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学園1年目

もしかして、6人目と7人目だったの?

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「おう、1年坊主。元気か?」
「おはようございます、先輩。至って健康です」
「殿下は、ご機嫌いかがですか」
「またお前か、下級生の教室に用もなく来るな」

最近、変にコスモス先輩と会う…というか、向こうが会いに来るというか…なんだけど。

「最近よく会いますよね…コスモス先輩」
「あれを見てまだお前の周りをうろつけるとは…
 身の程をわきまえんやつだな」
「いやいや、殿下について回ってるんでしょ?」
「…駄犬が」

なんだよ!本当のことを言ったまでだろ!
殿下ともっとお近づきになりたいやつなんかいくらでもいるんだぞ。
昼食会を組むのだって、大変なんだから…
家柄とか、血筋とか、超絶面倒くさいんだぞ。

「もう1回、あいつに見せてやるか?」
「結構です!!」

やめてよもう、思い出しちゃうだろ!
あ、あの、濃厚なキッスを…

「ほら殿下、行きましょ!」
「まあそう言うな」
チュッ。
「!!!」
な、な、なにを…、
「……口でなければ良いんだろ?」
「み、み、耳の裏も、駄目ですっ!!」

そう、あの昼食会の後、俺は殿下に言った。
口と口でキスするのは大人になってから、って。
理由は…恥ずかしいから、の一点突破だけど。

「恥ずかしくなければいいのか?」って、寮の部屋でキスしてこようとするから、見られてても見られてなくてもだめなの!ふたりきりでもだめ!って…
そしたら仕方無いからデコチューで我慢するって…
言ったじゃん!

「仕方無いな」
「しかたなくありません!!」
成人おとなになったらいくらしてもいいんだろ?
 …6年後が楽しみだな」
「……何言ってるんですか。
 その頃には、殿下はとっくにどなたかと婚約なさってるでしょ、その方とどうぞ?」
「どなたか…ねえ?」

ニヤニヤとこっちを見る殿下にイラっとする。
俺はハーレム要員じゃないんだよ!
当て馬なの、あ・て・う・ま!
…自分で言ってて悲しくなってきたわ…

「だって、俺となんか…無理でしょ。
 うち…伯爵ですよ?家柄が足りませんよ」
「つまり、家柄さえあれば、俺と婚約したい、と」
「はあっ?なぜそうなる!?」

どう説明すればいいんだ?
俺は攻略対象者じゃないから無理ですよ、って…
前世でなら、ゲームの事だし言えるけど。
ここ…今は俺の現実だからなぁ…。

「エルム家の養子にでもしてもらえばどうだ」
「わお、急に公爵さまにランクアップ…って、そんなわけにはいきませんよ」

まあ、ハーレム作りを始める歳になる前に、むしろエルム君と婚約してるんじゃないかなぁ。
ま、相手がアイリス君じゃなければ誰でもいいよ。
最近態度を変えてきてうざったいんだ…あっ。

「ああ!これは、アルファード殿下にルース様!
 ご機嫌麗しく」
「ああ、学園内で畏まらなくて良い」
「は、はい、では…お、おはようございます」
「おはようございます」

……その人の悪口を考えてるときにその人が来ちゃう現象って、何か名前あるっけ?

っていうか、アイリス君もやたら殿下の回りをウロチョロしてんだよな…

もしかして2人は…攻略対象者…なのか?

ってなると…出会いのイベント…
まさか、昼食会で、良いのか?


もう、わっかんねぇな、これ。
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