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第三章 未知なる世界へ

第30話 素早く的確に

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 俺達は5階層のマッピングを終えて、6階層へと足を踏み入れた。この階層は石造りの迷路になっていて比較的進みやすかった。後はスライムの特性が変わる事に注意しながら、ダンジョンを進んで行く。

「この階層はマッピングが捗りそうだね」
「そうですね。視界もクリアで良いですね」
 
 そんな話をしてると、天井から赤い液体が落ちてくるのが見えたので、止まって様子を見てると落ちた液体がスライムの形状になった。

 事前に打ち合わせた通りに攻撃を仕掛けて行こうと思ったけど、目の前のレッドスライムをよく見てみると、核が2つある事が判った。

「あのスライムには核が2つある。少しズレた位置にあるから同時に壊さなくても良いと思うので、予定通りに攻撃を仕掛けますね」
「うん、気をつけてね」

 俺は剣を構えてから、レッドスライムへ詰め寄ってから剣を振ろうとすると、母さんもタイミングを合わせて〚風魔法〛で剣速をあげてくれた。

『ザシュ』

 1つ目の核を壊す事が出来たので、武器による切断が有効だと判った。連続で攻撃を仕掛けようと思ったけど、レッドスライムが口から液体を吐いた。瞬時に回避をして液体が壁に当たると『ジュワッ』と溶けた。俺は強酸系の液体だと理解したので、ハリエットさんへ注意をする。

「あれは強酸系の液体です。身体に当たると酸で火傷をするので要注意です」
「OK!気をつけるね」

 酸による攻撃があると判ったので、迂闊に近付けずにスライムの動きを注視してると、残っていたもう1つの核が分裂して2つの核に戻った。
 素早く2つの核を壊さないと、レッドスライムを倒す事が出来ないようだ。
 連続で攻撃をするにも次の攻撃を仕掛けるまでに、酸を吐かれるとダメージを受けるので、1人での連続攻撃は厳しそうなので、ハリエットさんとのコンビネーションが必要になりそうだ。

「素早く的確に核を壊す必要がありますね。僕が合わせるので、ハリエットさんの切断系魔法で攻撃してみてください!」
「判った。切断魔法がダメな時は?母さんに打撃系魔法を撃ってもらいます!」

 ハリエットさんが攻撃されないように、レッドスライムの注意を俺に向けた。攻撃は早くないので躱す事は問題ないので魔法発動を待つ。

「お待たせ!〚石刃ストーンブレード〛!」
『バシュッ』

 ハリエットさんの放った石刃がレッドスライムの核に当たると、核が壊れたのを確認出来た。一瞬、レッドスライムの動きが止まったので、俺はその隙を見逃さずに剣でもう1つの核を切断した。

『ザシュッ』「ピュィ……」

 2つの核を壊すと2つの核をドロップして、レッドスライムは消滅した。倒した後は2つの核を回収してから、ハリエットさんとハイタッチをする。

『パチンッ!』
「やったね♪」
「やりましたね♪」
「2人とも良いコンビネーションだったわ♪」
「「ありがとう」」
「倒し方は判ったけど、次は打撃系が通じるか確認しましょう。データ正確に取りたいですからね!」
「OK!」

 その後、現れたレッドスライムで打撃系を攻撃したら、武器も魔法も攻撃は通じたので、レッドスライムは素早く2つの核を壊すだけで倒せると判った。
 
 まだ6階層までしか検証してないけど、1つこのダンジョンの事で判った事がある。
 それは、ハンターとしての現在地を確認する為のダンジョンだという事だ。
 魔物を観察して弱点を見つけれるか、バランスの良いパーティー編成を組めてるか、パーティーメンバー間での連携が取れているか等を、このダンジョンで確認するんだと思った。
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