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第五章 ウォード覚醒編

第20話 緑門③

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 引き続き1階層目のマッピングをする。途中で下の階層へ繋がる通路を見つけたけど、マッピングを終わらせるまで下へは進まない。積極的にダンジョンアタックをするのは、俺が戦闘に復帰できるようになってからだ。その頃にはアナスタシアも少しずつパーティー活動に慣れているはずだからね。

 今日はダンジョンの様子見だったので、少し早いと思ったけど切り上げることにした。

「よし、この辺りで引き返そう。緑門は思ったよりも大きなダンジョンみたいだから、1階層だけでも何日かかかりそうだね。戻りはアナの強化魔法を積極的に使っていくからね」
「うん、任せて!」

 ここまではゴブリンのみとの戦闘だったので、アナスタシアの出番はなかった為に、強化魔法を使うと聞いて元気よく返事をした。続いてハリエットから明日以降の活動のことで、俺に確認をしてきた。

「野営をするのは、ウォードが戦闘に復帰するまではしないよね?するつもりなら私は反対だよ」
「私も反対かな?ウォードの体調を考えると、ラミュルさんからのお墨付きが出るまでは、ゆっくりと休息を取れる場所で休んで欲しいよ」
「大丈夫。僕もそのつもりだからね」
「「良かった」」

 ハリエットの後にメルローズも同じことを言ってきた。俺も野営をするのは、戦闘復帰と同じタイミングで考えていたので、そのことを伝えると安心したようだ。

 そして、帰りはアナスタシアに強化魔法を使う時に、少し具体的なイメージを持つように注文をした。

「アナは強化をする時に、強弱をイメージしてくれるかな?調整が可能なのか調べたいんだよ。サーシャは強化を受けた時に、効果の違いを感じたのか教えてね」
「「OK!」」

 緑門から出るまでに、アナスタシアの強化魔法を検証してみると、強弱の調整ができることが判った。ただ、術者の熟練度とイメージの確立が曖昧なので、もっと経験を積む必要があるという結果だった。今は強弱の感覚を覚えることに専念してもらう。次の段階では強弱で消費する魔力に違いはあるのかを検証する予定だ。強化魔法では検証したい項目が多くて、俺の研究心を刺激して楽しみで仕方ない。

『ふふっ、マッピングもそうだけど、ウォードは調べることが好きなのね』

 パミュルも嬉しそうに話しかけてきた。異心同体なので俺の考えに反応するから、隠し事は一切できそうもないね。

『ハンター活動もそうだけど、知りたいという好奇心もあるからね』
『そうだ、セレーナを召喚して戦闘に参加させてあげてね。あの子の戦闘力はなかなかなのよ?』
『そうだね。僕の戦闘復帰から使ってみるよ』

 パミュルにセレーナのことを言われて、まだまだ検証することがあることにテンションが上がったのだった。
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