4人の王子に囲まれて

*YUA*

文字の大きさ
上 下
187 / 202
一緒に花火が見たい

結衣side

しおりを挟む

それからまたしばらく経って真央ちゃん紗希ちゃんと花火を見る日になった。


真「結衣~!来たぞ~!」

紗「こんちゃ!」

と突然私の部屋に入ってきた真央ちゃんと紗希ちゃん。


結「真央ちゃん、紗希ちゃん!いらっしゃい!」

私は笑顔で出迎えた。

だってこの日が楽しみでしょうがなかったんだもん。




真「屋台はもうやってたから焼きそばとお好み焼き買っておいたぞ!!」

紗「りんご飴も。あんず飴も!」

そう言いながら真央ちゃん紗希ちゃんはテーブルに色々並べた。



結「わー!美味しそう!!こんなにたくさん売ってるんだ!!」

私がそう言うと2人は驚いた顔をした。

そして何かを察したように口を開く。


真「じゃ、来年はみんなで買いに行くか?」

結「え。でも来年は受験…」

紗「一日くらい休んだってバチあたんねぇって!」

真「そーだよ!絶対行こうな!」

私も驚いた。

だって大事な進学就職を控えてるのに私のために時間を割いてくれるだなんて…

そんな友達初めてだったから。



結「ありがとう…。」

私が嬉しくなり笑顔でそう言うと紗希ちゃんは真剣な顔で言った。


紗「それはこっちのセリフだよ。」

結「え??どうして…」

真「うちらと一緒にいるせいで結衣も悪く言われたりしてねぇか?」

結「悪く言われる?どうして?」

私がそう言うと2人は笑った。

すると突然またノックもせずに入ってきた大雅兄。


大「おぉ。お前ら来てたのか。」

真「よっ。大雅。」

そんな大雅兄に手をひらりとあげて挨拶する真央ちゃん。


大「よっ。じゃねぇよ。お邪魔しますくらい言えや!!」

紗「まぁまぁ。りんご飴分けてやるから機嫌なおせ。」


少しプリプリとする大雅兄に紗希ちゃんはりんご飴を手渡した。


大「いらねぇよ!そんなことより結衣、お前少し顔色悪いけど大丈夫か?」

結「え?そうかな??」

私がそう言うと大雅兄は私のおでこに大きな手を当てた。

それだけでもドキドキして…

なんだかこの手を通じて気持ちが伝わってしまいそう。




大「んー熱は無さそうだな。あんまりムリはするなよ?」

結「うん!ありがとう!」

そんな会話をしていると横から口を挟む真央ちゃん。


真「なんかうちらと結衣、対応違くね!?」

真央ちゃんの言葉に大雅兄は少し顔を赤らめながら…

大「あーーもう。あとでお茶でも淹れてやっから。許せ!」

と言った。



紗「否定はしないのね。」

大「うるせぇ。俺はもう行くかんな。」

と言ってドアに手をかける大雅兄。



真「コーラでよろしく。」

紗「うちも。」

とすかさずそう言う2人に

大「コーラなんてねぇよ!」

言い返す大雅兄。


真「じゃあ買ってこいや。」

大「なんで俺がお前らのパシリにならなきゃいけねぇんだよ。」

紗「いいじゃん。暇だろ?」

大「暇じゃねぇし!!んで?結衣はなんか飲むか?」

結「私は…大丈夫だよ!」

大「んじゃオレンジジュースでも買ってくるから。お前ら結衣を頼んだぞ。」

大雅兄はそう言って私の部屋を出て行った。

真「結局行ってくれるんだ!大雅優しい♪」

結「そうだね!ねぇ…紗希ちゃん真央ちゃん…。」

真「ん?」

結「大雅兄の事…好きになっちゃダメだよ?」

紗「ならねぇよ!!可愛いな~結衣は!」

真「安心しな、結衣。うちらは今お前しか見えてねぇから。」

結「ありがとう!」


こうして私たちだけの花火大会は始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

私は女神じゃありません!!〜この世界の美的感覚はおかしい〜

朝比奈
恋愛
年齢=彼氏いない歴な平凡かつ地味顔な私はある日突然美的感覚がおかしい異世界にトリップしてしまったようでして・・・。 (この世界で私はめっちゃ美人ってどゆこと??) これは主人公が美的感覚が違う世界で醜い男(私にとってイケメン)に恋に落ちる物語。 所々、意味が違うのに使っちゃってる言葉とかあれば教えて下さると幸いです。 暇つぶしにでも呼んでくれると嬉しいです。 ※休載中 (4月5日前後から投稿再開予定です)

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

風紀委員 藤堂正道 -最愛の選択-

Keitetsu003
恋愛
 終わりが失恋だとしても、彼らは愛し続けるだろう。愚かなまでに……。  不良の楽園と呼ばれる町、青島で『不良狩り』と呼ばれる風紀委員がいた。  その名は、藤堂正道。  不良達の起こす理不尽な行動が許せなくて、今日も自分の信念に基づいて不良と真っ向からぶつかっていた。  そんな正道の前に、青島高等学校最大の問題児があらわれる。  予想もしなかった、予測すらできなかった問題児に、正道はどう立ち向かっていくのか。  *この物語は様々な恋愛がテーマとなっています。  第一部……ハーレム   第三部……同性愛  第四部……失恋  番外編……友情  第五部~……家族愛  『アルファポリス』様のサイトで番外編『藤堂正道のおしゃべり』を投稿しています。もし、よろしければ読んでみてください。  『小説家になろう』様で投稿しています。 尚、『第七部 俺達の家族 -団結編-』の『兄さんなんて大嫌いです! 藤堂正道SIDE』は小説家になろう様のみ投稿していますので、そちらもぜひ寄ってみてください。

【R18】スパダリ幼馴染みは溺愛ストーカー

湊未来
恋愛
大学生の安城美咲には忘れたい人がいる……… 年の離れた幼馴染みと三年ぶりに再会して回り出す恋心。 果たして美咲は過保護なスパダリ幼馴染みの魔の手から逃げる事が出来るのか? それとも囚われてしまうのか? 二人の切なくて甘いジレジレの恋…始まり始まり……… R18の話にはタグを付けます。 2020.7.9 話の内容から読者様の受け取り方によりハッピーエンドにならない可能性が出て参りましたのでタグを変更致します。

女性が少ない世界へ異世界転生してしまった件

りん
恋愛
水野理沙15歳は鬱だった。何で生きているのかわからないし、将来なりたいものもない。親は馬鹿で話が通じない。生きても意味がないと思い自殺してしまった。でも、死んだと思ったら異世界に転生していてなんとそこは男女500:1の200年後の未来に転生してしまった。

『番外編』イケメン彼氏は年上消防士!結婚式は波乱の予感!?

すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は年上消防士!・・・の、番外編になります。 結婚することが決まってしばらく経ったある日・・・ 優弥「ご飯?・・・かぁさんと?」 優弥のお母さんと一緒にランチに行くことになったひなた。 でも・・・ 優弥「最近食欲落ちてるだろ?風邪か?」 ひなた「・・・大丈夫だよ。」 食欲が落ちてるひなたが優弥のお母さんと一緒にランチに行く。 食べたくないのにお母さんに心配をかけないため、無理矢理食べたひなたは体調を崩す。 義母「救護室に行きましょうっ!」 ひなた「すみません・・・。」 向かう途中で乗ったエレベーターが故障で止まり・・・ 優弥「ひなた!?一体どうして・・・。」 ひなた「うぁ・・・。」 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とは何の関係もありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...