上 下
21 / 336
第二章 幸運の始まり

第12話 所長へ相談をする

しおりを挟む
 翌朝、目覚めるとベッドに1人だった。
 あれは『夢だったのか?』と思ったけど、俺が目覚めたのはハリエットさんのベッドだったので、夢ではなかったようだ。
 なんて考えてるいると、ハリエットさんが俺を起こしに来てくれた。

「ウォード君、朝食が出来たよ~♪起きないと色々しちゃ…あっ、起きてたのね(汗)」
「おはようございます。起きてるので色々は勘弁してくださいね(笑)」
「あははっ…よく寝れたみたいね。ご飯が出来てるからキッチンへ来てね♪」
「僕が朝食当番なのにごめんなさい。」
「可愛い顔で寝てたから起こせなかったの、だから気にしないでね(笑)」

 俺はベッドから起きあがってキッチンへ向かい、ハリエットの作ってくれた朝食を食べながら今日の話しをする。

「私は出勤したら所長に話しを通しておくから、昼頃に会館へ来てくれる?」
「はい、午前中に罠を仕掛けて直ぐに会館へ向かいますね。」

 朝食を済ませると、ハリエットさんは仕事へ出掛け、俺も後片付けを済ませてから罠を仕掛けに草原へと出掛けた。
 
 草原へと到着してからは、10個の罠をテキパキと仕掛けてから村へと戻って、そのままハンター協会へと向かって行った。

 会館へ入ると、ハリエットさんが受付席から俺に近寄って声を掛けてくれた。

「ウォード君、所長室へ案内するね。」

 そう言うと、そのまま2階にある所長室へ案内してくれた。

「(コンコン♪)ハリエットです。ウォード君を連れてきました。」
「入ってくれ。」

 ハリエットさんがドアを開けてくれたので、緊張しながら部屋に入った。ハリエットさんは俺にウインクしてから受付へと戻って行った。

「ウォードと申します。この度は時間を頂きありがとうございます。」
「ハリエットから聞いてるけど、子供とは思えない仕草だね。相談内容は聞いてるけど、本人からもう一度聞かせてもらえるかな?」

 そこからは、俺は天賦を〚幸運〛しか持ってない事が判ってから家に戻れと言われるまでの経緯を説明した。

「ふむ、ウォード君の言い分はよく判ったよ。私の方から君の両親へ、家へ連れ戻そうとする事を禁止すると伝えておくよ。何かあれば連絡してくれれば対応するから安心していいよ。」
「ありがとうございます。」
「しかし、君を見てるとヤンカー領に居た、君と同じ名のウォード君を思い出すよ。」

 ヤンカー領とウォードと聞いて俺は驚いたが、冷静に話しを合わせる。

「ヤンカー領に居られたんですね。なぜこちらへ?」
「ヤンカー領でもハンター協会職員していたんだが、スタンピードがあってね。当時は副所長をしていたんだが、スタンピードを防ぐ事が出来なかってので左遷だよ(笑)」
「そこでウォードさんと知り合いに?」
「あぁ、彼は元男爵の子息でとにかく優秀だったよ。不幸があって平民落ちしたが、義理の母と妹の為に頑張っていたんだよ…それがスタンピードで義理の母を守る為に亡くなったんだ…」
「それは…勇気ある方ですね。その義理の母はどうされたのですか?」
「死に際に、『妹の戻る場所を守って欲しい』と頼まれたみたいでね。1人で頑張ってたよ。」

 俺が死んだ後、セナは必死に頑張ってると聞いて、涙が流れるを止める事が出来なかった…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【TS転生勇者のやり直し】『イデアの黙示録』~魔王を倒せなかったので2度目の人生はすべての選択肢を「逆」に生きて絶対に勇者にはなりません!~

夕姫
ファンタジー
【絶対に『勇者』にならないし、もう『魔王』とは戦わないんだから!】 かつて世界を救うために立ち上がった1人の男。名前はエルク=レヴェントン。勇者だ。  エルクは世界で唯一勇者の試練を乗り越え、レベルも最大の100。つまり人類史上最強の存在だったが魔王の力は強大だった。どうせ死ぬのなら最後に一矢報いてやりたい。その思いから最難関のダンジョンの遺物のアイテムを使う。  すると目の前にいた魔王は消え、そこには1人の女神が。 「ようこそいらっしゃいました私は女神リディアです」  女神リディアの話しなら『もう一度人生をやり直す』ことが出来ると言う。  そんなエルクは思う。『魔王を倒して世界を平和にする』ことがこんなに辛いなら、次の人生はすべての選択肢を逆に生き、このバッドエンドのフラグをすべて回避して人生を楽しむ。もう魔王とは戦いたくない!と  そしてエルクに最初の選択肢が告げられる…… 「性別を選んでください」  と。  しかしこの転生にはある秘密があって……  この物語は『魔王と戦う』『勇者になる』フラグをへし折りながら第2の人生を生き抜く転生ストーリーです。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...