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第三章 未知なる世界へ

第22話 ミリムの心変わり

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 休養を終えてダンジョン攻略再開する。

「今日はダンジョン泊をするからね。4階層までに進んでマッピングをしたら5階層へ行くね」
「「は~い」」

 4階層までの道は頭に入ってるので、目の前に現れるスライム以外は無視して進むと、昼前には4階層に到着したので軽い昼食をとる。魔法鞄マジックバッグからサンドイッチを取り出して3人で食べながら話をする。

「お疲れ様。少しペースが早かったけど、2人とも大丈夫?」
「私は余裕だよ♪」
「私もこのペースなら大丈夫かな?」
「ここからはマッピングをするから、ゆっくり移動するね」
「ねぇ、このマッピングって役に立つの?」

 4階層から残りのマッピングをするから、移動速度を落とす事を告げると、ミリムがマッピングの必要性を聞いてきた。

「マッピングをする事で迷わずにダンジョンを進めるだろ?それにこの地図を広める事が出来ればさ、僕達みたいな駆け出しハンターが、スライムの特性で苦労しないで済むじゃないか」
「ここは凄く安全なダンジョンだってレイバンさんが言ってて、そんなマップが必要な奴はハンターを諦めるべきだって言ってたよ」

 ミリムはレイバンさんに稽古を付けてもらうようになって、少し考え方が変わってきた。才能がある者とそうでない者とでは、思考が違うのは当然だからね。ただ、今の言葉を聞くと、俺に向けられてるように感じるので少し切なかった。

「レイバンさんの考えだと、僕はハンターを諦めるべき者なんだろうね。そう言ってたんだろ?」
「ちょっ、ウォード何を言ってるの?」
「多分、ミリムはレイバンさんのパーティーに誘われたんじゃないかな?」
「えっ、ミリムちゃんも言い返さないと!」
「誘われたよ。私の才能を活かせてないって言われた。一緒に来ればBランクにはなれるって」

 ミリムはレイバンのパーティーに行きたいんだと思う、メンバーの引き抜きと思われたくないから、レイバンはミリムに追放されるように挑発しろと言ったんだろうね。酷い事をさせる奴だと思うけど、ミリムが信じた人なら悪くは言えない。

「ミリム、そんな嫌われ事をしなくても、レイバンさんのパーティーへ入りたいと言えば、僕は喜んで送り出すんだからね」
「でも……」
「僕はミリムの幸せを望んでる。叶える事が出来ないのは残念だけどそれは判ってたからね。この攻略が終わったら所定の手続きをするから、レイバンさんのパーティーへ入るといいよ♪」

 本当は行かないで欲しかった……でも、俺にはミリムを1流のハンターにする事は出来ない。
 自分のエゴでミリムの素晴らしい未来を閉ざしたくないから、俺は喜んで送り出してあげたい。

「さぁ、休憩は終わりだよ。今日中に5階層を目指すけどマッピングは怠らないかね!」
「うん……」「はい」

 少し場の空気は重くなったけど、ミリムと過ごす貴重な時間を無駄にしたくない。俺のハンターとしての姿を覚えてもらう為にも、明日が終わるまで全力で頑張るだけだ。

➖・➖・レイバン視点・➖・➖
 たまたま子供同士の練習を見掛けると、有能な女の子だったので稽古を付けてやった。
 想像以上の才能で、しかも成長すればかなり良い女になりそうだったので、毎日の稽古に付き合う事にした。3人パーティーを組んでるようだが、稽古の合間に話をしてるとガキは無能だったので、引き抜く事にした。
 今頃、俺の言う通りにしてパーティーを追放されてるだろう。思わぬ拾い物に俺のハンター生活に運が回ってきたと思ったね!
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