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第六章 国造り編
第47話 焦るロベルト
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◇◇◇ロベルトの視点
ファミリア商会のハルカが、タッタリア商会が主催する夜会の招待を受けると返事がきた。さらにオーダーメイドの家具も、夜会に間に合わせるという願ってもない内容だった。
「最高の夜会になりそうだな。最高の女性をエスコートして、最高のアンティーク家具を披露できるんだ。商人だけではなく、貴族連中も俺の事を羨むだろうな」
「ロベルト様には私とメルルが居るじゃないですか。改めて他の女を迎えなくても……」
俺が満足気に話をしてると、カタリアナが不機嫌そうな顔して返事をする。俺がかけた魅了の虜になってるせいか、新たな女を迎える事には反対なようだ。
「お前達も良い女だが、あの美しさは格が違うんだ。我が物とすれば、王ですら悔しがるだろう。お前達を捨てる事はしないから安心しろ。それより夜会の準備を怠るなよ?」
「はい……かしこまりました」
カタリアナに格が違うとまで言ったせいで、力のない返事をしたが、俺の魅了に掛かってるので必ず従うはずだ。
そして、ファミリア商会からアンティーク家具が納められて、全ての準備が整い夜会の時を迎えた。
夜会の主賓はストーナー公爵夫妻で、次いで遠縁になるタッタリア侯爵家からその他伯爵家などの上位貴族に、子爵や男爵などの下位貴族が続々と商会のホールへやって来る。
そして全員がホールに入るなり、ファミリア商会から購入したアンティーク家具に、目を奪われたのだった。
(ふふっ、驚くのはまだ早い。アンティーク家具など霞むほどのゲストが来るのだからな)
貴族の来賓がホールへ入った後に、富裕層達がホールへと入ってくると、俺はホール入口へと移動してハルカを出迎えにむかうと、真っ赤なドレスを身に着けたハルカが目に止まった。その美しさは呼吸をするのを忘れるほどだった。
俺だけではなく、男女問わずに周りの者が見惚れていると、俺に気付いたハルカが近寄って声をかけてきた。
「ロベルト様、夜会へのお招き誠にありがとうございます」
「いいえ、ホールまでエスコートするので、お手を」
「はい、お願いします」
(よし、これで魅了が発動する)
俺の魅了は対象者へキスをする事で魅了をかけて、触れる事で発動する。前回、手の甲にキスをした時に魅了をかけた。そして今、ハルカに触れた事で魅力が発動したはずだ。
俺がハルカをエスコートしながらホールへ入ると、全ての視線が俺達へ向けられた。真っ先に主賓であるストーナー公爵がやってきた。
「ロベルト、そちらの美しい女性を紹介してくれないか?」
「はい、パートナーのハルカで、ファミリア商会の代表を務めています」
「パートナーだと?稀代のプレイボーイが伴侶を得たのか、それにしても美しいな」
「ほら、ハルカも挨拶をしなさい」
俺はハルカに挨拶するように伝えると、少し首をひねりながら口を開いた。
「あの、なにか勘違いされてるようですが、私は独り身でパートナーは居ません。ロベルト様とは商会の代表と顧客という関係ですよ」
「お、おい、ハルカ!」
「ロベルト様、ホールまでのエスコートありがとうございました。ストーナー公爵、アンティーク家具の方はご覧になられましたか?あれはファミリア商会の商品なんですよ」
「ほぅ、それは興味深いな。少し向こうで話を聞かせてもらおう」
「はい、喜んで」
俺の言葉を否定した後は、ストーナー公爵とともにアンティーク家具の元へと移動していった。
(ど、どうなってるんだ?俺の魅了が発動してないのか?)
ファミリア商会のハルカが、タッタリア商会が主催する夜会の招待を受けると返事がきた。さらにオーダーメイドの家具も、夜会に間に合わせるという願ってもない内容だった。
「最高の夜会になりそうだな。最高の女性をエスコートして、最高のアンティーク家具を披露できるんだ。商人だけではなく、貴族連中も俺の事を羨むだろうな」
「ロベルト様には私とメルルが居るじゃないですか。改めて他の女を迎えなくても……」
俺が満足気に話をしてると、カタリアナが不機嫌そうな顔して返事をする。俺がかけた魅了の虜になってるせいか、新たな女を迎える事には反対なようだ。
「お前達も良い女だが、あの美しさは格が違うんだ。我が物とすれば、王ですら悔しがるだろう。お前達を捨てる事はしないから安心しろ。それより夜会の準備を怠るなよ?」
「はい……かしこまりました」
カタリアナに格が違うとまで言ったせいで、力のない返事をしたが、俺の魅了に掛かってるので必ず従うはずだ。
そして、ファミリア商会からアンティーク家具が納められて、全ての準備が整い夜会の時を迎えた。
夜会の主賓はストーナー公爵夫妻で、次いで遠縁になるタッタリア侯爵家からその他伯爵家などの上位貴族に、子爵や男爵などの下位貴族が続々と商会のホールへやって来る。
そして全員がホールに入るなり、ファミリア商会から購入したアンティーク家具に、目を奪われたのだった。
(ふふっ、驚くのはまだ早い。アンティーク家具など霞むほどのゲストが来るのだからな)
貴族の来賓がホールへ入った後に、富裕層達がホールへと入ってくると、俺はホール入口へと移動してハルカを出迎えにむかうと、真っ赤なドレスを身に着けたハルカが目に止まった。その美しさは呼吸をするのを忘れるほどだった。
俺だけではなく、男女問わずに周りの者が見惚れていると、俺に気付いたハルカが近寄って声をかけてきた。
「ロベルト様、夜会へのお招き誠にありがとうございます」
「いいえ、ホールまでエスコートするので、お手を」
「はい、お願いします」
(よし、これで魅了が発動する)
俺の魅了は対象者へキスをする事で魅了をかけて、触れる事で発動する。前回、手の甲にキスをした時に魅了をかけた。そして今、ハルカに触れた事で魅力が発動したはずだ。
俺がハルカをエスコートしながらホールへ入ると、全ての視線が俺達へ向けられた。真っ先に主賓であるストーナー公爵がやってきた。
「ロベルト、そちらの美しい女性を紹介してくれないか?」
「はい、パートナーのハルカで、ファミリア商会の代表を務めています」
「パートナーだと?稀代のプレイボーイが伴侶を得たのか、それにしても美しいな」
「ほら、ハルカも挨拶をしなさい」
俺はハルカに挨拶するように伝えると、少し首をひねりながら口を開いた。
「あの、なにか勘違いされてるようですが、私は独り身でパートナーは居ません。ロベルト様とは商会の代表と顧客という関係ですよ」
「お、おい、ハルカ!」
「ロベルト様、ホールまでのエスコートありがとうございました。ストーナー公爵、アンティーク家具の方はご覧になられましたか?あれはファミリア商会の商品なんですよ」
「ほぅ、それは興味深いな。少し向こうで話を聞かせてもらおう」
「はい、喜んで」
俺の言葉を否定した後は、ストーナー公爵とともにアンティーク家具の元へと移動していった。
(ど、どうなってるんだ?俺の魅了が発動してないのか?)
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