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第三章 未知なる世界へ

第23話 考えの相違

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 昼食を終えてダンジョン攻略再開する。
 ミリムに否定されても俺はマッピングを続けて行くと、ミリムは『はぁ~』とため息を付くが俺は気にしない。自分のスタイルを貫く事が俺のスタイル何だとミリムに覚えて欲しいからね。

 4階層のマッピングを終わらせると、そのまま5階層へと降りて再びマッピングをし始める。
 ミリムは何か言い出そうだったけど我慢してるみたいだった。ハリエットさんはそんなミリムに少し『イラッ』としてるみたいだけど、俺が何も言わないので黙っていてくれた。

「あっ、オレンジのスライムが居るよ!」

 ミリムがスライムを見つけると、俺の指示を待たずにスライムへ向かって行った。

「ミリム!指示はまだだよ!」
「大丈夫!私は強いんだからねっ♪」

 指示を待たずに棒でスライムへ突きを入れると、突き刺さらずに反動で棒は弾かれてしまう。ミリムは体勢を立て直してから魔法を唱えた。

「打撃がダメならこれだよ〚水弾ウォーターバレット〛!」
「違うっ!打撃が効かない相手にそれじゃダメだ!」

 ミリムの放った水弾がオレンジスライムに当たるが、俺の予想通りに弾かれた水弾がミリムを襲う。

「えっ……どうして……」
「危ないっ!」

 俺はミリムに体当たりをして、ミリムへの直撃は避けれたけど、水弾は俺の背中を掠めてから壁へ当たって消えた。

「ぐあっ……ミリム、怪我はない?」
「ウォード、どうしてよ……あなたは弱いんだから、余計な事はしなくても躱せたのよ!」
「うっ……そうかも知れないけど、ミリムに危険が迫って放ってなんかいられないよ。明日までは僕の大事な仲間なんだからね。ハリエットさん、切断系の魔法で攻撃をしてください」
「OK!〚石刃ストーンブレード〛!」

 ハリエットさんが放った魔法がオレンジスライムを切断すると、魔石を残して消滅した。背中に傷を負った俺に、ハリエットさんが近寄って傷の具合を確認する。掠っただけなのでたいした怪我ではないと判ると、ひと息付いてからその場に座り込んだ。

「うん、掠り傷だから塗り薬で大丈夫かな?」

 そう言ってからハリエットは、傷口を水で流してから薬を塗ってくれた。

「ありがとうございます。少し開けた場所を見つけたら野営の準備をしましょう」
「そうね、それよりミリムちゃん、ウォードへ言う事はないの?」

 ミリムは黙ったままで何も言わなかった。

「ハリエットさん、ミリムは躱せると思ってたから仕方ないよ。だけど、次からは僕の指示に従って欲しいかな」
「少し、間違っただけだもん。あの後に切断の魔法を撃つ予定だったもん……」

 下を向きながらミリムが言い訳をすると、母さんが声を荒げた。

「その少しの間違いで、ウォードが怪我をした事が判ってないの?このダンジョンだから良かったけど、本当なら命に関わったかも知れないのよ」
「そんな危険な場所にはウォードは入れないもん!だからそんな事は起こらないもん!」
「あぁ、そうだね。でも覚えていて欲しいだ。レイバンさん達と討伐で今のミスをすれば、ミリムが死ぬかも知れないって事をね。僕は大好きな人には死んで欲しくないから……安易な攻撃だけは避けてね」
「レイバンさんは強いからちゃんとフォローしてくれるもん!」
「判ったよ。この話は終わりにして野営できる場所を探そう」

 ミリムは物の考え方まで変わったみたいで、話は纏まらないと思ったので終わらせて、適当に開けた場所を見つけてから野営の準備をした。
 その後もミリムは食事も少し離れて1人で食べて、話し掛けても素っ気なく返事するだけだった。短い期間だったけど、苦楽を共にしてた仲間との最後の夜だと思うと寂しく思った。

 そして翌日は、5階層を少しだけマッピングをして1泊2日のダンジョン攻略を終えた。
 ダンジョンを出た後は、ミリムをパーティーから外す手続きをする為に、ハンター協会へ向かった。協会の前に着くとレイバンさんが待っていて、俺達に声を掛けてきた。

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