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学園4年目
なぜうちに泊まる 1
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本日の来客は冒険者ギルドのお2人…と、お子様2人。
ここに来て知ったんだけど、クリビアさんってただのギルド職員さんじゃなくて、ギルド本部のNo.2なんだって。
人生で2度も「騙すつもりじゃなかった」というセリフを聞く羽目になるとは…。
仕事だったとはいえトレッドさんにもクリビアさんにも騙されて、ややスネていた俺に殿下が言った。
「これだけ堂々と統括に帯同している時点で気づかんお前も悪い」
はい、返す言葉もございません…。
アンジャベル卿たちは謁見、というより俺を借りに来た雰囲気だったので、
「後は俺がやっておく」
との殿下のありがたいお言葉に甘えて、俺は4人を実家へと案内した。
うちにだって応接室くらいあるんだぞ!
案の定狭いけどね!!
***
アンジャベル卿との話合いはどうしても緊張する。
ここで決まった事が冒険者の人たち全員の人生を左右するかもしれない…と思うと、責任重大だ。
盾の話、魔生物講習の話、属性付与魔法の話…何よりランクアップシステムの話。
とても一日では収まりきらない内容なので、数日泊まり込みになるのも仕方ない…のだが。
「…え?うちに泊まるんですか!?」
「心ゆくまで議論を重ねようと思えばこそ」
「徹底的に話し合って何らかの結論を出さなければ帰れませんから…」
「ルースさんち泊まりたい!」
「おとまりしたいの…だめ?」
「う…う…う、うん、いいよ」
…まあ、後宮もいっぱいだし、王宮の客間も予約で埋まってるもんな。
子どもたちのお願いを断るなんて出来ないし。
でもそうなると俺がこっちに寝泊まりしなきゃいけないってことか。
まあ王宮まで徒歩10分程度だし、前世の通学みたいなもんだと思えば楽勝だ。
「分かりました。
リチャードさん、皆さんのお部屋を用意して貰えますか」
「かしこまりました」
「皆さんはお部屋の準備が整うまで応接室でお待ちください…クッキーは好きかな?」
「うん!クッキーだいすき!」
「じゃあお茶…あ、うちハーブティーしか無いんだけど、いい?」
「うん!」
というわけで執事リチャードは急いで客間…かつての兄達の部屋を整えに、俺は台所へクッキーとお茶を用意しに行く。リビングでは現在、薬学の教授と助手さんが編纂作業の真っ最中。
ついでなので2人のお茶とクッキーも用意する。
どうやら2人は「密かに」うちのレシピを書き写し、「こっそり」庭のハーブも採取して帰るつもりだったらしく、俺が編纂作業の最初に
「レシピは書き写したものなら持ち出しもOKだし、庭のハーブもサンプル採取程度ならいいですよ。
その代わりいずれこれを出版するときに、お2人が監修についてくれるとありがたいんですけど」
と話をしたら、俄然2人のやる気がアップして朝から晩まで猛烈な勢いで編纂に取り組んでいる…
だもんで、俺の入る余地が今のところ無い。
ちなみにこの2人もなし崩し的にうちに宿泊している。
だってリビングの椅子を並べてその上に寝てるんだもん…。
せめてマットレスくらい敷いてあげよう、とリチャードと俺でリビングの端に寝床を用意したのだ。
仕方なく。
「さてと、戻るか…。
そう言えば晩御飯どうしよう」
うちに料理人はいないので執事リチャードと俺が交代で飯を作ってきたけど、4人も人が増えたら食材もいるし手間も掛かるし…。
仕方ない、後で王宮に相談しよう。
食材も王宮で借りて…
「あっ、そうだ!」
飯だけ王宮に食べに行けばいいんだ!
名案じゃない?
「これを置いたら王宮に行って話を…」
と思ったら、玄関のほうから執事リチャードが駆けてきた。
「王宮からお迎えの馬車が来ています」
「…は?」
「急ぎだそうで…皆様もご一緒に」
「ええ!?」
何かあったのかな?
渡りに舟…って言っていいやつではなさそう。
何だかまた面倒なことが起きる気がする…。
ここに来て知ったんだけど、クリビアさんってただのギルド職員さんじゃなくて、ギルド本部のNo.2なんだって。
人生で2度も「騙すつもりじゃなかった」というセリフを聞く羽目になるとは…。
仕事だったとはいえトレッドさんにもクリビアさんにも騙されて、ややスネていた俺に殿下が言った。
「これだけ堂々と統括に帯同している時点で気づかんお前も悪い」
はい、返す言葉もございません…。
アンジャベル卿たちは謁見、というより俺を借りに来た雰囲気だったので、
「後は俺がやっておく」
との殿下のありがたいお言葉に甘えて、俺は4人を実家へと案内した。
うちにだって応接室くらいあるんだぞ!
案の定狭いけどね!!
***
アンジャベル卿との話合いはどうしても緊張する。
ここで決まった事が冒険者の人たち全員の人生を左右するかもしれない…と思うと、責任重大だ。
盾の話、魔生物講習の話、属性付与魔法の話…何よりランクアップシステムの話。
とても一日では収まりきらない内容なので、数日泊まり込みになるのも仕方ない…のだが。
「…え?うちに泊まるんですか!?」
「心ゆくまで議論を重ねようと思えばこそ」
「徹底的に話し合って何らかの結論を出さなければ帰れませんから…」
「ルースさんち泊まりたい!」
「おとまりしたいの…だめ?」
「う…う…う、うん、いいよ」
…まあ、後宮もいっぱいだし、王宮の客間も予約で埋まってるもんな。
子どもたちのお願いを断るなんて出来ないし。
でもそうなると俺がこっちに寝泊まりしなきゃいけないってことか。
まあ王宮まで徒歩10分程度だし、前世の通学みたいなもんだと思えば楽勝だ。
「分かりました。
リチャードさん、皆さんのお部屋を用意して貰えますか」
「かしこまりました」
「皆さんはお部屋の準備が整うまで応接室でお待ちください…クッキーは好きかな?」
「うん!クッキーだいすき!」
「じゃあお茶…あ、うちハーブティーしか無いんだけど、いい?」
「うん!」
というわけで執事リチャードは急いで客間…かつての兄達の部屋を整えに、俺は台所へクッキーとお茶を用意しに行く。リビングでは現在、薬学の教授と助手さんが編纂作業の真っ最中。
ついでなので2人のお茶とクッキーも用意する。
どうやら2人は「密かに」うちのレシピを書き写し、「こっそり」庭のハーブも採取して帰るつもりだったらしく、俺が編纂作業の最初に
「レシピは書き写したものなら持ち出しもOKだし、庭のハーブもサンプル採取程度ならいいですよ。
その代わりいずれこれを出版するときに、お2人が監修についてくれるとありがたいんですけど」
と話をしたら、俄然2人のやる気がアップして朝から晩まで猛烈な勢いで編纂に取り組んでいる…
だもんで、俺の入る余地が今のところ無い。
ちなみにこの2人もなし崩し的にうちに宿泊している。
だってリビングの椅子を並べてその上に寝てるんだもん…。
せめてマットレスくらい敷いてあげよう、とリチャードと俺でリビングの端に寝床を用意したのだ。
仕方なく。
「さてと、戻るか…。
そう言えば晩御飯どうしよう」
うちに料理人はいないので執事リチャードと俺が交代で飯を作ってきたけど、4人も人が増えたら食材もいるし手間も掛かるし…。
仕方ない、後で王宮に相談しよう。
食材も王宮で借りて…
「あっ、そうだ!」
飯だけ王宮に食べに行けばいいんだ!
名案じゃない?
「これを置いたら王宮に行って話を…」
と思ったら、玄関のほうから執事リチャードが駆けてきた。
「王宮からお迎えの馬車が来ています」
「…は?」
「急ぎだそうで…皆様もご一緒に」
「ええ!?」
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