俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ（笑）

第五章 ウォード覚醒編

第26話 俺なりのケジメ

　本当にこんな日があるものなのかと思っていると、パミュルが話しかけてきた。

『アナが積極的なアプローチをしたものだから、サーシャやメルも、アナに遅れを取らないように頑張ったみたいね』
『僕はどうすれば良いの？』

　3人の女性から思わぬプロポーズをされ、対応に困ってしまいパミュルにアドバイスを求める。

『アナに返事をした通りで良いじゃない。3人のことは仲間であるけど、それ以上に女として意識することで、好きになったら妻として迎えば良いのよ』
『僕みたいな平民が4人も妻を娶るなんて、無節操な奴だと思われるんじゃない？』
『他人からどう思われるなんて関係ないでしょ？ウォードが4人とどうなりたいかが大事なの。前までは、私とハリエットを妻にするつもりだったんでしょ？』
『うん』
『それに、世界中を旅するのだから、良い場所が見つけたら永住すれば良いじゃない』

　パミュルと話をしてるうちに、俺の中の迷いが解消されていき、3人としっかり向き合おうと心に決めた。

「うん、僕から見れば3人はとても素敵な女性だと思うから、男としては嬉しい限りだよ。成人した時に互いに好意を抱いていたら、僕の妻になってくれるかな？」
「「はい！」」

　俺なりのケジメをつける為に、3人同時になってしまったけどプロポーズをすると、嬉しそうな表情をしながら『はい』と返事してくれた。

「今のところ妻が確定してるのは私だけだからね。しっかりと女を磨かないとね？」
「「！？」」
「なんてね？　普段通りにしていれば、きっとそういう関係になるからね」
「「はい」」

　ハリエットのジョークに笑いに包まれながら、その日の話し合いは終わったのだった。

§女子トーク§

　話し合いが終わって、ウォードがお風呂へ入ったタイミングで女子トークが始まった。

※《ハ》ハリエット、《サ》サーシャ、《メ》メルローズ、《ア》アナスタシアです。

「《ハ》付与魔法の話し合いからプロポーズまで飛躍するとは思わなかったよ」
「《メ》アナが積極的にアプローチしてるなんて思わなかった」
「《ア》私は一番付き合いが短いので、積極的に行動しないと入り込めないから……」
「《サ》そのおかげで、ウォードへ思いを伝えることができて、一気に関係が進展することになったから感謝してるよ」
「《メ》本当だよ！想い人と結ばれるなんて、前までは想像もできなかったもん」
「《ハ》みんながウォード幸せになれるように、力を合わせて頑張っていこうね！」
「「は～い」」

　輝煌星きこうせいの女性陣が固い絆で結ばれた瞬間と同時に、ウォードに悪い虫が付かないように鉄壁の防御を展開するのだった。