109 / 220
リュージュバッドエンド 輪廻の輪は正しく巡らない
8 生家
しおりを挟む
ヴィクトリアはリュージュに連れられて、引っ越し先の候補であるという家の下見に向かっていた。
オニキスが新しい族長になることが決まり、数十年ぶりの族長交代の影響で今里の中は色々とバタついている。そんな中でもリュージュがかなり頑張ってくれたらしく、現状で引っ越し可能な家を早々に確保してきてくれた。
「てっきり、引っ越しはもう少し先になると思っていたわ」
手を取り合って歩きながらヴィクトリアは思ったことを口にする。
「いつまでもあの家にいたら胎教に良くないだろうって思って、急いだんだ」
まだ悪阻も始まっていないような初期であり、お腹もぺったんこだが、シドが死んだあの日の営みが実って、ヴィクトリアはリュージュの子供を妊娠していた。
リュージュはあの日からずっとそわそわしっぱなしで、毎日ヴィクトリアの匂いを嗅いで妊娠したかどうかを確認していた。
妊娠がわかった時にはリュージュは大喜びしてくれて、ヴィクトリアも笑顔になって二人で抱き合い、ヴィクトリアの身体に新しい命が宿ったことを一緒に祝った。
それから、妊娠確定後しばらくして、毎日のように見ていたレインの夢を見なくなった。
あの夢は、「レインにいつか償わなければ」という自分の心の枷を反映させたもののように感じていたが、子供ができたことで意識が変わり、自分の中で覚悟が決まったのだと思った。
優先するべきはリュージュと子供であり、もし今レインが眼の前に現れても、ヴィクトリアは大事な二人に我慢を強いるような行動は起こさない。
「あの家だ」
やがて視線の先に一軒の家が見えてくる。その家を指差すリュージュを見たヴィクトリアは、はたと立ち止まった。
「あれは……」
間違いない。その家は、ヴィクトリアの母であるオリヴィアが亡くなるまで、一緒に暮らしていた家だった。
「あの家はお前が十歳まで暮らしていた家だし、お前が住むならいいんじゃないかってオニキスに言われたんだ。
俺も一回下見したけど、七年前だからもう何の匂いも残ってない」
リュージュに直接話したことはなかったが、母がシドに喰われてしまったことは、リュージュも知っていたらしい。
「お前が嫌な記憶が蘇るっていうなら別の所にするよ。でも、他の候補は全部一家軒じゃないんだ。
今から新しく一軒家が欲しいって言っても、他にも待っている奴らがいて激戦だし、もし許可が下りても家が建つのには時間がかかる。
俺は早くあの家から出たいんだ。
お前の育った家は、中も広々としてるから子供ものびのびと育てられそうだし、定期的に掃除がされてたから状態もかなり良い。とりあえず見るだけ見てみないか?」
母が亡くなってからあの家には誰も住んでいない。シドが母との思い出を他の者に汚されるのを嫌ったからだ。しかし、時々シドに管理を任されていた者が出入りしていて、中を綺麗に掃除して保っていたのは知っていた。
母が亡くなってヴィクトリアはシドの館に住むようになった。最初の頃はヴィクトリアも鍵が開けられて掃除される時に家を訪れていたが、そうすると必ずと言っていいほどシドがやって来て鉢合わせしてしまうので、そのうちに足が遠のいていった。
今回シドが亡くなったことで、母の家として保管を続ける必要が無くなり、代わりにまた住居として使用してはどうかという話になったそうだ。
「……うん、大丈夫よ。嫌な記憶だけじゃないもの」
ヴィクトリアは頷き、リュージュと一緒に家に近付いた。
「鉄格子…………」
「……住むってなったら取るよコレ」
家の全ての窓には、オリヴィアの逃走防止のために、ヴィクトリアのかつての部屋にもお馴染みだった鉄格子が取り付けられている。それを間近で見たヴィクトリアは思わず呟いてしまった。
リュージュも自分の父親がオリヴィアに働いた無体を連想したのか、少しげんなりした表情になっている。
「あと、できれば玄関の扉も変えましょう……」
「そうだな……」
玄関の扉には元々備え付けの鍵が一個掛かっているだけだが、その扉には後付けの錠前の痕がかなりの数残っていた。シドによる母への執着の名残りのようで、改めて見るとかなりドン引く。
玄関の横には、子供だったヴィクトリア専用の小さな出入り口が付いていた。
大人が出入りするには難しい大きさだが、当時十歳だったヴィクトリアも、通り抜けるのはギリギリだった。
その扉はヴィクトリアが通り抜け辛くなるたびに改良されて少し大きくなったが、そうするとそのうちに母も通れる大きさになったかもしれない。
ふと、シドはそこら辺はどうするつもりだったのだろうかと思った。
たぶん、あのまま母が病気で死ぬことがなければ、ヴィクトリアは初潮が来た時点で適当な男と番にさせられて、この家から追い出されていただろう。
母オリヴィアはなんとなく、ヴィクトリアと番になるのはアルベールだと思っている節があった。
母は鼻を焼かれていたので、ヴィクトリアがアルベールに血を飲まれていたことは知らなかったし、ヴィクトリアも心配を掛けたくなかったので何も言わなかったから、そんな風に思ったのだろうと思う。
現在アルベールは医療棟からは退院していて自宅療養中である。
ウォグバードの話によれば、ヴィクトリアがリュージュと番になったことで、アルベールの『番の呪い』は解けたらしい。
本人は、「もうヴィクトリアは襲わない」と新族長オニキスに誓っていたそうだが、とはいえ、「危険人物なので極力近付かないように」とウォグバードには言われていて、ヴィクトリアもそのつもりだった。
昔は、母とアルベールの会話になるたびに、ヴィクトリアはアルベールと番になることを全力で否定していた。
ヴィクトリアは、もし今母が生きていて、娘の番になったのがリュージュだと知ったら、どんな反応をするだろうかと考えてしまった。
かなりびっくりして、でも、最終的には許してくれるような気がした。
(きっと、子供ができたことだって、喜んでくれるはずよ……)
「どうした? 辛いか? やっぱりここはやめておくか?」
ヴィクトリアは家の中を見て回りながら、久しぶりに訪れたことで母のことを懐かしく思い出し、思わず涙ぐんでしまったが、リュージュが気付いて支えてくれる。
「違うの、辛いんじゃないの。幸せだった頃を思い出して懐かしかったの。
ねえリュージュ、ここにしましょう。ここには私の幸せだった頃の思い出が詰まってるの。ここで、あなたとこの子と三人で暮らしていきたいわ」
ヴィクトリアは言いながら腹を撫でた。
「そうだな」
リュージュが優しく微笑んで、ヴィクトリアの目尻に浮かぶ涙を拭ってくれる。
「あ……」
「どうした?」
不意に驚いたような声を出したヴィクトリアにリュージュが尋ねる。
「今、お腹の子が動いた気がしたわ」
「えっ、まさか。まだタマゴに毛が生えた程度の成長具合だろ?」
「やあね、タマゴに毛なんか生えないわよ」
二人は笑い合い、やって来るだろう幸せな未来に希望を抱きながら、ヴィクトリアが幼い頃過ごした家を新しい住処にすることに決めた。
オニキスが新しい族長になることが決まり、数十年ぶりの族長交代の影響で今里の中は色々とバタついている。そんな中でもリュージュがかなり頑張ってくれたらしく、現状で引っ越し可能な家を早々に確保してきてくれた。
「てっきり、引っ越しはもう少し先になると思っていたわ」
手を取り合って歩きながらヴィクトリアは思ったことを口にする。
「いつまでもあの家にいたら胎教に良くないだろうって思って、急いだんだ」
まだ悪阻も始まっていないような初期であり、お腹もぺったんこだが、シドが死んだあの日の営みが実って、ヴィクトリアはリュージュの子供を妊娠していた。
リュージュはあの日からずっとそわそわしっぱなしで、毎日ヴィクトリアの匂いを嗅いで妊娠したかどうかを確認していた。
妊娠がわかった時にはリュージュは大喜びしてくれて、ヴィクトリアも笑顔になって二人で抱き合い、ヴィクトリアの身体に新しい命が宿ったことを一緒に祝った。
それから、妊娠確定後しばらくして、毎日のように見ていたレインの夢を見なくなった。
あの夢は、「レインにいつか償わなければ」という自分の心の枷を反映させたもののように感じていたが、子供ができたことで意識が変わり、自分の中で覚悟が決まったのだと思った。
優先するべきはリュージュと子供であり、もし今レインが眼の前に現れても、ヴィクトリアは大事な二人に我慢を強いるような行動は起こさない。
「あの家だ」
やがて視線の先に一軒の家が見えてくる。その家を指差すリュージュを見たヴィクトリアは、はたと立ち止まった。
「あれは……」
間違いない。その家は、ヴィクトリアの母であるオリヴィアが亡くなるまで、一緒に暮らしていた家だった。
「あの家はお前が十歳まで暮らしていた家だし、お前が住むならいいんじゃないかってオニキスに言われたんだ。
俺も一回下見したけど、七年前だからもう何の匂いも残ってない」
リュージュに直接話したことはなかったが、母がシドに喰われてしまったことは、リュージュも知っていたらしい。
「お前が嫌な記憶が蘇るっていうなら別の所にするよ。でも、他の候補は全部一家軒じゃないんだ。
今から新しく一軒家が欲しいって言っても、他にも待っている奴らがいて激戦だし、もし許可が下りても家が建つのには時間がかかる。
俺は早くあの家から出たいんだ。
お前の育った家は、中も広々としてるから子供ものびのびと育てられそうだし、定期的に掃除がされてたから状態もかなり良い。とりあえず見るだけ見てみないか?」
母が亡くなってからあの家には誰も住んでいない。シドが母との思い出を他の者に汚されるのを嫌ったからだ。しかし、時々シドに管理を任されていた者が出入りしていて、中を綺麗に掃除して保っていたのは知っていた。
母が亡くなってヴィクトリアはシドの館に住むようになった。最初の頃はヴィクトリアも鍵が開けられて掃除される時に家を訪れていたが、そうすると必ずと言っていいほどシドがやって来て鉢合わせしてしまうので、そのうちに足が遠のいていった。
今回シドが亡くなったことで、母の家として保管を続ける必要が無くなり、代わりにまた住居として使用してはどうかという話になったそうだ。
「……うん、大丈夫よ。嫌な記憶だけじゃないもの」
ヴィクトリアは頷き、リュージュと一緒に家に近付いた。
「鉄格子…………」
「……住むってなったら取るよコレ」
家の全ての窓には、オリヴィアの逃走防止のために、ヴィクトリアのかつての部屋にもお馴染みだった鉄格子が取り付けられている。それを間近で見たヴィクトリアは思わず呟いてしまった。
リュージュも自分の父親がオリヴィアに働いた無体を連想したのか、少しげんなりした表情になっている。
「あと、できれば玄関の扉も変えましょう……」
「そうだな……」
玄関の扉には元々備え付けの鍵が一個掛かっているだけだが、その扉には後付けの錠前の痕がかなりの数残っていた。シドによる母への執着の名残りのようで、改めて見るとかなりドン引く。
玄関の横には、子供だったヴィクトリア専用の小さな出入り口が付いていた。
大人が出入りするには難しい大きさだが、当時十歳だったヴィクトリアも、通り抜けるのはギリギリだった。
その扉はヴィクトリアが通り抜け辛くなるたびに改良されて少し大きくなったが、そうするとそのうちに母も通れる大きさになったかもしれない。
ふと、シドはそこら辺はどうするつもりだったのだろうかと思った。
たぶん、あのまま母が病気で死ぬことがなければ、ヴィクトリアは初潮が来た時点で適当な男と番にさせられて、この家から追い出されていただろう。
母オリヴィアはなんとなく、ヴィクトリアと番になるのはアルベールだと思っている節があった。
母は鼻を焼かれていたので、ヴィクトリアがアルベールに血を飲まれていたことは知らなかったし、ヴィクトリアも心配を掛けたくなかったので何も言わなかったから、そんな風に思ったのだろうと思う。
現在アルベールは医療棟からは退院していて自宅療養中である。
ウォグバードの話によれば、ヴィクトリアがリュージュと番になったことで、アルベールの『番の呪い』は解けたらしい。
本人は、「もうヴィクトリアは襲わない」と新族長オニキスに誓っていたそうだが、とはいえ、「危険人物なので極力近付かないように」とウォグバードには言われていて、ヴィクトリアもそのつもりだった。
昔は、母とアルベールの会話になるたびに、ヴィクトリアはアルベールと番になることを全力で否定していた。
ヴィクトリアは、もし今母が生きていて、娘の番になったのがリュージュだと知ったら、どんな反応をするだろうかと考えてしまった。
かなりびっくりして、でも、最終的には許してくれるような気がした。
(きっと、子供ができたことだって、喜んでくれるはずよ……)
「どうした? 辛いか? やっぱりここはやめておくか?」
ヴィクトリアは家の中を見て回りながら、久しぶりに訪れたことで母のことを懐かしく思い出し、思わず涙ぐんでしまったが、リュージュが気付いて支えてくれる。
「違うの、辛いんじゃないの。幸せだった頃を思い出して懐かしかったの。
ねえリュージュ、ここにしましょう。ここには私の幸せだった頃の思い出が詰まってるの。ここで、あなたとこの子と三人で暮らしていきたいわ」
ヴィクトリアは言いながら腹を撫でた。
「そうだな」
リュージュが優しく微笑んで、ヴィクトリアの目尻に浮かぶ涙を拭ってくれる。
「あ……」
「どうした?」
不意に驚いたような声を出したヴィクトリアにリュージュが尋ねる。
「今、お腹の子が動いた気がしたわ」
「えっ、まさか。まだタマゴに毛が生えた程度の成長具合だろ?」
「やあね、タマゴに毛なんか生えないわよ」
二人は笑い合い、やって来るだろう幸せな未来に希望を抱きながら、ヴィクトリアが幼い頃過ごした家を新しい住処にすることに決めた。
0
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説
心を病んだ魔術師さまに執着されてしまった
あーもんど
恋愛
“稀代の天才”と持て囃される魔術師さまの窮地を救ったことで、気に入られてしまった主人公グレイス。
本人は大して気にしていないものの、魔術師さまの言動は常軌を逸していて……?
例えば、子供のようにベッタリ後を付いてきたり……
異性との距離感やボディタッチについて、制限してきたり……
名前で呼んでほしい、と懇願してきたり……
とにかく、グレイスを独り占めしたくて堪らない様子。
さすがのグレイスも、仕事や生活に支障をきたすような要求は断ろうとするが……
「僕のこと、嫌い……?」
「そいつらの方がいいの……?」
「僕は君が居ないと、もう生きていけないのに……」
と、泣き縋られて結局承諾してしまう。
まだ魔術師さまを窮地に追いやったあの事件から日も浅く、かなり情緒不安定だったため。
「────私が魔術師さまをお支えしなければ」
と、グレイスはかなり気負っていた。
────これはメンタルよわよわなエリート魔術師さまを、主人公がひたすらヨシヨシするお話である。
*小説家になろう様にて、先行公開中*
ドS騎士団長のご奉仕メイドに任命されましたが、私××なんですけど!?
yori
恋愛
*ノーチェブックスさまより書籍化&コミカライズ連載7/5~startしました*
コミカライズは最新話無料ですのでぜひ!
読み終わったらいいね♥もよろしくお願いします!
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
ふりふりのエプロンをつけたメイドになるのが夢だった男爵令嬢エミリア。
王城のメイド試験に受かったはいいけど、処女なのに、性のお世話をする、ご奉仕メイドになってしまった!?
担当する騎士団長は、ある事情があって、専任のご奉仕メイドがついていないらしい……。
だけど普通のメイドよりも、お給金が倍だったので、貧乏な実家のために、いっぱい稼ぎます!!
悪役令嬢、お城の雑用係として懲罰中~一夜の過ちのせいで仮面の騎士団長様に溺愛されるなんて想定外です~
束原ミヤコ
恋愛
ルティエラ・エヴァートン公爵令嬢は王太子アルヴァロの婚約者であったが、王太子が聖女クラリッサと真実の愛をみつけたために、婚約破棄されてしまう。
ルティエラの取り巻きたちがクラリッサにした嫌がらせは全てルティエラの指示とれさた。
懲罰のために懲罰局に所属し、五年間無給で城の雑用係をすることを言い渡される。
半年後、休暇をもらったルティエラは、初めて酒場で酒を飲んだ。
翌朝目覚めると、見知らぬ部屋で知らない男と全裸で寝ていた。
仕事があるため部屋から抜け出したルティエラは、二度とその男には会わないだろうと思っていた。
それから数日後、ルティエラに命令がくだる。
常に仮面をつけて生活している謎多き騎士団長レオンハルト・ユースティスの、専属秘書になれという──。
とある理由から仮面をつけている女が苦手な騎士団長と、冤罪によって懲罰中だけれど割と元気に働いている公爵令嬢の話です。
【R18】副騎士団長のセフレは訳ありメイド~恋愛を諦めたら憧れの人に懇願されて絆されました~
とらやよい
恋愛
王宮メイドとして働くアルマは恋に仕事にと青春を謳歌し恋人の絶えない日々を送っていた…訳あって恋愛を諦めるまでは。
恋愛を諦めた彼女の唯一の喜びは、以前から憧れていた彼を見つめることだけだった。
名門侯爵家の次男で第一騎士団の副団長、エルガー・トルイユ。
見た目が理想そのものだった彼を眼福とばかりに密かに見つめるだけで十分幸せだったアルマだったが、ひょんなことから彼のピンチを救いアルマはチャンスを手にすることに。チャンスを掴むと彼女の生活は一変し、憧れの人と思わぬセフレ生活が始まった。
R18話には※をつけてあります。苦手な方はご注意ください。
悪役令嬢にされた令嬢は野獣王子に溺愛される!
ビッグベアー
恋愛
BLACK会社で無給の残業体の限界が来て私は通勤中に倒れそのまま意識が薄れ気づくと異世界のアリス・ラディッシュ公爵令嬢として生まれた。
そう私が唯一ハマった携帯ゲームの18禁乙ゲーの〈婚約破棄からの恋〉と言うなんとも分からないゲームだ。
ヒロインのアリスは王太子の婚約者でも悪役令嬢のせいで王太子と婚約破棄をされそこからゲームがスタートがファンの間に広まり私も同僚に進められやってハマった。
正直ヒロインは顔とかあまり出て来ないイベントでドキドキするような画像が出でくる位だから王太子との婚約まで気付くことはなかった。
恋や恋愛何てしたことがないから私は考え悪役令嬢を演じ婚約破棄まで我慢した…
ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています
柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。
領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。
しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。
幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。
「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」
「お、畏れ多いので結構です!」
「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」
「もっと重い提案がきた?!」
果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。
さくっとお読みいただけますと嬉しいです。
【R-18】敗戦国の元侯爵令嬢は、公爵と国王に溺愛される
桜百合
恋愛
祖国が戦に敗れたことでバルサミア国の奴隷となった元侯爵令嬢カリーナ。奴隷として雇われた公爵家の主人リンドに惹かれていくが、叶わない恋だと諦める。そんな時カリーナに接近してきたのはまさかの国王アレックスであった。元侯爵令嬢カリーナが本当の愛と幸せを手に入れるお話。
※こちらのお話は『今日であなたを忘れます〜』の本筋となったお話です。
(アレックスが可哀想…という感想を多くいただいたので、IFストーリーとして上記の作品の掲載をはじめました。)
途中までのシーンはRシーン以外ほとんど同じですが、中盤以降からお話がガラリと変わります。
※R要素は後半に多めです。R部分には★マークをつけてあります。
※去年の4月にムーン様に投稿した処女作となります。あえて当時の文体のまま、掲載しておりますので、至らぬ点は多めに見ていただけると助かります。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる