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学園3年目

生徒会 ~アルファード視点~

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3年生になったので、生徒会に参加しろとのこと。
次期国王としての試練ということで、仕方なく受け止めることにした。

死ぬほど面倒だが、国を治める練習だそうだ。
確かに、この程度が出来んなら統治者には成れん。
そんなことは分かっているが…。

本当はルースを連れて来たかったが、生徒会メンバーには公爵家の子息が勢ぞろいしている。
わざわざ危険な場所に近づけるわけにもいくまい。

新年度の生徒会メンバーは、

会長:ラミー・フリージア
副会長:トーリ・バイオレット
会計:アウディ・プリムラ
書記:コーラス・エルム
総務:ミカ・シャムロック
総務:フィーデ・テナチュール
総務:俺

となっている。

フリージア、バイオレット、プリムラ、エルム…と、イフェイオン以外の公爵家子息が勢揃い。
シャムロック、テナチュールは侯爵家…だが、それぞれ過去に王族と婚姻関係のある家だ。

リリー侯爵家の者が誘われない時点で、血統主義が蔓延っているのがよく分かる。
あの家は長男も優秀だし、領地経営も順調だ。
カートのほうは魔法の方面で才を発揮している…
今の当主は血統主義に多少踊らされ気味だがな。
あれを取り込まないのではたかが知れている。

俺はずっと…1年生の時から誘われていたが、他にやることがあると断っていた。

何の用意もなくここに入るわけにはいかない。
だが漸く王家の派閥…と言えるものも整ったし、義務は果たさねばならんからな。

「殿下もまずは生徒会に慣れて頂かないとなりませんので、見習い…から始めて頂きます」
「ああ、それは構わない。何も把握しないうちから組織を動かせるとは思えんからな」
「ようやく殿下が生徒会に加わって下さることになって…本当に良かった」

身分が低いものたちとばかりお付き合いされているので、心配だったのですよ…
と会計のプリムラがのたまう。

身分の高いものは高い位置から国のことを考えるものです、下々に恨まれたとしてもそれは国の為…
とは副会長のバイオレットだ。

おまけに今の粗末な寮を引き払って1号棟に住めば良いと言ってくる。
生徒会のメンバーは全てその寮にいるから、と。
おまけに閨係もついておりますよ…だと?
俺の洗脳に都合が良いというだけだろう。

胸糞のわるい連中だな。
俺の派閥には不要だ。

そもそも、バイオレットの言うその「高い位置」よりも、もっと高い位置から物を見なければ為政者たりえんというのに。

領地を治めるなら国を、
国を治めるなら世界を見よ…
ルースでも知っていることだがな?

家や血統より実力。
平民の社会なら当たり前の話だ。
俺が王になったら、貴族社会にもそれをきっちり取り入れてやろうと思っている。

無能であればたとえ公爵家でも潰す予定だからな。
実力があるというなら見せてもらおう。

お前たちの企みを成功させはしない。
あの金ぴか寮で、今のうちに選民思想を楽しんでおくことだ…。



まあ暫くは大人しくしておいてやる。
ルースにさえ手を出さなければな。




+++++

そういえば忘れてた、殿下の話…
ということで急遽追加。
合うのか帳尻!?
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