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見逃せない
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「いいか、セナード。召喚士とは、モンスターを召喚すれば終わりではない。体術、剣術、魔法……我が家は代々、召喚までの時間を攻撃的に稼ぐ当主ばかりだった。お前には、そこが完全に欠けている。盾を使うのは最後の手段だ」
「はい……父上……」
ヘーゲモニアの厳しい視線をセナードが受け止める。
荒い息、砂だらけのローブ。さあっと砂のように消えていくミノタウロス。
「同じミノタウロスを使って、なぜここまで負けたのか分かるな。お前は、モンスターに頼りすぎているからだ。私のように、自分のモンスターを囮にし、影から攻撃を追加する方法も非常に有効な手段だ。常に考えろ。召喚して突っ立っているだけではイース家の召喚士とは言えないぞ」
セナードが、がくりと膝をつく。駆け寄ろうとしたルルカの足音を聞き、後ろに「大丈夫」と手を伸ばす。
ヘーゲモニアは、高い位置から見下ろして言う。
「だが、ようやくミノタウロスへの命令が素早くなってきた。今日はここまでとする」
「はい……ありがとうございます」
ヘーゲモニアの背後で、夕日が落ちようとしていた。物憂げな顔をした彼は、少し間を置いてぽつりとつぶやいた。
厳しい視線が一転して、優しいものに変わる。
「セナード……少しずつだが、お前も強くなりつつある。もし、この父に何かあったときは、家と家人たちのことは、すべてお前に任せるぞ。ルルカと協力して盛り立てろ。先代たちの名を汚さぬようにな」
「……父上? それは――」
「もしもの話だ。次期当主として、常に心構えはしておけと、そういうことだ」
「はい」
ヘーゲモニアが手を横に振った。歴戦の強者であるミノタウロスが光の軌跡とともに消える。
そして、「ルルカ」と呼んだ。
「あまり、セナードを甘やかさないようにな。多少厳しくしなければ、お前の兄はすぐ怠けるぞ」
「は、はいっ!」
「それと……私は、これから少々用事がある。夕食は不要だから、料理人にそう伝えてくれ」
「分かりました。では、護衛のみなさんに連絡――」
「不要だ」
ヘーゲモニアが素早く断ち切った。
「私が……彼らに直接声をかける。お前たちは、早めに夕食をとりなさい。疲れただろう」
セナードが、意味深な視線を向けた。「父上?」と首を傾げて、ルルカを見やる。
ヘーゲモニアは、微笑を浮かべたまま、ローブを翻した。
背中には飛竜の家紋が描かれていた。
***
「また、難儀な場所を選んだものだ」
冷たい夜風が顔をなぶる。厚手の衣服の隙間から冷気が流れ込み、指先がみるみる冷えていく。
闇の中を愛馬が駆ける。暗く不気味な獣の声。夜の鳥の鳴き声。
目的地が見えた。
森の中にある小高い丘。有事の際に利用できる土の城だ。尖塔や櫓、白亜の壁を持つ壮大なものではない。
単に攻めてきた軍を足止めするための凸凹した地形を生かした砦といった方がいいだろう。
馬を降りる。
斜面を削って作った細い入口から山道に入り、段を昇る。
土塁の間を抜けて、左手に折れた。深い堀が、闇を押し出すような錯覚を与える。
しかし、ヘーゲモニアは臆さない。
敵を阻むV字の空堀にかけた渡し板を通り抜けてしばらく。見晴らしの良い主郭に出た。
戦いになれば、百人程度は居座れるだろうか。
ヘーゲモニアは矢を避けるための土塁に足をかけ、鬱蒼とした森を見下ろす。
月明かりの下で、突風が吹いた。金糸で編んだローブが揺れる。
そして、人の気配を感じて振り返った。
「君が、アルシュナの代理人ということかな?」
十を超えたばかりの少年が、小さく頷いた。
***
「若すぎて信じがたい気もするが……君の主に対して、まずは謝らせてくれ」
ヘーゲモニアが頭を下げた。
「アルシュナが弱いと言うつもりはない。学園の理事に長く座る実力を疑う者はいないだろう。名家を背負える器もあると思う。だが、彼に当主の座を譲るという件は、手紙のとおり撤回したい。家の将来を考えすぎた結果、私は大事なことを忘れていた」
大きなため息が漏れる。
「結果として色々な準備をしてくれたアルシュナを裏切り、誇りを汚したことは事実だ。土壇場で手のひらを返すような真似をしたことを恥じた。その上で……私は我がままを言う。息子のセナードを守りたい。あいつにあとを継がせたい」
ヘーゲモニアが、腰に佩いた剣を抜いた。鞘走りの高い音が、夜の空気に溶けた。
一転して、ぴりぴりとした緊張感が渦巻く。
「ここには、期待と疑念という二つの想いを持ってやってきた。この夜更けに、人が寄り付かない場所を選んだ意味は何か。人に言えない私の真意を確認したいのならば……場所の選択は分かるが、本人が来るはず。では、代理を寄越したうえ、周囲に感じる暴力的な獣の気配は何か」
強い視線が、少年を射抜いた。
幅広い剣の刃が、月光を鈍く反射する。
「まさか、と思っていたが、お前たち……我がイース家を、どうするつもりだった?」
少年は言葉を口にしなかった。
代わりに、曲がる。口端が、眉が、瞳が――曲がる。
表情のすべてが、ヘーゲモニアの怒りをあざ笑っていた。
「信じたくはないが、間違いないようだな。計画がとん挫したら、私を消すつもりだったとは。我が家を心の底から案じてくれていたアルシュナは、最初からいなかったということか。私も……セナードも……お前の手のひらで転がされていたと、そういうわけだな」
ヘーゲモニアが剣の切っ先を向けた。
これからもアルシュナと良き友でいたいという願いは、すべて幻想に消えた。
目の前にいるのは、イース家当主の排除を狙う下賤の輩。
知らしめなければならない。名家の一角に座るという意味と責任を。
伝えなければならない。
フェイト=アースロンドが、「学園で事故が起こりすぎている」と憂慮していた原因を。
確証はない。
しかし、少年の表情の奥に、アルシュナが嗤う姿を幻視できる。
放置すれば、取り返しのつかない病巣になる。名家を乗っ取った先にあるのは、間違いなく、この国そのもの。
「我が息子の未来のためにも、見逃すわけにはいかない。アルシュナには、ここで退場してもらうぞ。貴様を倒し、罪をあばいてみせよう」
ヘーゲモニアは、厳しい顔で呪文を開始した。
「はい……父上……」
ヘーゲモニアの厳しい視線をセナードが受け止める。
荒い息、砂だらけのローブ。さあっと砂のように消えていくミノタウロス。
「同じミノタウロスを使って、なぜここまで負けたのか分かるな。お前は、モンスターに頼りすぎているからだ。私のように、自分のモンスターを囮にし、影から攻撃を追加する方法も非常に有効な手段だ。常に考えろ。召喚して突っ立っているだけではイース家の召喚士とは言えないぞ」
セナードが、がくりと膝をつく。駆け寄ろうとしたルルカの足音を聞き、後ろに「大丈夫」と手を伸ばす。
ヘーゲモニアは、高い位置から見下ろして言う。
「だが、ようやくミノタウロスへの命令が素早くなってきた。今日はここまでとする」
「はい……ありがとうございます」
ヘーゲモニアの背後で、夕日が落ちようとしていた。物憂げな顔をした彼は、少し間を置いてぽつりとつぶやいた。
厳しい視線が一転して、優しいものに変わる。
「セナード……少しずつだが、お前も強くなりつつある。もし、この父に何かあったときは、家と家人たちのことは、すべてお前に任せるぞ。ルルカと協力して盛り立てろ。先代たちの名を汚さぬようにな」
「……父上? それは――」
「もしもの話だ。次期当主として、常に心構えはしておけと、そういうことだ」
「はい」
ヘーゲモニアが手を横に振った。歴戦の強者であるミノタウロスが光の軌跡とともに消える。
そして、「ルルカ」と呼んだ。
「あまり、セナードを甘やかさないようにな。多少厳しくしなければ、お前の兄はすぐ怠けるぞ」
「は、はいっ!」
「それと……私は、これから少々用事がある。夕食は不要だから、料理人にそう伝えてくれ」
「分かりました。では、護衛のみなさんに連絡――」
「不要だ」
ヘーゲモニアが素早く断ち切った。
「私が……彼らに直接声をかける。お前たちは、早めに夕食をとりなさい。疲れただろう」
セナードが、意味深な視線を向けた。「父上?」と首を傾げて、ルルカを見やる。
ヘーゲモニアは、微笑を浮かべたまま、ローブを翻した。
背中には飛竜の家紋が描かれていた。
***
「また、難儀な場所を選んだものだ」
冷たい夜風が顔をなぶる。厚手の衣服の隙間から冷気が流れ込み、指先がみるみる冷えていく。
闇の中を愛馬が駆ける。暗く不気味な獣の声。夜の鳥の鳴き声。
目的地が見えた。
森の中にある小高い丘。有事の際に利用できる土の城だ。尖塔や櫓、白亜の壁を持つ壮大なものではない。
単に攻めてきた軍を足止めするための凸凹した地形を生かした砦といった方がいいだろう。
馬を降りる。
斜面を削って作った細い入口から山道に入り、段を昇る。
土塁の間を抜けて、左手に折れた。深い堀が、闇を押し出すような錯覚を与える。
しかし、ヘーゲモニアは臆さない。
敵を阻むV字の空堀にかけた渡し板を通り抜けてしばらく。見晴らしの良い主郭に出た。
戦いになれば、百人程度は居座れるだろうか。
ヘーゲモニアは矢を避けるための土塁に足をかけ、鬱蒼とした森を見下ろす。
月明かりの下で、突風が吹いた。金糸で編んだローブが揺れる。
そして、人の気配を感じて振り返った。
「君が、アルシュナの代理人ということかな?」
十を超えたばかりの少年が、小さく頷いた。
***
「若すぎて信じがたい気もするが……君の主に対して、まずは謝らせてくれ」
ヘーゲモニアが頭を下げた。
「アルシュナが弱いと言うつもりはない。学園の理事に長く座る実力を疑う者はいないだろう。名家を背負える器もあると思う。だが、彼に当主の座を譲るという件は、手紙のとおり撤回したい。家の将来を考えすぎた結果、私は大事なことを忘れていた」
大きなため息が漏れる。
「結果として色々な準備をしてくれたアルシュナを裏切り、誇りを汚したことは事実だ。土壇場で手のひらを返すような真似をしたことを恥じた。その上で……私は我がままを言う。息子のセナードを守りたい。あいつにあとを継がせたい」
ヘーゲモニアが、腰に佩いた剣を抜いた。鞘走りの高い音が、夜の空気に溶けた。
一転して、ぴりぴりとした緊張感が渦巻く。
「ここには、期待と疑念という二つの想いを持ってやってきた。この夜更けに、人が寄り付かない場所を選んだ意味は何か。人に言えない私の真意を確認したいのならば……場所の選択は分かるが、本人が来るはず。では、代理を寄越したうえ、周囲に感じる暴力的な獣の気配は何か」
強い視線が、少年を射抜いた。
幅広い剣の刃が、月光を鈍く反射する。
「まさか、と思っていたが、お前たち……我がイース家を、どうするつもりだった?」
少年は言葉を口にしなかった。
代わりに、曲がる。口端が、眉が、瞳が――曲がる。
表情のすべてが、ヘーゲモニアの怒りをあざ笑っていた。
「信じたくはないが、間違いないようだな。計画がとん挫したら、私を消すつもりだったとは。我が家を心の底から案じてくれていたアルシュナは、最初からいなかったということか。私も……セナードも……お前の手のひらで転がされていたと、そういうわけだな」
ヘーゲモニアが剣の切っ先を向けた。
これからもアルシュナと良き友でいたいという願いは、すべて幻想に消えた。
目の前にいるのは、イース家当主の排除を狙う下賤の輩。
知らしめなければならない。名家の一角に座るという意味と責任を。
伝えなければならない。
フェイト=アースロンドが、「学園で事故が起こりすぎている」と憂慮していた原因を。
確証はない。
しかし、少年の表情の奥に、アルシュナが嗤う姿を幻視できる。
放置すれば、取り返しのつかない病巣になる。名家を乗っ取った先にあるのは、間違いなく、この国そのもの。
「我が息子の未来のためにも、見逃すわけにはいかない。アルシュナには、ここで退場してもらうぞ。貴様を倒し、罪をあばいてみせよう」
ヘーゲモニアは、厳しい顔で呪文を開始した。
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