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第五章 ファミリア編

第47話 努力で派生するスキル

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 子供達を訓練し始めて1カ月が経過して、なかなか面白い事が判ってきた。魔法に関しては生活魔法なら、本人が努力すればスキルが派生する。

 それが子供達への武術訓練をしていると、本人の努力次第で武術系スキルが派生する事が新たに判ったの。

 これにはエリカも驚いていて、これまで自分のスキル以外を鍛える者が居なかったのと、訓練を積んでもその成果を鑑定せず、新たなスキルを得ていたとしても、知らないままだったのかも知れない。

「武術系に関しては、努力次第でスキルを覚える事が出来るなんて大発見だよ。ハルカみたいに〘武装神ウエポンマスター〙を目指せるのかも知れないね」
『それは難しいと思うよ。非力な者がどれだけ努力しても〚大剣術〛は覚えられないし、細かな事が苦手な者は〚短剣術〛を覚えられないよ』

 エリカが〚武装神ウエポンマスター〛を目指せるかもと期待の言葉を口にすると、並列思考セレブロが人には個々の特性があるから、私のように強奪出来なければ、全てを極める事は不可能だと言った。その事を聞いたトラパーネは、まるで神々しい者を見るような視線を私に向けながら口を開いた。

「ハルカ様のお力は神にも等しいのですね。このファミリアの地でファミリア教を興して真祖ハルカ様を崇めますか?」

 元々、トラパーネは私に心酔してるとは思っていたけど、崇めるとか言われると引いちゃうね。
 トラパーネの言葉を聞いたアニエラが直ぐに否定する。

「パーネ、崇めるのはダメだよ!夜の楽しみが出来なくなるじゃない!」

 思わず『そこかい!』と突っ込みたくなった。それでもトラパーネはアニエラに言い返した。

「アニー、宗教の定義に究極の信仰とは真祖と交わる事とすれば問題ないんだよ」
「パーネさんや...とんでもない事を『サラッ』と言わないで欲しいんだけど?インビエルノ王国から追われる身なのに、真祖とか目立っちゃダメダメじゃないの!」

 トラパーネが宗教の定義とか言い出したので、私は追われる身だという事を強調したのに、アニエラは私の言葉を聞いてなかったのか?軽い感じで返事をした。

「そっか、それならOKだよ!」
「駄目です!今の状況を考えればファミリア教なんて絶対に駄目だと判りませんか?」

 ルカは私達の状況を理解してるようで、宗教を興す事を否定してくれた。良識のあるルカが居てくれて助かったよ。

「そうだよね!ルカの言う通りだよ。宗教の話はありえないからね!ルカありがとうね」
「いいえ、今でも当番制でなかなか順番が回って来ないのに、さらに人を増やすとか絶対にありえませんから!」
「あっ、うん、そっちね……」

 ルカにとっては追っ手の事よりも、夜の当番が回って来ない事の方が重要だったみたい……
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