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学園3年目

披露宴当日

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「衣装替え、終わりました!!」
「では馬車に乗って!中央広場へ行きますよ!」
「分かった」
「毎度すみません…」

俺の足が遅いからと、移動は全部殿下のお姫様抱っこによって行われている。
何とも情けない話だけど、それが最善だと殿下が言うので従うしかない。

「走るぞ」
「お願いします」

でも恥ずかしいと思ったのは一瞬で、抱っこから10秒後にはこの事態を受け入れられるくらいに慌ただしい。

今日のスケジュールは

①王宮のバルコニーから国民にむけて宣誓
②馬車で中央広場まで移動(パレード)
③大神官様から婚約の寿ことほぎを頂く
④中央広場でお祭りの開催を宣言(ダンス有)
⑤祭の見学(またもダンス有)
⑥中央広場から神殿へ移動(パレード)
⑦神殿で婚約の儀(貴族たっぷり)
⑧王宮に戻る(またもパレード)
⑨各国の来賓からご挨拶を受ける
⑩貴族の皆様から「ご挨拶」を受ける
⑪王宮にて舞踏会(当然ダンス有)

となっていて、結構キツキツ。
なんせ⑧の時間は絶対にずらせないから…
兄貴たちも来るって言ってたし。
久々の一家勢揃いか…楽しみだなあ。

でも今は馬車の上から手を振る時間だ。
王宮から広場への道すがら、殿下コールに混じって俺への言葉も聞こえる。

「ルース様、万歳!」
「非モテの救世主!」
「ありがとうユース様、いやルース様!」

おい、あの風俗雑誌どこまで売れてんだ…
謎の影響力だな。

「清潔さがモテへの第一歩、だったか?」
「そんなこと言いましたかね…言ったか」

汚い男は色街で嫌われる…だからみんなをモテる男にするための第一歩として「清潔にすると嫌われない」事を実感して欲しくて、風呂のサービスをどうしても取り入れて貰いたかったんだって話をしたんだった。
あとコンドームの大切さとか、アナルセックスに固執するな、とか…割と熱く語った気がするな。

「そのタイミングで、神殿が石鹸を売り始めたからな…そこそこ寄付集めに貢献できたんじゃないか?」
「次の偉大なる信者はマグノリア教授ですね」

パレードでする話かね?という内容を、万人受けを意識した笑顔で交わす俺と殿下。

「当然、あのサービスを俺にもしてくれるのだろうな?楽しみにしているぞ」
「え…っとぉ、それは…まあ、18歳になってから、おいおい…」
「ふふ、分かってる」

そんな話をしながら、中央広場に着いた時…
俺は大観衆の前で、殿下からのキスを受けた。

「…、…ん!?ふ…っ…ん、んー!」

ちょ、軽めのキスって言いませんでした?
こんな濃厚なやつ、するって、聞いてない…

「は、ふ…も、アルっ…!」
「ふふ、可愛いぞ、ルース」

集まった人たちは最高潮に盛り上がって…


……あれ?


意外と俺、受け入れられてない? 
反対運動とか…無いの?

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