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学園2年目
ダンジョンまであと何キロ?
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俺、殿下、ダグラスさん、イドラ君、トレッドさん、眼鏡の…クリビアさんで8人乗りの馬車に乗り、
リリー君、ヘザー先輩、エルグラン王子、おじいちゃん先生、ジョンさん、カレンデュラ先生、アレクさんで10人乗りの馬車に乗り、
ディー兄、ウィン兄、ガーベラ先輩は御者台。
今のところ16人。
「申請人数に0を一つ足した」ってイドラ君が言ってたから…あと4人。
残り4人は現地集合って言ってたけど…誰が来るんだろう?
馬車は街を出てずいぶん走った。
外はもう草原で、ダンジョンまでの道がずっと先まで伸びているのが見えるだけだ。
あとどのくらいでダンジョンにつくんだろう?
「そろそろ昼休憩にしようか」
御者台からウィン兄の声が聞こえて、馬車が止まる。
馬車の扉を開けて外に出ると、空気が美味しい。
馬車の中ではずっと気を使って話してたから、次は荷馬車に乗ろうかな…。
カレンデュラ先生とジョンさんが食料袋からパンとソーセージを出してホットドッグを作ってくれたので、俺は久々に「ちょっとファイヤー」で全員分のホットドッグを温める。パチパチパチ…こんがり。
「久々に見たが、器用なもんじゃな」
「おお、これが噂のちょっとシリーズですね」
「なるほど、これが魔道具代わりの魔法…」
ガーベラ先輩とクリビアさんが物珍しそうに見る。
焼けたホットドッグを取って、カレンデュラ先生とジョンさんが言う。
「匂いにつられて魔物や魔獣がでるかもしれないから気を付けろよ」
「そうだな、まあ、これほどの人数がいれば、いくらでも対処できるでしょう」
「魔物や魔獣は本でしか見たことがないので、危険でなければ観察したいですけど…無理ですよね…」
サンダーアームかきかきがどこまで通用するのかも知りたいとこなんだけどな…。
そうこうしていると、ディー兄から声がかかる。
「おーい、ルー!こっちで馬にアレ、頼むよ」
「あ、はーい!」
ついでに二人分のコップにホットドッグを挿して、二人のところへ行く。
「はい、どうぞ」
「「おー、ありがとう」」
ホットドッグをちょっとファイヤーで焼き、
コップにちょっとウォーターで水を入れる。
「二人ともありがとう、来てくれて」
「どういたしまして。まあ俺らは…他人に任せたくなかっただけだから」
「そっかあ」
お馬さんたち、愛されてるんだな~。
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【そうだよー!いいでしょ!】
「そうだな、羨ましいよ」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【ディーもウィンも優しいんだよ~】
「知ってる、優しいよな~」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【だからさあ、ルースもディーとウィンのつがいになればいいよ】
「ええっ、急に何言ってるんだよ!」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【駄目だよ!ルースはあの王子様がいるんだから】【だめだめ、あの人いじめっ子だもん!】
「いや、いじめられてるわけじゃ…」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【だって、ルースがだめだって言ってるのにチューするじゃん】
「それは、うーん、そうだな…」
ウィン兄が俺の肩を叩いて、話しかける。
「ルー、また馬としゃべってるのか?」
「あ、うん、そう…そういえば、そろそろ二人とも話できるようになった?」
「う~ん、まだだな。加減が難しくて」
「こいつら何言ってたの?」
「二人とも優しいよって」
「他には?」
「他に?」
「急に何か言われたんでしょ?何?」
しまったな、なんて言おう…なんて考えていたら、
さっきつがいがどうとか言った馬がウィン兄の背中を押した。
別の馬がディー兄の背中を押して、俺たちをくっつけようとしてくる。
「「…なるほど」」
「えっ?」
「「ちゅっ」」
気づいたら、ディー兄が俺の肩を抱き、ウィン兄が俺の腰に手を回し、ほっぺたにチューしてた。
「にゃっ!?」
「こいつら、俺たちとルーがつがいになったらいいと思ってるんだな」
「なぜ分かった!?」
あっ、言っちゃった!
「やっぱりそうなんだ」
「それじゃ、怖い王子様の目を盗んで、うちの領までさらっていこうかな」
「な、なに言ってるの」
「ルーがかわいくて仕方ないってこと」
そう言うと、二人は俺の耳の裏にもキスをした。
「アルファード殿下とのことがだめになったら、いつでもうちにおいで」
「二人で大事にするから、ね?」
ちょ、ちょっと待って!?
遊ばれてる自覚はあるけど、殿下と本気でどうこうなんてなりようがないでしょ?
だって、俺は当て馬で、誰ともお付き合いできずに一人さみしくエンディングを迎えるんだよね?
もしかして…これってエンディング後の、俺への救済措置みたいなもん?
でもって、これこのまま受け入れたら…
さ、さ、3Pってこと…?
うぉい!
ゲーム作ったやつ出てこい!
救済措置がハードすぎるやろ!!
リリー君、ヘザー先輩、エルグラン王子、おじいちゃん先生、ジョンさん、カレンデュラ先生、アレクさんで10人乗りの馬車に乗り、
ディー兄、ウィン兄、ガーベラ先輩は御者台。
今のところ16人。
「申請人数に0を一つ足した」ってイドラ君が言ってたから…あと4人。
残り4人は現地集合って言ってたけど…誰が来るんだろう?
馬車は街を出てずいぶん走った。
外はもう草原で、ダンジョンまでの道がずっと先まで伸びているのが見えるだけだ。
あとどのくらいでダンジョンにつくんだろう?
「そろそろ昼休憩にしようか」
御者台からウィン兄の声が聞こえて、馬車が止まる。
馬車の扉を開けて外に出ると、空気が美味しい。
馬車の中ではずっと気を使って話してたから、次は荷馬車に乗ろうかな…。
カレンデュラ先生とジョンさんが食料袋からパンとソーセージを出してホットドッグを作ってくれたので、俺は久々に「ちょっとファイヤー」で全員分のホットドッグを温める。パチパチパチ…こんがり。
「久々に見たが、器用なもんじゃな」
「おお、これが噂のちょっとシリーズですね」
「なるほど、これが魔道具代わりの魔法…」
ガーベラ先輩とクリビアさんが物珍しそうに見る。
焼けたホットドッグを取って、カレンデュラ先生とジョンさんが言う。
「匂いにつられて魔物や魔獣がでるかもしれないから気を付けろよ」
「そうだな、まあ、これほどの人数がいれば、いくらでも対処できるでしょう」
「魔物や魔獣は本でしか見たことがないので、危険でなければ観察したいですけど…無理ですよね…」
サンダーアームかきかきがどこまで通用するのかも知りたいとこなんだけどな…。
そうこうしていると、ディー兄から声がかかる。
「おーい、ルー!こっちで馬にアレ、頼むよ」
「あ、はーい!」
ついでに二人分のコップにホットドッグを挿して、二人のところへ行く。
「はい、どうぞ」
「「おー、ありがとう」」
ホットドッグをちょっとファイヤーで焼き、
コップにちょっとウォーターで水を入れる。
「二人ともありがとう、来てくれて」
「どういたしまして。まあ俺らは…他人に任せたくなかっただけだから」
「そっかあ」
お馬さんたち、愛されてるんだな~。
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【そうだよー!いいでしょ!】
「そうだな、羨ましいよ」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【ディーもウィンも優しいんだよ~】
「知ってる、優しいよな~」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【だからさあ、ルースもディーとウィンのつがいになればいいよ】
「ええっ、急に何言ってるんだよ!」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【駄目だよ!ルースはあの王子様がいるんだから】【だめだめ、あの人いじめっ子だもん!】
「いや、いじめられてるわけじゃ…」
おーよしよしよしゃわしゃわしゃ。
【だって、ルースがだめだって言ってるのにチューするじゃん】
「それは、うーん、そうだな…」
ウィン兄が俺の肩を叩いて、話しかける。
「ルー、また馬としゃべってるのか?」
「あ、うん、そう…そういえば、そろそろ二人とも話できるようになった?」
「う~ん、まだだな。加減が難しくて」
「こいつら何言ってたの?」
「二人とも優しいよって」
「他には?」
「他に?」
「急に何か言われたんでしょ?何?」
しまったな、なんて言おう…なんて考えていたら、
さっきつがいがどうとか言った馬がウィン兄の背中を押した。
別の馬がディー兄の背中を押して、俺たちをくっつけようとしてくる。
「「…なるほど」」
「えっ?」
「「ちゅっ」」
気づいたら、ディー兄が俺の肩を抱き、ウィン兄が俺の腰に手を回し、ほっぺたにチューしてた。
「にゃっ!?」
「こいつら、俺たちとルーがつがいになったらいいと思ってるんだな」
「なぜ分かった!?」
あっ、言っちゃった!
「やっぱりそうなんだ」
「それじゃ、怖い王子様の目を盗んで、うちの領までさらっていこうかな」
「な、なに言ってるの」
「ルーがかわいくて仕方ないってこと」
そう言うと、二人は俺の耳の裏にもキスをした。
「アルファード殿下とのことがだめになったら、いつでもうちにおいで」
「二人で大事にするから、ね?」
ちょ、ちょっと待って!?
遊ばれてる自覚はあるけど、殿下と本気でどうこうなんてなりようがないでしょ?
だって、俺は当て馬で、誰ともお付き合いできずに一人さみしくエンディングを迎えるんだよね?
もしかして…これってエンディング後の、俺への救済措置みたいなもん?
でもって、これこのまま受け入れたら…
さ、さ、3Pってこと…?
うぉい!
ゲーム作ったやつ出てこい!
救済措置がハードすぎるやろ!!
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