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第六章 国造り編

第80話 準眷属化

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 トラパーネとファミリア内を回って、ニーニョズやエンプレアードと話す機会を設けた。

 それぞれが責任を持って仕事に勤めてくれていて、改善提案を伝えてくれた。同時に準眷属化についてもハッキリと伝えてくれて、望む者はメドサン・アグリ・アネロ・クラリスの4人は準眷属化を望んだ。

 メドサンとアグリは私に対して、尊敬を通り越して崇拝にも近い感情があって、準眷属になることでずっと私のもとで過ごして、役に立ちたいと思ってくれている。

 エンプレアードの2人は少し違っていた。

「私はハルカ様の弱い立場の者へ手を差し伸べ救われる姿に感銘しました。獣人にエルフと迫害された者が住むファミリアを、ハルカ様とともに守る力が欲しいです」

「私のアイデアとハルカ様の力を合わせて、人々の暮らしを豊かにすることを、生涯のライフワークにしたいです。それを達成するにはヒューマンの寿命では短すぎます」

 アネロは守られるのではなく、守ることのできる力が欲しいと言うと、クラリスは人々の暮らしを豊かにする為に時間が欲しいと言った。どちらの考えも素晴らしいと思った。

 私はこの4人を準眷属にすることを認めるつもりだけど、トラパーネと並列思考セレブロにも意見を求めることにした。

「私は4人とも準眷属にしようと思ってるんだけど、2人の意見を聞かせてくれる?」
「賛成ですね。メドサンとアグリは私と同じように、ハルカ様に誠心誠意を尽くすと思いますし、アネロとクラリスはファミリアの為に尽くしてくれると思います」
『パーネと同じかな?準眷属として様子を見て、いずれは眷属にする人材と思って良いと思う』

 2人とも準眷属にすることに賛成のようなので、メドサンさん達を準眷属化することにした。

 そのことをトラパーネが4人に伝えて、夕食会の時にみんなに報告をした後に、準眷属化することとなった。

 そして夕食時になると、食堂には私と眷属5人に、ニーニョズとエンプレアードにアロナを含めた合計15人が集まった。

「夕食を取る前にみんなに報告するね。メドサン・アグリ・アネロ・クラリスの4人を準眷属化することにしたの。誰でも準眷属を認めるつもりはないの、私とファミリアの為になると判断をしたからだよ。これから準眷属となりその力を存分に活かして欲しい」
「「かしこまりました」」

 私はワイグラスに血を一滴垂らしてから4人に手渡す。私が頷くと手にしたワイングラスを一気に飲み干すと、メドサンとアグリは身体が大きくなり姿が様変わりし、アネロとクラリスは体型の変化はなかった。ただ、瞳だけは眷属の象徴である緋色になっていた。

「私の眷属になると全盛期の状態になるから、メドサンとアグリが大人の姿になったのは、流石に驚いちゃったね。じゃあ、食事を始めようか!」
「「はい、準眷属化おめでとう!」」
「「ありがとうございます」」

 こうして、夕食会は準眷属化した4人のお祝い会となったのだった。
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