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学園3年目

砦の夜 ※

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「…ということで、15日後の3の日に、神官長と市場に行くことになりました」
「ふむ、そうか」
「イドラ君も一緒に来てくれるそうです」
「分かった」

第1砦のキッチンで夕食の片付けをしながら話す。
殿下も隣で自然に手伝ってくれるようになった。

今日はここに殿下と2人で泊まる。
こうやって時々寮に帰らない日を作ることで、敵の目を欺くとか何とか…。
やっぱり生徒会のメンバーは曲者揃いらしい。

「1号棟に住め、と、しつこく勧めてくる」
「えっ、あのゴージャス寮ですか?
 まあでも王子様ですもんね…本来はそこに入る予定だったんでしょう?」
「ああ、お前と一緒に1号棟に入る予定だった」

うえっ、何故に俺と!?
お金払えないよ!?

「あそこなら、1人従者を伴っていける」
「あー、なるほどそれなら…さすが1号棟」
「しかし、お前は従者ではないからな」
「え、でも最初は」
「そんなもの方便に決まっている」

ツンデレというやつなのだろうか…
でも、真剣な顔の殿下を茶化すのもはばかられて。

「ああ言えばお前は俺の側から離れないと思った、
 だから…そう言ったんだと思う、無意識に」
「…無意識?ですか?」

どういうことだろう…話が見えない。

「入学当初は俺もお前のことを伴侶にしようとは考えてはいなかったように思う…無理やりにだ」
「無理やり?」
「正室は王家と釣り合う家の者か他国の王子だと考えていた…お前は、側室か側近で良いと、無理やりそう思い込もうとしていた、というか」
「…そう、なんですか?」

全然、分からなかった。
俺、自分のことでいっぱいいっぱいで、
殿下のこと見えてなかったんだな…。


「俺が伴侶にしたいと思っていたのは、ずっと前からお前だけだった。
 だから、小さい頃、お前に色んな事を…俺の隣で国政を支えられるように教えていた…はずなんだ」

えっ…それって、うちの台所で俺の作った菓子をモリモリ食べながら色々なこと教えてきてたあれ?

「最近になって思うんだがな…。
 入学前に、俺はもしかしたら洗脳…のようなものを受けていたのかもしれない」
「えっ!?」

そういえばめっちゃ喋らなかったなぁ。
「ああ」とか「いや」とかばっかりで…
あと「菓子」。

「正確な事は分からん、ただ…
 思いと一致しない言動も多かった、気がする」
「でも、人間、そういうものですし」
「好きな子ほど虐めたくなるというやつか?」
「まあ、そうかも…」

軽くキス…「ちゅ」

「俺の好きな子はお前だ、と認めたな」
「は?今更何を…」

今度は長めのキス…「ちゅ……っ」

「…お前が側にいないと…不安で仕方がないんだ」
「えっ」

ぎゅ、と殿下が抱きついてきた。

「次に洗脳されたら、俺はお前への愛を忘れるかもしれない、そうしたら…俺は…」

殿下の腕がきつく締まる。

そうだよね。
殿下だって、まだ14になったばかりだもん。
不安なことなんていくらでもある…

だから。

「…そうなっても、側にいますよ」
「ルース」
「側室でも、側近でも、愛玩動物ペットとしてでも…側にいて、お諌めします。戦争反対!って」
「……ああ」

さっきより少し長くて、
さっきより深めのキス。

そして疑問。

「…闇魔法を使ってする洗脳は、1回目より2回目の方が解けにくくなるんですか?」
「単純なことだ、1回目より深く掛けなければ、と術者の側は考えるに決まっているだろう?
 …魔法はイメージだ」
「ああ、そうか…なるほど」

腹立たしいけど、理に適ってる。

キス…何度も繰り返し、ついばむようなキス。
だけど、ここじゃ…それ以上は、
誰が見てるか分からない。

「…仮眠室、行きましょ?」
「…そうだな」

もう一度軽くキスを交わして、2階へ上がる。
1番奥が、俺と殿下の部屋だ。
扉を開けて中に入るや、性急なキスを交わす。

「はあ…っ、はあ…」
「んむ、ん…ん、あっ…」

18になるまでは、最後まで進まない…
そう2人で決めたけど、
今日はそれがもどかしくて仕方ない。

身体が疼く…なんてもんじゃない。
心が疼くんだ。

「アル…、も、っと、キス…して」
「ああ…いくらでも」

俺だって、最悪のシナリオを考えないわけじゃない。
最善を尽くす、それでも駄目なことはある。
不意に何かの拍子にパァになることも…
前世でトラックに撥ねられたように。

「あ、あっ…そこ、いいっ、んん!」
耳を齧られながら、両方の乳首を捏ねるように指で、したと思ったら、軽く抓られて、

「可愛い、ルース…俺の、俺のものだ…」
そんなこと甘い声で言われたら、

「は、あぅ、ん、そぅ、おれ、アルのっ…」
ソコだけでイキそうなくらい感じる。

「もし、俺の心が変わったら…救ってくれ」
キス、しながら、キュッ…と抓り上げられて、

「あ、ンっ!も、もちろ、んんっ!」
痛みと快感で…身体がはち切れる。

キスが下に降りて、唇は右の乳首を捉える。
舐めて、吸われて、噛まれて…舌で転がされて、
「んんっ!あ、あっ!そこ、あんっ!」
「気持ちいいか?」

左も指で弾かれて、転がされて、抓られて、
太腿の内側をさするように、撫でる手が熱くて、

「あ、ひあ、だめ、噛んじゃだめっ…」
「嘘をつくな…感じる、くせに」

いつの間にか撫でていたそこを噛まれて、
「ふ…ふうぅ…っ、ふ、んん…」

下着越しに、優しく、股間を撫でられて、
さっき乳首でイッてしまってベチャベチャしているそこを…愛おしそうに、触られるから、

「だめ…、も、触っちゃ、い、いっちゃう、っ」
「何度でもイけばいい…
 本当は直に、触って…舐めて…」

つつ…と、後ろの溝を指がなぞり、
「ここを…指で、解して…とろけさせて、グズグズになったところへ…突き挿れたい。
 何度も注いで…孕ませたい…」
「あ、あっ、うん、おれもっ、ほしい…っ!」

でも、駄目。
そんなことしたら、子ども…できちゃう。
そしたら…自分の身も、守れなくなる、今は。

「俺が18になった、その時に…」
「ああ、その頃には全部…カタをつける」

ああ、そうだ…
あれを、アルに、あげよう。
お守りにくらいは…なると、いいんだけど…


養殖真珠でも…
真珠は、真珠だから。

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