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リムジンの車内で ※
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リムジンの車内にはテレビでしか見たことのないような革張りの椅子と大理石でできたテーブルがあった。あれよあれよと言う間にそこに座らされてペンを持たされ、黒服の一人がテーブルの上に一枚の紙を置いた。
「サインヲ」
スパダリが紙のある一点を長く綺麗な指で指し示す。
私は固まった。
これ、婚姻届ですけど……
名前以外の欄には既に記入がされてあって、あとは私の名前を書くだけになっていた。
夫の欄にはアルファベットで、ヨシュア・レーマンと書いてあった。
この名前、どこかで覚えがあるような…………
「コレハ、コウニュウノ、ショウメイデス」
戸惑う私にスパダリ――名前はヨシュアさんというらしい――が声をかけてくるが、『購入の証明』と言われても、私1円も払ってませんけど……
「でも……」
「ミドリサン、アイシテマス。ワタシノ妻ニナッテクダサイ」
ヨシュアさんの雄の色気満載な身体と綺麗なお顔が迫ってきて、ボボボと自分でもわかるくらいに顔が熱を持った。
それでも了解できずにまごまごしていると、ヨシュアさんがペンを握る私の手をガシリと掴んだ。
「え……? え……?」
私の戸惑いなどお構いなしに、ヨシュアさんは私の手を動かして、「大山緑璃」の「大山」までは記入してしまった。しかし幼稚園児が書いたようなすごい字体になっているし、何より線が一本多くて「大」が「犬」になってしまっているが、これで受理されます?
「Boss……」
控えていた黒服の一人が思わずといった様子で声をかけてきた。発音からするに彼らも外国出身の方々のようだ。
「ダイジョーブ。ヒカエ、アル」
ヨシュアさんは黒服に指示して別の婚姻届を出させた。それも一枚目と同じように妻の欄以外は埋まっていた。控えは何枚もある様子だったが、日本語が上手く書けないヨシュアさんでは、純日本人の私の代筆は無理だろう。
「わかりました。署名します」
Oh!と言いながらヨシュアさんが五枚目を失敗した所で、私は意を決して声を上げた。
「ドリ! ワタシトケッコン、OK?」
「ドリ」なんて懐かしい呼ばれ方だなぁ、などと思いつつ、恋人と酷い別れ方をした私は、半分破れかぶれだった。
私は、「Yes!」とノリと勢いで親指を立てながら返事をし、ペンを受け取って自分の名前をさらさらと婚姻届に記入した。
「アリガト! アリガト! ドリ! My wife! ~~~~~」
ヨシュアさんが後半は英語で喜びの言葉を叫びながら抱きついてきた。唇を寄せられてヨシュアさんとキスをする。にゅるにゅるとヨシュアさんの熱い舌に口内を舐られて、私は息も絶え絶えになってしまった。元彼よりも上手い……
高級ソファの上に押し倒された時にバタリと車のドアが閉まる音がした。気を利かせた黒服たちが全員出て行ったらしい。
「トドケ、ダシマス。ワタシタチ、フウフ」
ドアの方を見つめた私にヨシュアさんが説明してくれた。婚姻届は黒服たちが代理でこれから役所の時間外窓口へ提出しに行くのだろう。
止めるなら今しかないが、しかし既に仕事着のままだったスーツの間から私はヨシュアさんに手を突っ込まれていて、あの綺麗な指で股間のイイところを弄られ始めていた。
酒で温まっていた身体はヨシュアさんの愛撫を簡単に受け入れていて、失恋して寂しかった心に火が灯り始めてしまう。深酒により思考力の鈍った頭は、婚姻届の提出の阻止よりも、ヨシュアさんの気持ちいい愛撫を受け続ける方を選んでいた……
こちらを思いやるような優しい指遣いに、相手の正体が知れなさすぎるとか、親に紹介してないとか、そんなことは夜空の彼方に吹っ飛んでしまった。
「んーっ、んんぅ」
口が塞がれているので唸るような声しか出せない。ヨシュアさんは下着の中で直に割れ目を擦りながら、芽を出していた花芯を時々引っ掻くように甘く刺激してくる。
胸が高鳴って呼吸が乱れ、私がヨシュアさんの口の中で喘ぐと、全ての唾液も貪り取られるように舌を強く吸われて昇天しそうになる。まるで口の敏感な部分を全部食べられてしまっているみたいだった。
濃厚な口付けに満足したのか、ヨシュアさんは唇を離すと、股間はまだしつこく弄りながらも片手で器用に私のブラウスのボタンを外した。ヨシュアさんは恍惚とした表情でポロリした私のおっぱいを触っている。
「ドリ…… オオキクナッタネ……」
おっぱいは標準的な大きさだと思うけど、ヨシュアさんが気に入ってくれたのなら良かった。
ヨシュアさんの手…… 気持ちいいなぁ……
私はたぶん酔っ払っていたせいで貞操の危機に鈍感になっていた。こんなイケメンにおっぱいを揉んでもらえるなんて、最高じゃないかとすら思っていた。
興奮した私がハアハアと息を荒くしていると、ヨシュアさんはピンと勃った胸の頂点に吸い付いてきた。舌遣いが巧みで私は我慢せずに声を荒げた。
「あん…… いいっ、ああっ……」
ヨシュアさんは胸を愛撫しながら、スカートはそのままで私のストッキングと下着を下ろした。スカートがたくし上げられて、目だけで合図された私はヨシュアさんが触りやすいように脚を広げて股間を晒した。
「あっ……! はうっ……!」
ヨシュアさんの長い指が穴の中に入ってくる。ヌルヌルと中を撫でられて、同時に親指でクリを潰されて快感が大きくなる。溢れる愛液を纏わせながらヨシュアさんの指が私を追い詰める。
ヨシュアさんの三点責め…… いや、もう片方の手が舐められてない方の乳首を弄っているので四点責めか。私は夫となった(?)ばかりの男の巧みな愛撫に翻弄され、限界突破しそうだった。
既に走り出していたリムジンが道の陥没部を通ったらしく、激しく上下に揺れた。その振動でヨシュアさんの指が私の中の敏感な所を強く刺激してしまう。
「ふあぁっ! んあああぁぁっ! 」
限界スレスレだった快楽がその時に弾けて、私はそのまま気絶した。
「サインヲ」
スパダリが紙のある一点を長く綺麗な指で指し示す。
私は固まった。
これ、婚姻届ですけど……
名前以外の欄には既に記入がされてあって、あとは私の名前を書くだけになっていた。
夫の欄にはアルファベットで、ヨシュア・レーマンと書いてあった。
この名前、どこかで覚えがあるような…………
「コレハ、コウニュウノ、ショウメイデス」
戸惑う私にスパダリ――名前はヨシュアさんというらしい――が声をかけてくるが、『購入の証明』と言われても、私1円も払ってませんけど……
「でも……」
「ミドリサン、アイシテマス。ワタシノ妻ニナッテクダサイ」
ヨシュアさんの雄の色気満載な身体と綺麗なお顔が迫ってきて、ボボボと自分でもわかるくらいに顔が熱を持った。
それでも了解できずにまごまごしていると、ヨシュアさんがペンを握る私の手をガシリと掴んだ。
「え……? え……?」
私の戸惑いなどお構いなしに、ヨシュアさんは私の手を動かして、「大山緑璃」の「大山」までは記入してしまった。しかし幼稚園児が書いたようなすごい字体になっているし、何より線が一本多くて「大」が「犬」になってしまっているが、これで受理されます?
「Boss……」
控えていた黒服の一人が思わずといった様子で声をかけてきた。発音からするに彼らも外国出身の方々のようだ。
「ダイジョーブ。ヒカエ、アル」
ヨシュアさんは黒服に指示して別の婚姻届を出させた。それも一枚目と同じように妻の欄以外は埋まっていた。控えは何枚もある様子だったが、日本語が上手く書けないヨシュアさんでは、純日本人の私の代筆は無理だろう。
「わかりました。署名します」
Oh!と言いながらヨシュアさんが五枚目を失敗した所で、私は意を決して声を上げた。
「ドリ! ワタシトケッコン、OK?」
「ドリ」なんて懐かしい呼ばれ方だなぁ、などと思いつつ、恋人と酷い別れ方をした私は、半分破れかぶれだった。
私は、「Yes!」とノリと勢いで親指を立てながら返事をし、ペンを受け取って自分の名前をさらさらと婚姻届に記入した。
「アリガト! アリガト! ドリ! My wife! ~~~~~」
ヨシュアさんが後半は英語で喜びの言葉を叫びながら抱きついてきた。唇を寄せられてヨシュアさんとキスをする。にゅるにゅるとヨシュアさんの熱い舌に口内を舐られて、私は息も絶え絶えになってしまった。元彼よりも上手い……
高級ソファの上に押し倒された時にバタリと車のドアが閉まる音がした。気を利かせた黒服たちが全員出て行ったらしい。
「トドケ、ダシマス。ワタシタチ、フウフ」
ドアの方を見つめた私にヨシュアさんが説明してくれた。婚姻届は黒服たちが代理でこれから役所の時間外窓口へ提出しに行くのだろう。
止めるなら今しかないが、しかし既に仕事着のままだったスーツの間から私はヨシュアさんに手を突っ込まれていて、あの綺麗な指で股間のイイところを弄られ始めていた。
酒で温まっていた身体はヨシュアさんの愛撫を簡単に受け入れていて、失恋して寂しかった心に火が灯り始めてしまう。深酒により思考力の鈍った頭は、婚姻届の提出の阻止よりも、ヨシュアさんの気持ちいい愛撫を受け続ける方を選んでいた……
こちらを思いやるような優しい指遣いに、相手の正体が知れなさすぎるとか、親に紹介してないとか、そんなことは夜空の彼方に吹っ飛んでしまった。
「んーっ、んんぅ」
口が塞がれているので唸るような声しか出せない。ヨシュアさんは下着の中で直に割れ目を擦りながら、芽を出していた花芯を時々引っ掻くように甘く刺激してくる。
胸が高鳴って呼吸が乱れ、私がヨシュアさんの口の中で喘ぐと、全ての唾液も貪り取られるように舌を強く吸われて昇天しそうになる。まるで口の敏感な部分を全部食べられてしまっているみたいだった。
濃厚な口付けに満足したのか、ヨシュアさんは唇を離すと、股間はまだしつこく弄りながらも片手で器用に私のブラウスのボタンを外した。ヨシュアさんは恍惚とした表情でポロリした私のおっぱいを触っている。
「ドリ…… オオキクナッタネ……」
おっぱいは標準的な大きさだと思うけど、ヨシュアさんが気に入ってくれたのなら良かった。
ヨシュアさんの手…… 気持ちいいなぁ……
私はたぶん酔っ払っていたせいで貞操の危機に鈍感になっていた。こんなイケメンにおっぱいを揉んでもらえるなんて、最高じゃないかとすら思っていた。
興奮した私がハアハアと息を荒くしていると、ヨシュアさんはピンと勃った胸の頂点に吸い付いてきた。舌遣いが巧みで私は我慢せずに声を荒げた。
「あん…… いいっ、ああっ……」
ヨシュアさんは胸を愛撫しながら、スカートはそのままで私のストッキングと下着を下ろした。スカートがたくし上げられて、目だけで合図された私はヨシュアさんが触りやすいように脚を広げて股間を晒した。
「あっ……! はうっ……!」
ヨシュアさんの長い指が穴の中に入ってくる。ヌルヌルと中を撫でられて、同時に親指でクリを潰されて快感が大きくなる。溢れる愛液を纏わせながらヨシュアさんの指が私を追い詰める。
ヨシュアさんの三点責め…… いや、もう片方の手が舐められてない方の乳首を弄っているので四点責めか。私は夫となった(?)ばかりの男の巧みな愛撫に翻弄され、限界突破しそうだった。
既に走り出していたリムジンが道の陥没部を通ったらしく、激しく上下に揺れた。その振動でヨシュアさんの指が私の中の敏感な所を強く刺激してしまう。
「ふあぁっ! んあああぁぁっ! 」
限界スレスレだった快楽がその時に弾けて、私はそのまま気絶した。
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