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第五章 ファミリア編

第5話 空中戦

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 休憩を終えてから8層目を進み始めると、そこは渓谷エリアとなっていて、断崖絶壁にある道を上に向かって進むという物をだった。

「わぁ~、景色は絶景だね♪」

 アニエラは見上げながら壮大な景色を楽しんでると、私とエリカも頷きながら道を歩き始めた。

「この感じだとゴーレムが出てもおかしくない感じだね」
「あぁ、ここまでエリアと同系統の魔物が出てるからね。このエリアならゴーレムが出てきても不思議じゃないね」

 エリカを先頭に私と並列思考セレブロが周辺の感知をしながら渓谷を進んで行った。

『何かが高速で近づいてくる!9時の方向だから位置的に飛行タイプの魔物だと思う。十分に注意して!』

 並列思考セレブロが魔物の気配を感知した。指示された方向を見ながら武器を構えてると、翼を羽ばたかせながら近づいて来た。

「まさか、飛竜フライドレイクなのか?」
「これって、ドロップは谷底に落ちたら回収出来ないのかな?」
「何を呑気な事を言ってるだよ!エルピス山脈じゃ最強クラスの魔物なんだ。気合いを入れて迎え撃つよ!」

 強敵だからドロップの事が気になったんだけど、エリカにとっては倒せるのかが問題立っだみたい。私達は飛翔して飛竜フライドレイクとの戦闘に備える。先ずは私が魔法で先制攻撃を仕掛ける。

「動きを止めるよ〚風槍ウインドスピア〛!」

 私の風槍が飛竜フライドレイクに当たると、移動速度は衰えたけど大きなダメージは与える事が出来なかった。すると飛竜フライドレイクは私達に尻尾を振ると、『ブゥン!』と重い音とともに衝撃波が起こったので、それを避けると『ゴバァーン』岩壁に当たると大きな坑が空いていた。

『これは当たるとヤバイね……私とエリカは、アイツの左右から鞭で翼に絡めてみて、動きが止まったらアニーは腹部へ攻撃してみて』
『『OK!』』

 指示と同時にヤツの左右に移動して鞭を振るうと、左右の翼に鞭を絡める事に成功したので、同時に力一杯に鞭を引く。

『ビュン』『パシッ』
「ヤァー!」「オラァー」
「ゴアァーーー!」

 完全に考えが甘かった……力負けした私とエリカは、翼を羽ばたかせた勢いで引っ張られて衝突したの。

「きゃあーーー」
「ぐわぁーーー」

 更に追い討ちを掛けるように、鋭利な翼が私を襲うが避けきれずに私は両足の膝から下を失う……

「ビシュ!」『ズバッ』
「っあぁああ~」

 激しい痛みに叫び声をあげたけど、この程度なら直ぐに回復する。私に狙いを定めた飛竜フライドレイクはトドメをさそうと、大きな口を開けて噛み付こうとしたので、私は大きな口に向かって魔法を放った。

「燃え尽きろ!〚地獄の業火ヘルファイア〛!」
「ゴガァアアアアアー」

 私の放った魔法が飛竜フライドレイクの口から体内へ入ると、内側の全てが燃え尽きたのか大きな魔石と翼膜となって消滅した。
 空中なのでドロップは下へと落ちていったけど、アニエラが何とか追いついて回収してくれたみたい。私はエリカに支えられながら、『ニッ』と笑ってこう言ったの。

「ドロップ回収出来たね(笑)」
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