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53 光る君 蛍宮が結婚ですと!
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明石の女御(ちい姫)がお生みになった若君は、大したご病気にかかることもなく内裏でスクスクとお育ちになっているらしい。
喜ばしい事だ。
自分も孫の先々を楽しみにする爺さんになったかと、嬉しいような淋しいような気持ちで過ごしていた頃、異母弟の帥の宮(蛍兵部卿)が結婚すると聞いた。
彼は仲睦まじかった奥さんを早くに無くし、以来独身だったが遂に再婚か。
玉鬘にはフラれ、三の宮も空振りさせちゃって申し訳なく思っていたが、めでたい。
で、相手はだあれ?
と思ったら、何と髭黒と別れた奥さん(紫の上の異母姉)との間にできた真木柱だって?!
へぇー、また紫の上の父親でもある式部卿の、今度は孫娘か。
式部卿の方から仄めかされて、先ごろ空振りが続いていたもんで何となく承知したんだそうな。
よくよく私の周りと式部卿は婚姻縁があるらしい。
確か真木柱は、髭黒が奥さんを捨てた様な形で玉鬘と結婚したせいで、迎えに行っても卿が渡してくれず、宮家で育てていたよな。
当時は父親恋しさに泣きじゃくる子供だったが、、、
そうか、もうそんな年に。
ちい姫が子供産むんだからそりゃそうか。
帥の宮も性格は穏やかで優しい奴だが、ちょっと風流過ぎてやや遊び好きなところがある。
パリピ系ってやつ?
上手くやっていけるといいんだが、、。
しかし、激推ししてた玉鬘の、義理だが娘に当たる真木柱と帥の宮(蛍宮)が婚姻となると、帥の宮にアプローチ受けてた玉鬘はビミョーな気持ちだろうな。
しかし、さすが玉鬘。
髭黒の長男次男だけでなく、宮家で育てられていた真木柱にも、義母として良く尽くし、慕われていたようだ。
帥の宮と婚姻後、遊び癖が抜けないパリピ夫の愚痴を真木柱から相談されて、もし自分が帥の宮と婚姻していたら、今の真木柱の様に悩まされたかも、、と、手紙が来た。
ややこしい人間関係でさぞかし気苦労な事だろうな。
その内こちらに気分転換でもどうかと、遊びに来るよう誘っておくか、、。
それからあっと言う間に二年ほど経ち、御即位十八年の冷泉帝が、にわかにご譲位なさると聞いた。
先ごろご病気を患い、大したことは無かったのだがゆっくりお過ごしになりたいとも思われたんだろう。
御子がおられず、私と藤壺様との不義の子、冷泉帝のお血筋の帝位は一代限りとなったが、秘密は遂に暴かれる事なく御代が終わりを告げる。
これも宿世か、、。
朱雀院と髭黒の妹である女御との御子、東宮もご成人されていることとて、御代替わりもスムーズに行われた。
東宮が新帝となり、東宮妃だった明石女御も次々と御子をお生みになっている。
いずれ我が娘は中宮になられるだろう。
冷泉帝の代では飢饉や天変地異もなく、平和な御代であったため、帝が変わられても世の政治は変わることはなかったが、太政大臣直房が辞表をたてまつり引退した。
位極まり長く朝堂を率いてきたが、そろそろ良い頃合いだものな。
左大将だった髭黒が右大臣になり、新帝の叔父だけあって今では朝堂の第一人者だ。
夕霧は大納言となり、髭黒との中も良く、政も上手く回っている。
新しい東宮には明石女御がお生みになった一宮がお立ちになった。
とうとうちい姫が国母になるんだ。
明石入道が嵐の夜、私を須磨に迎えに来た時お告げの下りを半信半疑で聞いていたが、奇しくも歴史はその通りに進んでいる。
今にして思えば須磨流謫から明石の君との出会いは、この日のため
何か大きな力が働いたのではないかとも思える。
自分の力で切り開いてきたつもりのこの人生は、何かの力が働いているのでは、と。
思い当たるのは住吉の神だが、、。
ま、なんの力か知らないが、とりあえずサンキュー!
子ども達は立派に成長して子育ても終わった。
後の人生は紫の上とのんびり過ごすさ。
喜ばしい事だ。
自分も孫の先々を楽しみにする爺さんになったかと、嬉しいような淋しいような気持ちで過ごしていた頃、異母弟の帥の宮(蛍兵部卿)が結婚すると聞いた。
彼は仲睦まじかった奥さんを早くに無くし、以来独身だったが遂に再婚か。
玉鬘にはフラれ、三の宮も空振りさせちゃって申し訳なく思っていたが、めでたい。
で、相手はだあれ?
と思ったら、何と髭黒と別れた奥さん(紫の上の異母姉)との間にできた真木柱だって?!
へぇー、また紫の上の父親でもある式部卿の、今度は孫娘か。
式部卿の方から仄めかされて、先ごろ空振りが続いていたもんで何となく承知したんだそうな。
よくよく私の周りと式部卿は婚姻縁があるらしい。
確か真木柱は、髭黒が奥さんを捨てた様な形で玉鬘と結婚したせいで、迎えに行っても卿が渡してくれず、宮家で育てていたよな。
当時は父親恋しさに泣きじゃくる子供だったが、、、
そうか、もうそんな年に。
ちい姫が子供産むんだからそりゃそうか。
帥の宮も性格は穏やかで優しい奴だが、ちょっと風流過ぎてやや遊び好きなところがある。
パリピ系ってやつ?
上手くやっていけるといいんだが、、。
しかし、激推ししてた玉鬘の、義理だが娘に当たる真木柱と帥の宮(蛍宮)が婚姻となると、帥の宮にアプローチ受けてた玉鬘はビミョーな気持ちだろうな。
しかし、さすが玉鬘。
髭黒の長男次男だけでなく、宮家で育てられていた真木柱にも、義母として良く尽くし、慕われていたようだ。
帥の宮と婚姻後、遊び癖が抜けないパリピ夫の愚痴を真木柱から相談されて、もし自分が帥の宮と婚姻していたら、今の真木柱の様に悩まされたかも、、と、手紙が来た。
ややこしい人間関係でさぞかし気苦労な事だろうな。
その内こちらに気分転換でもどうかと、遊びに来るよう誘っておくか、、。
それからあっと言う間に二年ほど経ち、御即位十八年の冷泉帝が、にわかにご譲位なさると聞いた。
先ごろご病気を患い、大したことは無かったのだがゆっくりお過ごしになりたいとも思われたんだろう。
御子がおられず、私と藤壺様との不義の子、冷泉帝のお血筋の帝位は一代限りとなったが、秘密は遂に暴かれる事なく御代が終わりを告げる。
これも宿世か、、。
朱雀院と髭黒の妹である女御との御子、東宮もご成人されていることとて、御代替わりもスムーズに行われた。
東宮が新帝となり、東宮妃だった明石女御も次々と御子をお生みになっている。
いずれ我が娘は中宮になられるだろう。
冷泉帝の代では飢饉や天変地異もなく、平和な御代であったため、帝が変わられても世の政治は変わることはなかったが、太政大臣直房が辞表をたてまつり引退した。
位極まり長く朝堂を率いてきたが、そろそろ良い頃合いだものな。
左大将だった髭黒が右大臣になり、新帝の叔父だけあって今では朝堂の第一人者だ。
夕霧は大納言となり、髭黒との中も良く、政も上手く回っている。
新しい東宮には明石女御がお生みになった一宮がお立ちになった。
とうとうちい姫が国母になるんだ。
明石入道が嵐の夜、私を須磨に迎えに来た時お告げの下りを半信半疑で聞いていたが、奇しくも歴史はその通りに進んでいる。
今にして思えば須磨流謫から明石の君との出会いは、この日のため
何か大きな力が働いたのではないかとも思える。
自分の力で切り開いてきたつもりのこの人生は、何かの力が働いているのでは、と。
思い当たるのは住吉の神だが、、。
ま、なんの力か知らないが、とりあえずサンキュー!
子ども達は立派に成長して子育ても終わった。
後の人生は紫の上とのんびり過ごすさ。
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