35 / 335
第二章 幸運の始まり
第26話 双子の問題
しおりを挟む
翌朝も孤児院へと向かった。
「おはようございます。ウォードです」
孤児院の前へ来たので挨拶をすると、ミリムが駆け付けて俺に抱き着いてきた。
「お兄ちゃん、おはよう♪」
「おはよう♪リンスさんは?」
「あのね、カールとコールがお手伝いへ行かないって言いだしたから、話してるとこだよ」
カールとコールが急に俺の手伝いを嫌がったと聞いて、恐らくメンディが何かを言ったんだと思う。無理やり連れて行くつもりはないので、取り敢えずミリムにリンスさん達のいる場所へ案内してもらった。
「リンスさん、おはようございます」
「あっ、ウォード君、おはよう。ちょっと待ってくれる?」
「ミリムに聞いたのですが、無理強いするつもりは無いので大丈夫ですよ」
そのようにリンスさんに伝えると、カールとコールは『ほっ』とした表情になり、逆にミリムは嬉しそうな顔でリンスさんに話し掛けた。
「2人が行かないなら私がお手伝いに行くね♪お兄ちゃんもそれで良いよね?」
「リンスさんがそれで良いのなら、僕の方は問題ないですよ」
「本当にごめんなさいね……人との約束事を守れないなんて本当に困ったわね(汗)」
「カール達も気が向いたら声を掛けてね。僕はいつでも君達を待ってるからね」
「「う、うん……」」
俺の都合もあるので後の事はリンスさん達に任せて、ミリムと2人で採集へと向かった。
採集ポイントへ着くまでの間に、ミリムが孤児院へ帰ってからの事を聞いた。
「リンスさんにお金を渡したら驚いていたよ。メンディも驚いてたけど直ぐに『むすっ』としてかな?カールとコールもあの時はお手伝いを楽しみにしてたんだけどね……」
「メンディに何か言われたのかな?」
「私は部屋が別だから判らないよ」
双子に何があったのかは直接聞くしか無いのかな?リンスさんが上手く聞き出せてると良いんだけど、子供達に対して甘そうだから無理か……
俺の採集の手伝いは無理でも、孤児院で薬草を育てる事ならリンスさんの手伝いになるから、双子もメンディに睨まれる事はないかと思ったので、ミリムに頼み事をしてみた。
「ミリム、双子に薬草を育てる手伝いを頼んでくれないかな?リンスさん手伝いならメンディも文句は言わないと思うんだよ」
「うん、言ってみるね。」
話しながら移動してると、今日の採集ポイントへ到着したので採取方法を説明してから採取を始める。相変わらずの丁寧な作業に感心する。
必要な数になったのでミリムに声を掛けて作業を終了して、休暇を取るついでにレモンの小さな木があったので、根を傷付けないように注意して掘り返して持ち帰る事にした。
クッキーを食べながらミリムが俺に木をどうするのか聞いてきた。
「これを孤児院に植えるんだよ。木が育てばレモンの実がなるから、それを果実水にして飲むととても美味しいだよ♪」
「孤児院で美味しい果実水が飲めるようになるの?お兄ちゃんって本当に凄いね!」
孤児院で果実水が飲めるかも知れない事でミリムは嬉しそうだ。
ミリムより俺の方が歳上だから『お兄ちゃん』で間違い無いけど、『お兄ちゃん』と呼ばれる事に違和感を感じたのでウォードと呼ぶように頼んでみた。
「ミリム、これからは僕の事をウォードと呼んでくれないか?」
「どうして?」
「親しい友達には名前で呼んで欲しいんだよ」
「親しい友達……うん、ウォードって呼ぶ♪」
「ありがとう♪」
『お兄ちゃん』ラミュル以外に言われると違和感を感じるんだよな(汗)
そして、休暇の後は別の採集ポイントへ移動して、採取と罠の確認をしてからその日の作業を終え、村へ戻ってハンター協会で依頼達成と獲物の買取りしてもらった。
「おはようございます。ウォードです」
孤児院の前へ来たので挨拶をすると、ミリムが駆け付けて俺に抱き着いてきた。
「お兄ちゃん、おはよう♪」
「おはよう♪リンスさんは?」
「あのね、カールとコールがお手伝いへ行かないって言いだしたから、話してるとこだよ」
カールとコールが急に俺の手伝いを嫌がったと聞いて、恐らくメンディが何かを言ったんだと思う。無理やり連れて行くつもりはないので、取り敢えずミリムにリンスさん達のいる場所へ案内してもらった。
「リンスさん、おはようございます」
「あっ、ウォード君、おはよう。ちょっと待ってくれる?」
「ミリムに聞いたのですが、無理強いするつもりは無いので大丈夫ですよ」
そのようにリンスさんに伝えると、カールとコールは『ほっ』とした表情になり、逆にミリムは嬉しそうな顔でリンスさんに話し掛けた。
「2人が行かないなら私がお手伝いに行くね♪お兄ちゃんもそれで良いよね?」
「リンスさんがそれで良いのなら、僕の方は問題ないですよ」
「本当にごめんなさいね……人との約束事を守れないなんて本当に困ったわね(汗)」
「カール達も気が向いたら声を掛けてね。僕はいつでも君達を待ってるからね」
「「う、うん……」」
俺の都合もあるので後の事はリンスさん達に任せて、ミリムと2人で採集へと向かった。
採集ポイントへ着くまでの間に、ミリムが孤児院へ帰ってからの事を聞いた。
「リンスさんにお金を渡したら驚いていたよ。メンディも驚いてたけど直ぐに『むすっ』としてかな?カールとコールもあの時はお手伝いを楽しみにしてたんだけどね……」
「メンディに何か言われたのかな?」
「私は部屋が別だから判らないよ」
双子に何があったのかは直接聞くしか無いのかな?リンスさんが上手く聞き出せてると良いんだけど、子供達に対して甘そうだから無理か……
俺の採集の手伝いは無理でも、孤児院で薬草を育てる事ならリンスさんの手伝いになるから、双子もメンディに睨まれる事はないかと思ったので、ミリムに頼み事をしてみた。
「ミリム、双子に薬草を育てる手伝いを頼んでくれないかな?リンスさん手伝いならメンディも文句は言わないと思うんだよ」
「うん、言ってみるね。」
話しながら移動してると、今日の採集ポイントへ到着したので採取方法を説明してから採取を始める。相変わらずの丁寧な作業に感心する。
必要な数になったのでミリムに声を掛けて作業を終了して、休暇を取るついでにレモンの小さな木があったので、根を傷付けないように注意して掘り返して持ち帰る事にした。
クッキーを食べながらミリムが俺に木をどうするのか聞いてきた。
「これを孤児院に植えるんだよ。木が育てばレモンの実がなるから、それを果実水にして飲むととても美味しいだよ♪」
「孤児院で美味しい果実水が飲めるようになるの?お兄ちゃんって本当に凄いね!」
孤児院で果実水が飲めるかも知れない事でミリムは嬉しそうだ。
ミリムより俺の方が歳上だから『お兄ちゃん』で間違い無いけど、『お兄ちゃん』と呼ばれる事に違和感を感じたのでウォードと呼ぶように頼んでみた。
「ミリム、これからは僕の事をウォードと呼んでくれないか?」
「どうして?」
「親しい友達には名前で呼んで欲しいんだよ」
「親しい友達……うん、ウォードって呼ぶ♪」
「ありがとう♪」
『お兄ちゃん』ラミュル以外に言われると違和感を感じるんだよな(汗)
そして、休暇の後は別の採集ポイントへ移動して、採取と罠の確認をしてからその日の作業を終え、村へ戻ってハンター協会で依頼達成と獲物の買取りしてもらった。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
激レア種族に転生してみた(笑)
小桃
ファンタジー
平凡な女子高生【下御陵 美里】が異世界へ転生する事になった。
せっかく転生するなら勇者?聖女?大賢者?いやいや職種よりも激レア種族を選んでみたいよね!楽しい異世界転生ライフを楽しむぞ〜
【異世界転生 幼女編】
異世界転生を果たしたアリス.フェリシア 。
「えっと…転生先は森!?」
女神のうっかりミスで、家とか家族的な者に囲まれて裕福な生活を送るなんていうテンプレート的な物なんか全く無かった……
生まれたばかり身一つで森に放置……アリスはそんな過酷な状況で転生生活を開始する事になったのだった……アリスは無事に生き残れるのか?
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる