上に…」
「…声が大きいから?」
だってとりあえず「やるぞ!」って言わなきゃ始まんないからさ…。
「…ルース君が名前を貸してくれるなら、僕がやりましょう」
「えっ、本当ですか?じゃあお願いします」
まあ、俺の名前を出したところでどうだって話だけどね!
そんな話をしていると、王大の学長さんに声を掛けられた。
「ああ、ルース様!本日はこのような機会を…ありがとうございます」
「いえいえ、皆様の情熱に押されただけのことで」
「おかげさまで、自分の研究を託せる若者が見つかりました…これで一安心です」
「それは良かった!人生をかけた研究が自分の代で途絶えるのは耐え難いことですから…」
「そうなのです!分かってくださいますか」
そう、古い学問でも、誰かが続けていかなけりゃ途絶えてしまう。
古代魔法はそれを痛いほど教えてくれた。
マグノリア教授がいなかったら、魔法剣は雷属性だけの特権になるところだったのだ。
1つの属性だけが異様にもてはやされるのは良くない。
すべての属性があってこそ、生活は豊かになる…
…なーんてね。
多分やで!
知らんけど!
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