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第三章 未知なる世界へ

第122話 鬼の試練 終結

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 俺は大鬼オーガの大太刀を受けて倒れたフリをするつもりだったけど、圧倒的な力の差に地面に叩きつけられた。その衝撃は凄まじく思わず声を上げた。

「ぐはっ……くそっ!」
「よく頑張った。これで終わりだ!」

 大鬼オーガが大太刀を振り下ろそうとする。俺はこの瞬間を待っていた。

『ザシュッ!』
「ガッ、なに!」
『ドシュッ!』
「ガハッ……」

 パミュルが放った風の刃が、大鬼オーガの右足に直撃して膝から下を切断。続いてハリエットの特製の矢が鳩尾に当たって貫通した。

「ウォード!」

 ハリエットが涙声で俺の名前を叫ぶ。目の前に片膝をなくして、腹部に風穴を開けられた大鬼オーガが、大太刀を杖代わりになんとか立ってる状況に、俺は流体金属を篭手から短刀に変えて、大鬼オーガの首を刎ねるべく思い切り短刀を振り抜いた。

『シュパッ!』

 短刀を振り抜くと大鬼オーガの首が宙に舞ってから落ちた、直ぐに絶命したのかと思ったけど、まだ意識はあるようで俺に語り掛けた。

「お前のような軟弱な者に殺られるとは……」
「1人なら勝てなかったさ、信じんる仲間が居るから勝てたんだよ」
「そうか……信じる力か……」

 その言葉を残して大鬼オーガは消滅して魔石と大太刀が残った。上級ハンターでも倒す事が困難と言われる強敵大鬼オーガとの戦いが遂に終結した。

「ふぅ~……お疲れ様っ!」

 俺が2人に向かって言葉を掛けようとすると、俺の元へ駆け寄ってきて抱き着いてきた。

「凄く心配してたんだよ……」

 ハリエットは涙を滲ませながら、左頬に顔をつけながらそう言うと、右頬側のパミュルは泣きながら思いを伝えてくれた。

「あんな姿を見ると生きた心地がしなかった……本当に無事で良かったわ」
「心配をかけたね。大鬼オーガの力を甘く見てたよ。流石に叩きつけられた時は焦ったけど、2人を信じてたからね」

 今回の戦いは作戦なんてものはなくて、パーティーメンバーを信じて戦っただけだ。それでも3人の信じ合う絆が最高の結果になった。

(本当に最高のパーティーだ)

 暫く3人で抱き合って落ち着いた後に、消滅した魔物達のドロップを回収を始める。俺は大太刀を手に持ってみたけど、流石にこのサイズでは使えなさそうだったので、パミュルに吸収するか聞いてみた。

「この大太刀はパミュルが吸収する?」
「それは鑑定をした方が良いんじゃない?今は使えないかも知れないけど、ウォードの背が伸びたら使えると思うわよ」
「そうだね。アパートに戻ったら鑑定するよ」

 その後も、試練の間に散らばってるゴブリン達のドロップを回収していくけど、次のエリアへと繋がる扉は見つからない。3人で隈なく探したけど何も見つからないので、迷路メイズエリアから先は存在しないと判断したので、俺達は鬼の棲家を後にしてアパートへ戻る事にした。
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