上 下
228 / 336
第五章 ファミリア編

第68話 ファミリア商会の立ち上げ

しおりを挟む
 私とルカがフェラー商会の建物から出ると、エリカが馬車を回してくれていたので乗り込む。

「次は商業ギルドで商会の登録だね」
「はい、場所は馬車で10分程です」

 次の目的地になる商業ギルドへ移動してるけど、場所なんて聞いてなかったと思ったので、いつの間に聞いたのか確認する。

「場所って聞いてたの?」
『僕がエリカに聞くように伝えておいたよ』
「ありがとう」

 流石は並列思考セレブロだね。私のウッカリしてるところをサポートしてくれてる。

 移動距離が短いので、ゆっくりとする間もなく商業ギルドの前に到着したので、ルカは馬車から降りて建物の中へと入っていった。

 暫くすると、ルカと職員が出てきて馬車の停留場へ案内してくれた。流石は商業ギルドだけあって、馬車ごと建物の中へと入って、外部の者が停留場内へ入れないように施錠がされたの。そして、奥に進むと建物への入口があって、そこから入ると打ち合わせをする為の個室になっていた。

 私達が部屋に入ると2人の職員が居て、ルカの伝えた用件の担当者だと挨拶をしてくれた。

「私は商業ギルドで、商会の新規登録を担当するトルーマンです。よろしくお願いします」
「商品審査を担当するバーバラです。よろしくお願いします」
「私はファミリア商会で、代表の秘書を務めるルカと申します。こちらが代表のハルカ.ファミリアで、後ろに控えるのは御者兼護衛のエリカです。よろしくお願いします」

 ルカが私を紹介すると、2人は私の顔を見ると惚けた表情になったので、ルカが軽く咳払いをして正気に戻した。

(これは、なにか対策が必要になるな……)

「申し訳ありません。先ずは商会の新規登録の件ですが、どのような商いを行われますか?」

 新規登録を担当するトルーマンが、商いの内容等の話を始めると、ルカが資料を提出してから説明を始めた。

「商会で工場で製作してるアンティーク調のインテリアの販売と、食料品の購入を予定してます。扱う物は提出したリストの物になります」
「なるほど、製造加工品の取引であれば、第一種商会になりますので、販売される商品の審査に問題がなければ、商会の登録が認められます。商会名はファミリア商会で間違いありませんね?」
「はい、ファミリア商会で登録をしてください」
「第一種商会で登録をしますが、後で事業規模の拡大をする時は、必ず商業ギルドへ報告をお願いします」
「かしこまりました」

 トルーマンがバーバラの方を向いて頷くと、手にしたリストを確認しながら質問をしてきた。

「次は、商品審査を行います。このリストにある商品は全て用意できますか?」
「はい、あちらの机に提出すればよろしいですか?」
「はい、お願いします」
「ハルカ様、あちらへ商品を出してください」
「うん、直ぐに出すね。ホイッ!」
『パッ、パッ、パッ』

 私が〘無限収納〙から見本になる商品を出すと、2人は目を丸くして驚く。商業ギルドでも魔法鞄マジックバッグは珍しいのかな?バーバラが作り笑いをしながら話し掛けてきた。

「もの凄く高性能な魔法鞄マジックバッグですね……その早さで連続で取り出せる物は帝都でしかお目に掛かれませんよ……」

(また、やらかしちゃったよ……)



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...