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学園1年目

リスト整理 〜アルファード視点〜

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クリスマスも新年も王宮で過ごさないというのは新鮮な出来事だった。

あまりにも王宮に帰らない俺を心配したのか、トルセンの父親が様子を見に来たんだが…。

父たちや貴族連中からの大量のプレゼントを持たされていたせいなのか、ルースがやつをサンタクロースだと思ったらしく「衣装が違う」といって騒いでいた。

来年はサンタの格好をして来させようと思う。

校門前に設置したクリスマスツリーは近隣にも評判が良く、王都の神殿がこぞって真似たらしい。
木に菓子を飾って子ども自身に取らせてやるという発想は今後拡がっていくかもしれない。

今日はルースの発案で、大晦日から新年に掛けてカウントダウンイベントとやらをしてみたが…結局起きていられたのはトルセンとジョンと俺だけだったので、来年からは大人しく寝ることになりそうだ。



さて、要注意人物のリストだが…

ヘザーの腕の中でリリーがスヤスヤ寝ているのを見ると…この2人もリストから外しても良いだろう。
このまま問題なく2人の関係が続いて、一緒になってくれるなら、だが……まあ、この2人はお祖父様に守られているから大丈夫だろう。
こちらから余計なことはしないほうが良い。

エルグラン王子とジョンについては、すでにエルグラン本人から打診を受けているし、二人とも後宮にねじ込んでおけば良いからここもリストから除外。

アレク・コスモスとトルセン・カレンデュラは…
まだ、可能性は捨てきれんな。
特にアレクは弟子だからな。
ルースの馬鹿が絆されんとも限らん。


問題は…

「天使の腹黒」コーラス・エルムに、
「筋金入りの拝金主義者」イドラ・アイリスか。


あいつら二人は、ルースから近づくのを待っているようなタマじゃない。
何かしら仕掛けてくると見て良いだろう。

特にコーラス・エルム…
あいつも、父親も、要注意だ。
エルム家も、もう三代目まで来ているうえに…
金を他国にばら撒き、ユーフォルビアを王家から追い出そうとする派閥を支援している…ということが、この前の魔法学会で少し掴めた。
問題は金の出処…多分、後宮維持費だろう。
暫く使っていないから、多少荒れていても分からんだろうし…噂もある。だが、証拠が無い。
エルムの派閥は高位貴族の集まりだ。
証拠隠滅などお手の物だろう。

まったく…自分の家より上に伯爵家を置くなど耐えられんというのだろうが、事もあろうに他国を巻き込むとは。
世界が混乱に陥ったとしても自分の地位を確保できると思っているなら、ただのアホだ。
こんな連中に国を盗られるわけにはいかん。
だからローズ家を潰すわけにはいかない。

そして、それ以上に…
ルースを他人にやるなど考えられない。

あれは俺のものだ。
失うなど考えたこともない。
俺の一部だ、今までも、これからも。




ルースに真実を伝えれば、今すぐにでも子どもを作ろうと言い出すかもしれんな。
だが、お互いまだ12歳だ。
さすがに早すぎる。

結婚できる歳になるまであと6年…
リストの名前はこれからも増えるだろう。

きな臭いのも、そうでないのも。
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