俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ（笑）

第三章 未知なる世界へ

第125話 卒業課題

　鬼の棲家から戻って2日ほどゆっくりと過ごして、ハンター協会出張所の様子を見に行くが混雑は収まってない。今日の精算は諦めて、俺はアストン師匠の工房へ行く事にした。

「まだ、精算できそうな状況じゃないね。僕は師匠の工房へ行くけど2人はどうする？」
「難しい話は判らないから、買い物でも行ってこようかな？」
「良いわね。私も一緒に行こうかしら」

　ハリエットが街で買い物へ行くと言うと、パミュルも興味を持ったみたいで、一緒に行く事にしたようなので、俺はパーティーカードを渡しておく事にした。

「これを渡しておくね。金貨50枚分は入ってるから好きな物を買うと良いよ」
「あら、無駄遣いしちゃうかも知れないわよ？」

　パミュルが悪戯な笑みを浮かべながらカードを受け取った後に、軽く舌を出してウインクをして冗談だとアピールする。

「そのカードに入ってる分は、好きに使っていい分だから自由に使っていいよ。少し良い服でも買って目の保養をさせてね」
「判ったわ。目を釘付けにさせるわね」
「私も惚れ直させるんだからね！」
「楽しみにしてるよ。じゃあ僕は行くね」

　2人と別れて、職人街にある師匠の工房へと向かった。

「師匠、こんにちは」
「おっ、ダンジョンから戻ったのか。やはり出ると入れないのか？」
「そうですね。師匠なら他言しないでしょうから、僕の考えを伝えますね」

　その後は、俺は別ルートで迷路メイズエリアを通って、精神の間での出来事と、試練の間で魔人を倒して絆の太刀を手にした事で、鬼の棲家は役目を終えたから、消滅するという持論を伝えた。

「お、おい……サラッと言ったが、とんでもない事をしてきたんだな！」

　流石の師匠もこの話しには驚いたようだ。そして、ダンジョンが消滅すると聞いたので、俺にある確認をしてきた。

「ダンジョンが無くなったら、デルポトを出て次の街を目指すのか？」
「一通り教えてもらうまでは残りますよ」
「はっきり言うぞ、お前に教える事はもうないよ。ただ、魔石を使わずに、本人の魔力を流して発光させる魔導具を完成させたら卒業だ」

　師匠からは、教える事はもうないと言われ、俺が考案した魔導具の完成で卒業だと伝えられた。もっと時間が掛かると思ったけど、魔導具の完成させれば先へ進めると思い、モチベーションが一気に上がった。

「そうなると、生活の為にも魔導具の完成を急がないと駄目ですね。明日からは通い詰めますのでよろしくお願いします」
「お前ならそう言うと思ったよ！早く完成させて世界中を回って来い！」
「はい！」

　新たな目標が出来て、師匠と魔導具の開発に集中する事となったのだった。