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第六章 国造り編

第71話 アレとの遭遇

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 速度をあげて飛竜フライドレイクに近づいて行くと、相手もこちらに気づいたようで戦闘モードになり、雄叫びをあげながら突っ込んできた。

「ゴガァアアー!」
「あの煩い飛竜フライドレイクは私が貰うので、アニー達は後ろの1体をよろしくね」

 トラパーネは前を飛行する1体に狙いを定めたようなので、戦いが終わるまでは、私が傷付けずに押えることにした。

「「OK!」」
「倒すまでは私が押さえておくから、戦いを見ててもいいよ」

 トラパーネは大剣を抜くと同時に姿が『パッ』と消えたかと思うと、飛竜フライドレイクの背後に現れ大剣を振り抜いた。

『ズバッ!』
「ゴァーッ」
「あははっ、痛いのかな~?まだまだ序の口だからね~」

 戦闘狂バトルジャンキーモードとなったトラパーネは、狂気の笑みを浮かべていた。硬い鱗も全く関係なく、大剣は『アッサリ』と尻尾を切断すると、痛みで叫び声をあげていた。

 それでも痛みに耐えながら、背後にいるトラパーネに向かって体を反転させて、刃のような翼で切り裂こうとする。

『シュパッ!』
『パッ』

 しかし、翼は切り裂くことなく空を切る。トラパーネは飛竜フライドレイクの頭上に移動していて、そのことに気づいて上を向いた時点で勝負はついていて、振り降ろされた大剣により頭を両断されたのだった。

『グシャッ!』
「ゴッ……」
「あははっ~、パインが作った大剣の斬れ味はすっごくいいよぉ~」

 エリカは高らかに笑うトラパーネを見ながら、アニエラに話しかける。

「ちっ、簡単に殺ってくれるね……。アニー、あたいらも負けてられないよ!」
「うん、私もあれから強くなってるもん!」
「じゃあ、後は任せるよ」
「「OK!」」

 私は2人のもとへ向かって飛竜フライドレイクを連れ渡した。

 2人は戦闘開始と同時に左右に分かれて、どちらか一方が隙をつく作戦をとる。エリカが鞭の届くギリギリの距離から鞭を振って牽制して、注意を自分に向ける。

『パシ、パシッ!』
「ゴアッ!」

 頭に軽い打撃を受けて苛つく飛竜フライドレイクは、エリカに向かって攻撃を仕掛けようとすると、背後にいたアニエラが隙をつく。

「全力でいくよ!〚血剣ブラッドソード〛」

 双剣に血魔法を纏わせてから飛竜フライドレイクの背中に斬りかかった。非力な部分を魔法を纏わせることでカバーしたようだ。

『スパッ!』
「ゴルァ!」

 決して深くはないけど、硬い鱗を切り裂くことができた。以前は弾かれた刃が届いたことで、十分に戦えると思った瞬間、8階層にあり得ない気配が現れて、その場に居た全員の背筋に悪寒が走った……

『ハルカ!ヤツが現れた。直ぐに退避だっ!』

 そう、アレが現れたのだった……
 
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