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第五章 ウォード覚醒編
第34話 モンスタールーム
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窪みの中の突起物を押してみる。
『ガチャ、ガギギギィ』
壁の中央部に、下から1m程の壁が上昇していくと、メルローズが直ぐに移動して武器を構えて、魔物の襲撃に備えた。俺も窪みからすぐに手を離して、不測の事態に備える。
『ギギギィー、ガチャ!』
上昇が止まっても、すぐに中へは入らずに少し様子を伺う。
『シーン』
「魔物は居ないかな? 僕が先に入って安全を確認するよ。合図をしたら入ってきてね」
「「OK!」」
俺は絆の太刀をいつでも抜ける状態で、隠し部屋と思われる場所に足を踏み入れると、20m四方の空間になっていて、特に変わった所はなかったので合図を送ろうとした瞬間。
『ガシャン!』
壁が閉じて俺は閉じ込められてしまった。内側から解除する仕掛けがないか探そうとすると、『ゾクッ』背筋に悪寒が走った……
俺はすぐに部屋の中へと視線を向けると、緑の光とともにゴブリンが現れた。
(この部屋はモンスタールームだったのか……)
俺の考えが正しければ、かなり悪い状況なのかも知れない。モンスタールームは現れる魔物を、全てを倒しきらないと出ることができない。つまり、俺がたった1人で倒し切るということだ。
(やるしかない、こんな所で終われない!)
俺は覚悟を決めて、現れたゴブリンを一太刀で切り捨てると、すぐに次のゴブリンが現れた。
「どれだけ倒せば良いのかな? 〚風弾〛!」
魔法を撃って倒すと次は2体のゴブリンが現れたのだった。そこからは、ひたすらゴブリンを倒し続けるのかと思っていたら、ハイゴブリンが現れた。現れるゴブリンだけだとしても、クリアの条件が皇帝ゴブリンだとしたら、今の俺に対処できるのか不安になると、パミュルが声をかけてきた。
『セレーナと2人で戦うのよ。このままじゃ体力が持たないわ。1人より2人でしょ?』
『うん、そうだね。来いセレーナ〚召喚〛!』
「パミュル様から状況を聞いてます。この力でウォード様をお守りします」
「ありがとう。支持するから頼むね」
そこからは永遠に続くのかと思える程のゴブリンを倒し続けることになるのだった。
§ハリエット視点§
ウォードが隠し部屋に入って安全確認をしてると、上がっていた壁が落ちてウォードが閉じ込められてしまった。
「ウォード!」
私は壁を叩きながら声をかけたけど、中から返事は聞こえない。
周りを見ると、サーシャ達は不安な表情になり今にも泣き出しそう……。
(もう、パミュルは居ないんだ。こんな時は私がしっかりしないと)
「ウォードにはパミュルとセレーナが居るから大丈夫だよ!私達はウォードが戻るまでここで待機するの。魔物が来たら全て倒す必要があるからしっかりしなさい!」
私が檄を飛ばすと、3人は我に返って私に顔を向けて頷いてから力強く返事をした。
「「はい!」」
(私達は大丈夫。だからウォード、無事に私達の元へ戻って来てね……)
『ガチャ、ガギギギィ』
壁の中央部に、下から1m程の壁が上昇していくと、メルローズが直ぐに移動して武器を構えて、魔物の襲撃に備えた。俺も窪みからすぐに手を離して、不測の事態に備える。
『ギギギィー、ガチャ!』
上昇が止まっても、すぐに中へは入らずに少し様子を伺う。
『シーン』
「魔物は居ないかな? 僕が先に入って安全を確認するよ。合図をしたら入ってきてね」
「「OK!」」
俺は絆の太刀をいつでも抜ける状態で、隠し部屋と思われる場所に足を踏み入れると、20m四方の空間になっていて、特に変わった所はなかったので合図を送ろうとした瞬間。
『ガシャン!』
壁が閉じて俺は閉じ込められてしまった。内側から解除する仕掛けがないか探そうとすると、『ゾクッ』背筋に悪寒が走った……
俺はすぐに部屋の中へと視線を向けると、緑の光とともにゴブリンが現れた。
(この部屋はモンスタールームだったのか……)
俺の考えが正しければ、かなり悪い状況なのかも知れない。モンスタールームは現れる魔物を、全てを倒しきらないと出ることができない。つまり、俺がたった1人で倒し切るということだ。
(やるしかない、こんな所で終われない!)
俺は覚悟を決めて、現れたゴブリンを一太刀で切り捨てると、すぐに次のゴブリンが現れた。
「どれだけ倒せば良いのかな? 〚風弾〛!」
魔法を撃って倒すと次は2体のゴブリンが現れたのだった。そこからは、ひたすらゴブリンを倒し続けるのかと思っていたら、ハイゴブリンが現れた。現れるゴブリンだけだとしても、クリアの条件が皇帝ゴブリンだとしたら、今の俺に対処できるのか不安になると、パミュルが声をかけてきた。
『セレーナと2人で戦うのよ。このままじゃ体力が持たないわ。1人より2人でしょ?』
『うん、そうだね。来いセレーナ〚召喚〛!』
「パミュル様から状況を聞いてます。この力でウォード様をお守りします」
「ありがとう。支持するから頼むね」
そこからは永遠に続くのかと思える程のゴブリンを倒し続けることになるのだった。
§ハリエット視点§
ウォードが隠し部屋に入って安全確認をしてると、上がっていた壁が落ちてウォードが閉じ込められてしまった。
「ウォード!」
私は壁を叩きながら声をかけたけど、中から返事は聞こえない。
周りを見ると、サーシャ達は不安な表情になり今にも泣き出しそう……。
(もう、パミュルは居ないんだ。こんな時は私がしっかりしないと)
「ウォードにはパミュルとセレーナが居るから大丈夫だよ!私達はウォードが戻るまでここで待機するの。魔物が来たら全て倒す必要があるからしっかりしなさい!」
私が檄を飛ばすと、3人は我に返って私に顔を向けて頷いてから力強く返事をした。
「「はい!」」
(私達は大丈夫。だからウォード、無事に私達の元へ戻って来てね……)
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