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アルベールハッピーエンド あなたと生きる道

12 やり直し ✤✤✤

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【注意】妊娠中の性交注意










***

 抱き合っていると、アルベールの唇が離れ、長めの舌がヴィクトリアの頬をなぞるように動き、耳のふちを舐め上げてから中に侵入してきた。

「んんっ……」

 耳の奥までは舐められたことがないヴィクトリアは、こそばゆい感触に堪らす声を上げた。ゾリゾリと舌が耳を侵食する音を聞いた後に、舌が出て行き耳たぶを甘噛みされる。

 アルベールは緩急をつけながら、ヴィクトリアが痛がらない範囲で耳をしきりに噛んでいた。

「アル、血が飲みたいの?」

「今はそれよりもハメたい」

「はめる?」
 
 吸血したいのかなと思い問いかけると、意味がわからない答えが返ってきたので、ヴィクトリアはオウム返しをした。

 するとアルベールは楽しそうにクツクツと笑った。

「そうだよ、これをね」

 アルベールが既に服の下で隆起しているブツをヴィクトリアの身体にぐりぐりと押し付けてくる。流石のヴィクトリアも意味がわかって赤面した。

「ふふふ、面白い。ヴィーは初体験が寝てる間だったから、良くわからないまま終わったでしょ? やり直ししようね。俺がぜーんぶ、手取り足取り教えてあげる」

 ヴィクトリアはアルベールに抱き上げられ、初体験の現場だった馬車内まで運ばれたが、頭の中に昨日目撃したアルベールの得長の陰茎が浮かんで離れなくなってしまい、ドキドキしているうちに気付いたら座席に下ろされていて、服も脱がされていた。

「ア、アル待って…… あっ……」

 ヴィクトリアが、『そうだ私妊娠してる!』と思い出した時には、空気に晒された彼女の胸の先端が、アルベールの口の中に吸い込まれていた。

「やっ……! 噛まないで! ああんっ……!」

 柔らかな舌で舐られた後に歯を立てられ、片方の乳首も同時に責められて押し潰されると、たぶん昨日の初体験でも身体に教え込まれた快楽が蘇るようで、痛みと共にゾワリとした快感が背中を走ってヴィクトリアを喘がせた。

 ちゅぷちゅぷと溢れる唾液をまぶされながら乳首を舐られ、陰茎と同じく長い指でやわやわと胸を愛撫されると、胎の中に子供がいるにも関わらず、もっとこの人の子供が欲しいとばかりに、股の間からだらだらと愛液が溢れた。

「アル! 赤ちゃんが! お腹に赤ちゃんいるからだめっ!」

 ヴィクトリアは快楽に流されそうになっていたが、アルベールが胸ではなくて股間に頭を近付けて、口淫を始めた所でこれではいけないとハッとし、気持ち良さに悶えながらも、やっとの思いでそれだけ叫んだ。

 アルベールはピタリと動きを止めると、不思議そうな色の浮かぶ金の瞳でヴィクトリアを見つめた。

「昨日の今日じゃまだ赤ちゃんはできないよ」

「でも、受精卵はできてるそうなの」

 ヴィクトリアは、アルベールに魔法使いのことを話した際にも、今お世話になっている人として『真眼』持ちのマグノリアのことを話していたが、その魔法使いに妊娠を告げられたことを伝えた。

「それは、本当に?」

 ヴィクトリアが頷くと、アルベールはパアッと破顔した。

「ヴィー、ありがとう…… 俺たちの愛の結晶がヴィーのお腹に宿ってるなんて、俺たちの愛が本物だって証明されたようで、とても嬉しい」

 アルベールは喜んでくれて、ついでに、実は昨日嗅覚でヴィクトリアが排卵日なのもわかっていて、孕ませるつもりで狙って中出ししたことも白状した。

 獣人男性は番を持つと、その番だけ、排卵日がわかるようになるが、『番の呪い』にかかっていたアルベールにも同じ現象が起こっていたらしい。

 人間だったら強姦に加えて意図的孕ませというとんでもない性犯罪であるし、以前のヴィクトリアだったならば、アルベールへの嫌悪感が地の底を突き抜けすぎて特大吹雪ブリザードでも発生させそうな所だが、既にアルベールを番として認めているヴィクトリアは、どんなことがあってもアルベールを許してしまえる心境に変わっていた。

 めでたいことだと二人で喜び合った後、ヴィクトリアはこれでエッチなことも終わりだろうと、身支度を整えようとしたが、脱がされた服に手を伸ばしかけたヴィクトリアとは真逆に、服を着たままだったアルベールはいきなり全裸になると、股間の大蛇を露出させた。

「えっ? アル? えっ? なんで?」

 アルベールの行動が読めずポカンとしていたヴィクトリアは、服を着ることは叶わず、全裸のままで優しく座席に押し倒された。

「ひっ、ひゃあっ!」

 昨日半覚醒の状態で交わっていたように、ヴィクトリアは狭い馬車の座席の上で片足だけ立てるように股間を広げられると、開いた淫唇の入口に蛇の頭が押し付けられて、その感触に変な声が出てしまう。
 
「だ、駄目よアル! 赤ちゃんがびっくりしちゃうじゃない!」

「でもさ、今しておかないとしばらくできなくなるかもよ?」

「そ、それはそうかもしれないけど……」

「ちゃんと俺に抱かれた感覚を覚えていてほしいんだ」

 ヴィクトリアは無言になってしまう。確かにアルベールに抱かれた時は、ヴィクトリア自身が夢現な状態だったので、実体験としてきちんと彼に抱かれたという感覚は乏しい。

「絶対に酷くしないって約束する。ただ入れるだけ。中に出すのも我慢するから…… いい?」

 ヴィクトリアは赤ちゃんを思う心と、アルベールとの間でぐらぐらと揺れた。

「ゆっくりなら…… すごく大事にしてね」

「もちろんだよ」

 最終的にヴィクトリアが了承すると、アルベールはヴィクトリアの大好きな笑顔を見せてくれて、本当にゆっくりと入ってきた。

「ううっ…… アル…… アル……」

 身体の中を最愛の番で満たされる幸せを感じつつも、素面の状態で身体を貫かれるのは始めてだったヴィクトリアは、アルベールの身体にしがみつきながら泣いて呻いた。

「ヴィー、愛してる…… 大丈夫だよ……」

 アルベールはヴィクトリアの涙を拭い、彼女を安心させるように抱きしめて愛を囁きながら、慎重に進んだ。

 胎に子がいる影響なのか、快楽まみれだった昨日の交合とはまた少し感覚が違った。苦しみに声が漏れるヴィクトリアの唇に、アルベールのそれが落ちてくる。

 絡ませ合う舌の気持ち良さに集中していると、やがてアルベールが最奥にまで辿り着いたのがわかった。

 アルベールはそこで動きを止めてじっとしていた。最愛の人の男根がそこにあることに、痛みや重苦しさよりも気持ち良さを感じ始めてきたヴィクトリアとは逆に、今度はアルベールが動きたいのを我慢しているらしく、辛そうな吐息と声が漏れ聞こえてきた。

「アル、少しくらいなら……」

「駄目だ…… 約束は守る…… ヴィーと子供は俺が必ず守るんだ…… ううっ……」

 アルベールの言葉に胸がきゅんきゅんしてしまったヴィクトリアは、図らず膣内もキュウッと締めてしまうと、蠢く膣壁に圧迫されたアルベールが、堪らないといった様子で強く喘いだ。

「出る……! もう駄目だっ! ああっ……!」

 アルベールは射精を耐えながらも、できるだけゆっくりと雄を引き抜いた直後に絶頂した。

「ヴィーっ……! ヴィーっっ……!!」

 アルベールは過ぎた快感に涙を流しながら、ヴィクトリアの腹の上に温かな精を放っていた。
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