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第四章 スライムヴァンピール編

第63話 ダンジョン内の異変

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 私達は、引き続きダンジョン進んで行った。

 5層目を抜けて6層目に入ると、そこは一面が水浸しになっていた。水の深さは足首が浸かる程度で浅かったけど、このエリア全てが浅瀬になってるのかは進んで確かめるしかなかった。

 私は指先を水に触れてから口に含んでみると。

「しょっぱい、塩水だね」
「そんな……あたいの知る限りは10層目までは平原なんだよ。ダンジョン内で何が異変が起こって、構造が変わっちまったのか?」

 エリカが困惑した表情をしながら、頬に手を当てて考え込んでしまった。ダンジョン内で異変が起こってるのは確かなので、先へ進むのか判断に困ってるんだと思う。エリアが変われば現れる魔物も変わっしまう筈なのと、目的の煌晶石が10層目にあるのかさえ判らないからね。

「悩んでも仕方ないよ~!行ける所まで進んで煌晶石が無かったら町へ帰ろうよ(笑)」

 アニエラの一言で、難しく考えるの事が馬鹿馬鹿しく思ったのか、エリカの重い雰囲気が一変して『ニカッ』と笑顔になった。

「アニーの言う事が正解だね!あたい達はハンターだから、未知のダンジョンで未知の魔物を倒せる事を喜ばなきゃね♪歳を取ると守りに入ってダメだね(笑)」
「ははっ、その姿で歳を取ったとか言われても違和感しかないよ(笑)」
「とりあえず、ダンジョンを進んで行くよ。どんな魔物が現れるかは全く判らないから、最深の注意を払うんだよ」
「「OK!」」

 気を取り直してダンジョンを進んでいくと、地面から〚気配感知センスサーチ〛の反応があったので、2人に伝えて戦闘態勢を取る。

「少し前に魔物の気配!下から来るよ」
『ズズズッ』

 前方を注視すると、砂を掻き分けて蟹の姿をした魔物が現れた。大きなハサミの右腕と、鋭利な刃物状の左腕をこちら向けて威嚇してきた。迂闊に近付かずに相手の動きを待ってると、蟹が左腕から水弾が放たれ、私に向かって飛んできた!

「わっ!腕を使って攻撃かと思ったら……魔法を使ってくるのね。見た目に惑わさると危険だね」
「あぁ、魔法があると相手の動きを待ってるだけじゃダメだね。あたい達も仕掛けるよ!アニー、足下へ魔法を撃って足止めしておくれ。あたいが鞭で仕掛ける!」
「OK!〚石弾ストーンバレット〛!」

 アニエラの放った石弾が蟹の足下へ着弾して動きを封じると、エリカが鞭を振って大きなハサミのある右腕に絡ませてから、鞭を一気に引いて挽き切ろうとする。

『ガッガッ……』
「チッ、甲殻が硬すぎて無理か」
「エリカ、その鞭を私に貸して!魔法を纏わせて攻撃してみる」
「ここはハルカに頼るしかなさそうだね。頼んだよ」
「任された!」

 私はエリカの鞭を受け取ってから、鞭を振るって腕に絡ませてから、鞭に火魔法を纏わせて高温状態にしてから一気に鞭を引く!

『ズバァン!』

 右腕は切断されて大きなハサミが地面に落ちた。痛みに苦しむ蟹に向かって、もう1度鞭を振るって先端が当たる瞬間に、火魔法を纏わせると蟹の体の中心部に突き刺さり貫通した。

『ズボッ』
「キシャーーー」

 蟹の魔物が断末魔をあげて消滅した事で、未知の魔物との戦闘が終了したの。
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