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第三章 未知なる世界へ
第85話 師弟関係
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俺はアストンへ魔法鞄と魔法地図を見せながら説明した。
「本人の魔力にしか反応しないのか、本来は使用者の血液を使って制限を掛けるんだが、どういう術式になっているんだ?」
「この術式を加えないと発動しなかったんです」
「理論は間違ってないが、前半の術式が俺達の使う物とは違うな。お前の師匠は誰なんだ?」
師匠は誰だと聞かれたけど、俺は錬金術入門の本を読んで、自分の想像で理論を構築していた為に、一般の錬金術師が使う物とは違っていた。
「僕には師匠は居ません。この本で錬金術を勉強して自分の理論を構築したんです」
『ガタッ!』
「この2つのアイテムを、その本を読んだだけで作り上げただと!」
アストンは凄い勢いで立ち上がって、大きな声を出して俺に詰め寄った。俺的にはハンターとして必要なアイテムを作っただけなので、何に驚いてるのかが判らなかったので、素直に返事をするしかなかった。
「はい、何となく理論が判ったので、少しずつ術式を構築して作る事が出来ました」
「なっ……お前はとんでもない天才だな。俺がこのクラスのアイテムを作るのに、軽く10年以は掛かったのに本を読んだだけとは……」
「結局は劣化版しか出来てませんからね」
「はぁ~……これは劣化版じゃないぞ?血液を使わずに使用者を限定出来るなんて、世界で初めての術式だから名を残す大偉業なんだよ」
たまたま上手く発動しなかったから、アイテムに使用者の制限を掛けたら、その事が凄い事だったらしい。錬金術の基礎を知らない俺だからその発想に至ったのかも知れない。
ただ、俺が術式を見つけたとしても誰も信じないだろうし、世間に広まらないと思ったので、アイテム錬金術の第一人者であるアストンの名で広めてもらおうと提案をした。
「もし、俺の術式が大発見なのなら、アストンさんの名前で世間に公表してください。俺の名前で公表しても信憑性に欠けるし、世界へ広まるのに時間が掛かると思うんです」
「なっ、後世に名を残す大偉業なんだぞ?」
「僕にとっては名を残す事よりも、この術式が早く広まって、便利なアイテムが出回る方が大切なんです。だからアストンさんの名前で公表してください」
俺の言葉を聞いたアストンは、目を閉じてから暫く深く考えてから俺の提案を受け入れた。
その代わりにアストンから、提案を受け入れる条件を伝えられた。
「判った。俺の名前で公表はする。だが公表して得られた対価は全てお前が受け取る事と、俺の下で錬金術の基礎を学んでもらうからな?この2つを受けないなら公表は断る!」
アストンから言われた内容は、俺の当初の目的が錬金術を学ぶ事だったので、メリットしかなかったので当然受け入れた。
「僕にとっては最高の条件です。アストン師匠よろしくお願いします」
「俺もお前から学ばしてもらうぞ!ウォードよろしく頼む」
気難しいと言われてる長鼻族の師匠との出会いが、無能と言われる俺の意外な才能を開花させる事になるのだった。
「本人の魔力にしか反応しないのか、本来は使用者の血液を使って制限を掛けるんだが、どういう術式になっているんだ?」
「この術式を加えないと発動しなかったんです」
「理論は間違ってないが、前半の術式が俺達の使う物とは違うな。お前の師匠は誰なんだ?」
師匠は誰だと聞かれたけど、俺は錬金術入門の本を読んで、自分の想像で理論を構築していた為に、一般の錬金術師が使う物とは違っていた。
「僕には師匠は居ません。この本で錬金術を勉強して自分の理論を構築したんです」
『ガタッ!』
「この2つのアイテムを、その本を読んだだけで作り上げただと!」
アストンは凄い勢いで立ち上がって、大きな声を出して俺に詰め寄った。俺的にはハンターとして必要なアイテムを作っただけなので、何に驚いてるのかが判らなかったので、素直に返事をするしかなかった。
「はい、何となく理論が判ったので、少しずつ術式を構築して作る事が出来ました」
「なっ……お前はとんでもない天才だな。俺がこのクラスのアイテムを作るのに、軽く10年以は掛かったのに本を読んだだけとは……」
「結局は劣化版しか出来てませんからね」
「はぁ~……これは劣化版じゃないぞ?血液を使わずに使用者を限定出来るなんて、世界で初めての術式だから名を残す大偉業なんだよ」
たまたま上手く発動しなかったから、アイテムに使用者の制限を掛けたら、その事が凄い事だったらしい。錬金術の基礎を知らない俺だからその発想に至ったのかも知れない。
ただ、俺が術式を見つけたとしても誰も信じないだろうし、世間に広まらないと思ったので、アイテム錬金術の第一人者であるアストンの名で広めてもらおうと提案をした。
「もし、俺の術式が大発見なのなら、アストンさんの名前で世間に公表してください。俺の名前で公表しても信憑性に欠けるし、世界へ広まるのに時間が掛かると思うんです」
「なっ、後世に名を残す大偉業なんだぞ?」
「僕にとっては名を残す事よりも、この術式が早く広まって、便利なアイテムが出回る方が大切なんです。だからアストンさんの名前で公表してください」
俺の言葉を聞いたアストンは、目を閉じてから暫く深く考えてから俺の提案を受け入れた。
その代わりにアストンから、提案を受け入れる条件を伝えられた。
「判った。俺の名前で公表はする。だが公表して得られた対価は全てお前が受け取る事と、俺の下で錬金術の基礎を学んでもらうからな?この2つを受けないなら公表は断る!」
アストンから言われた内容は、俺の当初の目的が錬金術を学ぶ事だったので、メリットしかなかったので当然受け入れた。
「僕にとっては最高の条件です。アストン師匠よろしくお願いします」
「俺もお前から学ばしてもらうぞ!ウォードよろしく頼む」
気難しいと言われてる長鼻族の師匠との出会いが、無能と言われる俺の意外な才能を開花させる事になるのだった。
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