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第五章 ウォード覚醒編

第31話 愛の結晶?

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 魔法を使ってゴブリンを圧倒した。次はセレーナを召喚して幻影猫ファントムキャットの力を確認しようと思ったので、魔石の回収をしながらそのことを伝えた。

「次の戦闘では、セレーナを召喚してみるから、サーシャはゴブリンを拘束してみてね」
「OK、任せてね!でも、セレーナって赤ちゃんじゃなかったの?」

 生まれてから1度も召喚はしてなかったけど、六芒星の印を通して繋がりを感じている。今も魔物の卵モンスターエッグ時代と同じように、俺の愛情を養分に成長を続けてるのが判っていた。さらにパミュルと一つになってからは、パミュルの俺に対する溢れんばかりの愛情も、セレーナの養分になっているようなので、この目で確認していないけどかなり成長してるはずだ。

「まぁ、今のセレーナについては召喚した時を楽しみにしていてね」
「うん、凶暴になってませんように……」
 
 魔石の回収を終えてからは、再びダンジョンを進み始める。途中から初めて通る場所に差し掛かったので、マッピングを始めたことで移動速度が少し落ちてしまったけど、セレーナな出番に時間が掛かることはなかった。

「ゴブリン3体が居るみたいだね。作戦はさっき説明した通りでいくからね」
「「OK!」」

 不意をつくつもりはないので、マッピングと同じ速度で移動を続ける。サーシャの魔法有効距離になってもゴブリンに気づかれなかったので、結果的に不意をつくことになった。

「いくよ!〚拘束バインド〛!」

 サーシャが植物魔法を唱えると、ゴブリン達の足下にあった苔の根が絡み付いて動きを止める。俺は拘束されたことを確認してから、セレーナを召喚した。

「セレーナ頼むよ〚召喚サモン〛!」
「ウォード様、お任せください!」

 現れたのは美しい毛並みをした獣人のような生命体で、それがセレーナだとは想像することができなかった。しかも言葉を喋ったのだから驚くしかなかった。

「君がセレーナ?」
「はい、ウォード様とパミュル様の影響を受けてこの姿になりました。簡単に言えば、私は2人の愛の結晶です」
「「!?」」

 セレーナの言葉に、女性陣は驚きのあまり絶句してしまった。

「う、うん、とりあえずゴブリンを倒してくれるかな?」
「かしこまりました」

 俺が指示を出すと、セレーナはゴブリンに向かって駆け出す。走る姿は4足で素早い動きで一気に近づくと、前足の爪が伸びて鋭い刃となり、首を刈り取りうする。

「刎ねろ!」
『シュシュン!』
『ボトッ、ボトボトッ』

 セレーナの鋭い爪が『あっ』という間にゴブリン3体の首を刈り取ったのだった。ゴブリン程度の相手では、セレーナの力を見極めることは不可能だった。

(流石は災厄級だね……)
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