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第六章 国造り編

第5話 ようこそ、ファミリアへ!

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 アニエラとエリカという個性の強い2人との衝撃的な顔合わせの後は、パインや子供達を交えたものは落ち着いた顔合わせとなった。

 歓迎の宴を準備するのはルカ達に任せてから、私達は屋敷の外へ出る。何も手を付けてない空き地だらけのファミリアを見て、グローニャ近辺にこんなに広大な土地なんて思いつかないようで、頭の整理がつかないようだった。

「ここがどこが気になってるのね?」
「はい、グローニャの近くにはこんな広大な土地はありませんから……どこなのですか?」

 行商をしていたロキシーが、全く検討がつかないと言って質問をしてきた。まぁ、彼女達が暮らすレアルコンプレト王国ではないから、判らないのは仕方ないよね。

「ここはね、レアルコンプレト王国の北側に接してる、インビエルノ王国のさらに北側に位置するエルピス山脈を越えた場所なんだよね」
「!?エルピス山脈越えた場所って……不毛の大地の事ですか?」
「簡単に言えば転移したんだけどね」

 行商で世界を周っていたロキシーは、不毛の大地の事を知っていたようだ。かなりの知識を持ってるみたいだけど、私の言葉を信じている感じではなかった。

「そんな距離を移動する事は無可能です」

 テレサはそんな事は不可能だと言いきる。まぁ当然な事だけど、私には空間魔法があるので、空間を繋げる合わせれば簡単な事だ。実際に見える形で体験してもらう事にした。

「もっと判りやすい形で体験しようか。4人とも私の身体に触れてくれるかな?」
「「は、はい」」
「よし、空き地の端まで行っちゃうよ!ほいっ」

『シュンッ!』

 一気に空き地の端まで移動する。

「えっ……うそっ?」

 一瞬で数百メートル以上も離れた場所へ移動した事に、その言葉以外に出なかったようだ。

「どう?これが空間魔法を応用した空間転移だよ。これで少しは信じてくれたかな?」
「は、はい……ですが、ハルカ様はいったい何者なのですか?小さな物を動かすだけでも相当な魔力を必要とします。人を動かすなんて膨大な魔力をお持ちなのですか?」

 実際に体験したので、テレサも私を疑うような事はないにしても、少し怖いものを見るような目を向けていた。従属契約を結んでいるので、私に関する事は口外できないので、全てを説明する事にした。これで怖がって退職したいと言ってきても、それを責める事はしないし、退職金も払ってあげる事にした。

「その事を説明していくね。まず、私はヒューマンではないんだよ」

『ボンッ』

 私は本当の姿であるスライムになる。

「これが本当の姿でスライムなんだよ。そして私は……」

 最弱のスライムから進化を果たして、吸血鬼のスライムであるスライムヴァンピールになった事や、相手のスキルをコピー又は強奪出来る事を説明したのだった。全てを説明した後に、1度だけ働く気があるのか確認をした。

「どう?怖くなった?辞めるなら今のうちに言ってね」

 4人は顔を合わせて頷きあった。

「「改めてよろしくお願いします」」
「ようこそ、ファミリアへ!」

 そう言って、私は笑顔で4人を迎えたのだった。
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