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第五章 ウォード覚醒編

第68話 愚か者の末路

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 ラミュルの亡骸を吸収した後は、ラミュルの家へと向かい一息つくことにした。

 移動中に暴徒化した住民達が、領主邸へと向かって行くのを目撃した俺は、守るべき領民を守らずに保身に走った愚か者の末路は、悲惨なものになるだろうと確信すると、俺の想いを

「僕はこの暴動を静観するね。前世の故郷ではあるんだけど、ヤンカー市には全く興味がないからさ、存続しようが滅亡しようがどうでもいいんだよね」
「私もウォードと同じかな。前にも言ったと思うけど、この街のことは大嫌いなんだよね」

 ヤンカー市がどうなろうが興味がないと伝えると、アナスタシアは前にも言っていた通り、街が嫌いなのでどうでもいいと同調した。

「ここに縁のある2人がそう言うなら放置で良さそうだね。暴動の結末を見届けてから街を離れる感じ?」

 メルローズがヤンカー市を離れるタイミングを聞いていたので、事の顛末を見届けるつもりはないと伝える。

「ううん、全く興味がないからさ、一晩休んだら出発しようと思っているよ」
「そう、それで次の目的地は決めたの?」
「せっかくだから王都を目指そうかと思うんだよね。地方と中央の違いを見てみたいかな」
「王都、一度は訪れたい所だね」
「じゃあ、王都を目指すってことでいいかな?」
「「OK!」」

 俺達の次の目的地は王都に決まったのだった。

§シュナイゼル視点§
 数日は続くと思われたスタンピードだったが、想定外の早さで終息を迎えた。門を破られ市街に魔物の群が侵入した為に、死傷者が多数出て領主邸の前に助けを求める住民が押し寄せた。本来なら教会を通して治癒を施して、布施の名目で金をかき集めるのだが、ここで治癒をしても銅貨1枚も手に入らない。なので、強硬策で押し寄せた住民達を解散させようとしたのだが、これが裏目に出て暴徒化してしまった。

 街を破壊する魔物と違って、私を狙って来るのでたちが悪い。時間が経過するとさらに暴徒化した住民が増えて、遂に門が破られてしまった。

「門を破ったぞ!一気にシュナイゼルの首を取るぞ!突撃だ!」
「「おぉー!」」

 住民達が領主邸を包囲した為に、非常用の避難路を使用することができなかった。逃げ場を失った私は遂に暴徒化した住民に捕まり、断頭台へと連れて行かれ公開処刑されることになったのだった……

(私はどこで道を誤ったのだろう……)


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