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第六章 国造り編

第49話 終焉へのカウントダウン

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 夜会が終わった翌日からは、ストーナー公爵が来店して、オーダーメイド家具の商談を行った。その後も、上位貴族がこぞってファミリア商会へ訪れては、オーダーメイド家具の商談が行われて、大賑わいな日々を送っている。

 普通の商談なら店員だけで良いはずなのに、全ての商談で私が同席する事を望まれたので、私は商会長の仕事が忙しくて身動きが取れない状況だった。私としては【傲慢の王】から1日も早く獣人を解放したいので、早くこの賑が収束する事を願うだけだ。

 そんな中にも朗報があった。

 ロベルトの魅了の効果が切れた事で、秘書のカタリアナと執事のメルルがタッタリア商会を去った以外にも、浮世を流していた貴族のご婦人方の魅了も切れたようで、タッタリア商会の上顧客が次々と離れてしまったらしい。その事もあってか、タッタリア商会の周辺を警備していた騎士団も、お役御免となり引き上げる事になったの。

 私はせっかく舞い込んできたチャンスを逃したくないので、朗報を聞いたその日の夜に緊急会議を開く事にした。

「騎士団が引き上げるチャンスを逃したくないんだよね。商会の方で商談を一時的に止める事はできないかな?」

 先ずは、商会の商談が最大のネックなので、その辺りの調整ができないかアネロに聞いてみると、少し悩みながらも、何とか私の意向に添える答えを出してくれた。

「上位貴族との商談が明日で終わる予定です。下位貴族の商談は過剰注文という事で、商談を一旦止める事にしますね。期間は2週間でよろしいですか?」
「うん、それだけあれば十分だよ。ありがとう」

 私とアネロの話を聞いたエリカは、アロナの顔を見てから気合の入った声で話しだした。

「やっと【傲慢の王】をぶっ潰せるんだね!」
「うん、ぶっ潰して獣人を解放するよ。アロナ、もう少しの辛抱だからね」

 エリカの言葉の後に、私もみんなに向けて声を上げてから、アロナに優しく声をかけた。

「ハルカ様には感謝しかありません。獣人を代表して感謝を申し上げます。本当にありがとうございます」
「その言葉は【傲慢の王】を潰して、獣人を解放するまで取っておいてね」
「はい」

 その後も話し合いは続いて、話が終わったのは夜更けになっていた。話し合いで決まった内容は次の通り。

・潜入調査した時と同じようにタッタリア商会へ潜入して、転移魔法陣を設置する。騎士団が引き上げても周辺は人目が多いので、転移魔法陣を使って侵入してから強襲を仕掛ける。

・強襲を仕掛けた時に商会内に居た者は、獣人以外は問答無用に処分する。これはタッタリア商会=【傲慢の王】とみなして、その場に居た者は連帯責任と私達の存在を漏らさない為。

・ロベルトを殺すのは、獣人購入者のリストを手に入れてから。まぁ、簡単には吐かないと思うので、その時は尋問官アニエラの出番だね。

 この3つが決まった事で、強襲するメンバーはこれまでと同じで、私、アニエラ、エリカ、トラパーネとアロナの5人で、S級ハンターでもいない限りは楽勝だね。

「じゃあ、明後日に転移魔法陣の設置をして、明々後日に強襲を決行するからね!」
「「OK!」」
「かしこまりました」

 緊急会議が終わった事で、ロベルト.タッタリアと【傲慢の王】の終焉へのカウントダウンが始まったのだった。

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