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年末年始
瑛斗side
しおりを挟む結「瑛斗兄入るよ。」
と言ってさっき様子を見に来た結衣が再び部屋に入ってきた。
瑛「なんだよ…」
結「瑛斗兄大丈夫??うどん作ってきたから…良かったら食べて。」
瑛「放っておいてくれ。」
結「でも…少しでも食べた方が元気出るよ。」
瑛「聞こえねーのかよ。放っておけって言ってんだよ!!」
俺は自分のイライラを結衣にぶつけた。
今日は仕事でうまく行かなかった。
何をしても空回りしてしまう。
やっと俳優としての仕事が来るようになったのに…
こんなミスばっかりでなにをやっているんだ。
結「瑛斗兄少し熱っぽいみたい…。体温計とお薬あるか見てくるね。」
俺の額に手を当ててそう言ってくる結衣。
瑛「だから放っておけって…」
結「用が済んだらちゃんと放っておくから大丈夫!!待っててね。」
と言って部屋を出て行った結衣。
瑛「それは放っておくって言わねーよ。」
本当に結衣にはペース乱される。
あのマイペースで抜けてる性格どうにかなんねーのか、なんて思いながらも早く結衣が戻ってこないかと考えている俺はどうかしている。
結「あったよ!体温計!あとお薬も!」
再び部屋に戻って来た結衣はまるで宝探しでもして来たような言い草だ。
結「明日もお仕事あるんでしょ?」
瑛「そうだけど…」
結「じゃあ早く治さなきゃだね!」
そう言って結衣は微笑んだ。
さっき俺が八つ当たりしたのを忘れているかのように。
結「瑛斗兄寒くない?毛布もっと持ってくる?」
瑛「大丈夫。」
結「じゃあちゃんとお熱測って熱あったらお薬も飲んでね。あ、少し食べてからお薬飲むんだよ?」
瑛「分かってるよ。」
……俺はガキかってほどの扱いだ。
結「じゃあ私もう行くね。なんか困ってる事とかあったら何でも言っていいからね!」
そこまで言うと結衣は部屋から出て行った。
瑛「なんでも…ねぇ。」
何でもは出来ねぇくせに。
なんか今日の俺は本当にイラついているようだ。
薬飲んで早く寝よう。
俺は結衣が作ったうどんをすすった。
優しい味がする。
瑛「うまっ。」
本当なんなんだよ。
あいつは。
本当目障りでしかねーんだから。
そう思いながら俺は少し元気が出てきた気がしていた。
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