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第五章 ウォード覚醒編

第46話 末恐ろしい……

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 俺の知らぬ間に、魔睾丸の秘薬は大事に保管することになった。このことに関しては、聞き逃していなくても保管することになったはずなので、素直に『はい』と返事をした。

 そんなイベントの後もマッピングを再開すると、この階層の魔物はゴブリンとオークしか現れないことが判った。そして、俺の〚幸運〛がどういう意味で働いてるのか判らない事象が起こっている……。

「あっ、また魔睾丸がドロップしたよ!」
「牙や肉塊のドロップより魔睾丸が多いなんて、本当に〚幸運〛って凄いんだね」
「ははっ……、僕も驚いてるよ」

ハリエットが嬉しそうに魔睾丸を回収していると、アナスタシアが笑顔で近寄ってきて、俺のドロップ運が凄いと褒め称える。

 確かにレアアイテムのドロップ率は良かったけど、普通の人が1%程度のドロップ率が、俺は10%といった程度だったのに、この魔睾丸に関して言えば50%の確率なんだから驚きだ。

「結構な数の魔睾丸が手に入ったけど、流石に多過ぎないかな? ハンター協会に納めても良いような気がするんだど?」
「ダメダメ!これは私達が使うんだもん。だ・か・ら、早く私を女にし・て・ね!」
「う、うん……」

 言葉の最後の方は、周りに聞こえないように俺の耳元で囁くので、思わず『ドキッ』としてしまう。この辺りの接し方は本当にパミュルを彷彿させる。間違いなく隔世遺伝だ。

(末恐ろしいな……)

 なんて思ってると、パミュルが楽しそうに話しかけてきたので、相手をしながら魔法鞄マジックバッグに魔睾丸を収める。

『あの娘には手を焼きそうね』
『そうだね。でも、パミュルで経験してるからなんとかなるよ?』
『あら、手を焼いていたの?』
『ははっ、自覚あるくせに』
『四者四様で楽しくなりそうね』
『そうだね』

 ドロップを回収してマッピングを再開しても、女性陣の要望で俺がトドメを刺していくけど、本当に魔睾丸のドロップ率は凄まじい。俺の深層心理が求めているから、〚幸運〛が働いているのかと思った。不要な物ならドロップしないはずだから、意味がある物だと諦めて、大量の魔睾丸を回収したのだった。

 無事に3階層のマッピングを終える頃には、魔睾丸の数は30を超えていた。ハリエットを含む女性陣もその数に満足したようで、俺達は4階層へと足を踏み入れた。時間的にも良いタイミングだったので、野営の準備をして翌日に備えることにしたのだった。
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