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学園4年目
新学期スタート!
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婚前旅行の締めはなかなかだった。
ローズからお迎えに来た軍艦にケンタウレア一門とジョンさんとカレンデュラ先生を連れて行って「こちらは非力でない(にもほどがある)けど魔法を使える方々です」と紹介し、演武を披露してもらった後軽い武芸大会を開催して挑戦者を全員KOし、失意の艦長を焚き付けて乗組員全員に特訓を課させるなどの非道を行い、
頼まれたからと各自お好みの属性を片っ端から開放し、何人かを強制的に絶頂させてみたりなどの非道も行うなどしながら無事に帰国。
雷属性じゃなくても強制絶頂が起きるという新事実におじいちゃん先生は興味津々。
ついでに「もう少し鍛錬を…」ということでケンタウレア一門と一緒に暫く港に滞在することになった。
4人を置き去り(?)にして、俺たちは新学期に間に合うように学園に戻ってきた。
殿下は剣術上級・馬術中級に、俺は予定通り薬学入門・政治経済初級・経営学入門に履修届けを出すために、久々に「学級」の教室へ向かった。
「久しぶりですね…担任の先生は誰かなぁ」
「さあな、だが多分お前の知り合いのうちの誰かだろう」
まあ確かに、顔が広くなったもんなあ。
学園にある研究室はほぼ制覇してるもん…。
行ってないのは今回採る「薬学」、それから「国文学」…くらいかな。
「政治経済は初級でいいのか?」
「政治経済は入門しか採ってませんから初級しか採れませんし…ガーベラ先輩も一緒なので」
ノースさんとしばらくお別れになってしまったガーベラ先輩が、健気にコリアス商会会頭の伴侶となるべく頑張ろうとしているのだ。
黙って応援するしかない。
「ただ、商会のトップを支える知識となると…あっ、イドラ君!?」
「あれ、ルース…と、殿下。おはようございます…どうしてここに?」
「薬学の授業採ろうと思ってさ、あと政治経済と経営学…」
「ああ、ガーベラ先輩と一緒に?」
「そうそう、それなんだけど、ぶっちゃけ「商会頭」を支えるのに必要な知識って何なのか分からなくて」
「あ~、それ学園では殆どやんないよ」
「そうなの?」
「学園には貴族の子息しかいないんだよ?
貴族は大体が経営者でしょ…ま、帳簿関係の見方くらいは経営学でやるけど。
でもノース会頭がガーベラ先輩に求めてるのはそこじゃないと思うよ」
「うん…それは、まあ、ね。
だけどそれ俺たちが言うと、こじれそうじゃない?」
「…そうだね」
ノースさんがガーベラ先輩に求めてるのは魔道具の開発能力でしょ?…なんて言った日には、愛じゃなくて打算だったんだ!ってなりそうだもん。
「ところでルースも経営学採るの?」
「うん、王宮にある殿下のカフェをちゃんと黒字化したいな、って…お店任されてるんだしさ」
「え、あれ殿下のカフェなの?」
「そうだよ、
オーナーが殿下で、俺が店長…ですよね?」
すると殿下が何とも言えない顔で俺を見る。
え、だってそう言ったよね?
「ここはお前の店だ」って…。
だから俺は店長だと思ってたんだけど…違うの?
「あそこのオーナーは俺ではない」
「えっ!あ、そうか、陛下か…」
「そうではない、お前の店だ」
うん?あれ?どういう事?
俺が首を傾げていると、イドラ君が言った。
「ルースと殿下の共同経営、という事でしょうか?」
「いや、違う…が、公私に渡ってパートナーというのも悪くないな。そう言う事にしよう」
「……は?」
「イドラは良い事を言う。ますますアイリス商会を贔屓にせねばな」
「ありがとうございます」
何?何なの?とますます混乱していると、殿下がとんでもない事を言った。
「あれはお前への誕生日プレゼントだ」
「…………え?」
「そうでしたか、素敵な贈り物ですね」
「そうだろう?」
……はい?
王宮の土地に建ってる物ですよね?
え?借地権かなんか設定されてんの?
今生の知識に借地借家法とか無いんだけど…
「あの…土地の賃料は、誰にお支払いすれば?」
「は?」「…は?」
あ、やっべえ。
やっぱこれも異世界知識か…!
「土地代を払う?」
「土地を借りて建物を建てる?土地返せって言われたら建物どうすんの?」
「えっ…と、それは…分かんないけど…法律とかあるんじゃないのかな…うーん…」
……
この話が一人歩きした結果なのか、後日貰った時間割には「法学上級」が追加されていたのだった。
ローズからお迎えに来た軍艦にケンタウレア一門とジョンさんとカレンデュラ先生を連れて行って「こちらは非力でない(にもほどがある)けど魔法を使える方々です」と紹介し、演武を披露してもらった後軽い武芸大会を開催して挑戦者を全員KOし、失意の艦長を焚き付けて乗組員全員に特訓を課させるなどの非道を行い、
頼まれたからと各自お好みの属性を片っ端から開放し、何人かを強制的に絶頂させてみたりなどの非道も行うなどしながら無事に帰国。
雷属性じゃなくても強制絶頂が起きるという新事実におじいちゃん先生は興味津々。
ついでに「もう少し鍛錬を…」ということでケンタウレア一門と一緒に暫く港に滞在することになった。
4人を置き去り(?)にして、俺たちは新学期に間に合うように学園に戻ってきた。
殿下は剣術上級・馬術中級に、俺は予定通り薬学入門・政治経済初級・経営学入門に履修届けを出すために、久々に「学級」の教室へ向かった。
「久しぶりですね…担任の先生は誰かなぁ」
「さあな、だが多分お前の知り合いのうちの誰かだろう」
まあ確かに、顔が広くなったもんなあ。
学園にある研究室はほぼ制覇してるもん…。
行ってないのは今回採る「薬学」、それから「国文学」…くらいかな。
「政治経済は初級でいいのか?」
「政治経済は入門しか採ってませんから初級しか採れませんし…ガーベラ先輩も一緒なので」
ノースさんとしばらくお別れになってしまったガーベラ先輩が、健気にコリアス商会会頭の伴侶となるべく頑張ろうとしているのだ。
黙って応援するしかない。
「ただ、商会のトップを支える知識となると…あっ、イドラ君!?」
「あれ、ルース…と、殿下。おはようございます…どうしてここに?」
「薬学の授業採ろうと思ってさ、あと政治経済と経営学…」
「ああ、ガーベラ先輩と一緒に?」
「そうそう、それなんだけど、ぶっちゃけ「商会頭」を支えるのに必要な知識って何なのか分からなくて」
「あ~、それ学園では殆どやんないよ」
「そうなの?」
「学園には貴族の子息しかいないんだよ?
貴族は大体が経営者でしょ…ま、帳簿関係の見方くらいは経営学でやるけど。
でもノース会頭がガーベラ先輩に求めてるのはそこじゃないと思うよ」
「うん…それは、まあ、ね。
だけどそれ俺たちが言うと、こじれそうじゃない?」
「…そうだね」
ノースさんがガーベラ先輩に求めてるのは魔道具の開発能力でしょ?…なんて言った日には、愛じゃなくて打算だったんだ!ってなりそうだもん。
「ところでルースも経営学採るの?」
「うん、王宮にある殿下のカフェをちゃんと黒字化したいな、って…お店任されてるんだしさ」
「え、あれ殿下のカフェなの?」
「そうだよ、
オーナーが殿下で、俺が店長…ですよね?」
すると殿下が何とも言えない顔で俺を見る。
え、だってそう言ったよね?
「ここはお前の店だ」って…。
だから俺は店長だと思ってたんだけど…違うの?
「あそこのオーナーは俺ではない」
「えっ!あ、そうか、陛下か…」
「そうではない、お前の店だ」
うん?あれ?どういう事?
俺が首を傾げていると、イドラ君が言った。
「ルースと殿下の共同経営、という事でしょうか?」
「いや、違う…が、公私に渡ってパートナーというのも悪くないな。そう言う事にしよう」
「……は?」
「イドラは良い事を言う。ますますアイリス商会を贔屓にせねばな」
「ありがとうございます」
何?何なの?とますます混乱していると、殿下がとんでもない事を言った。
「あれはお前への誕生日プレゼントだ」
「…………え?」
「そうでしたか、素敵な贈り物ですね」
「そうだろう?」
……はい?
王宮の土地に建ってる物ですよね?
え?借地権かなんか設定されてんの?
今生の知識に借地借家法とか無いんだけど…
「あの…土地の賃料は、誰にお支払いすれば?」
「は?」「…は?」
あ、やっべえ。
やっぱこれも異世界知識か…!
「土地代を払う?」
「土地を借りて建物を建てる?土地返せって言われたら建物どうすんの?」
「えっ…と、それは…分かんないけど…法律とかあるんじゃないのかな…うーん…」
……
この話が一人歩きした結果なのか、後日貰った時間割には「法学上級」が追加されていたのだった。
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