実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第四章 スライムヴァンピール編

第31話 エリカの知識

　冒険者協会でオーク討伐の依頼を受けて、私達は討伐へ向かった。

　オークがいる東の森へ向かう途中に、私達が安心して暮らす事の出来る場所を、いずれは作りたいという事をエリカに話すと、『ニヤッ』とした表情をしながら応えてくれた。

「へぇ～、自分達が安心して暮らせる場所を作りたいのかい？その目標はかなり難しい事だけど、あたいはなかなか面白いと思うよ」
「そうだよね！私には〚能力強奪〛があるからさ、色々なスキルをコピーしてるところなんだよ」
「ハルカはね、相手に触れるだけで能力を1つ奪うかコピーが出来るんだよ！」

　エリカは〚能力強奪〛の事を聞いて驚いた後に、真面目な表情で私達に忠告してくれた。

「そいつは……凄い能力だね。あたいから一つ忠告してあげるよ。色々なスキルを集めるだけじゃダメなんだよ」

　私はスキルを使えばどんな事も出来る。そう思っていたのでスキルを集めるだけではダメだと言った理由と、それ以外に何が必要なのかをエリカに聞き返した。

「スキル以外に何が必要なの？」
「町を見れば判るじゃないか人材だよ。ハルカ一人で全てを行う事は出来ないだろ？必要な場所へ必要な人材を置いて任せるのさ、有能な人材を集めないと住める場所なんて作れないんだよ」
「それって眷属を増やせって事なの？」
「眷属じゃなくても良いんだよ。まぁ、ハルカが吸血鬼ヴァンピール帝国を作るって事なら話は別だけどね（笑）」
「そうなんだね。その辺りの知識は私は持って無いからエリカを頼るね！」
「おぅ、任せな！」

　こういう真面目な話をすると、エリザベスとして長く生きてきた経験値に感心する。
　もし安心して暮らせる場所を作れたら、エリカにまとめ役を任せようと思った。

「吸血鬼ヴァンピール帝国なんて物は考えてないからね。小さな村くらいで十分だからさ、村を作った時はエリカには村長を任せるね（笑）」
「おぅ、任せな！ハルカの為なら村長くらい務めてやるよ！」

　将来の目標を話してると、並列思考セレブロが話の間に入ってきた。

『ハルカ、世間話はここまでだよ。10時の方向にオーク5体の気配を感知したから戦う準備をして』

　並列思考セレブロが私達の話の間も周辺を警戒してくれいた。
　私達は直ぐに戦闘態勢をとりオーク5体の討伐を開始する。こちらへ向かってきたオーク達はこん棒を手に持って私達へ襲い掛かってきた。
　私が前に出ようとすと、エリカが手で静止してから前へ出る。

「あたいに任せな」
「えっと……エリカ、粉々にしちゃダメよ？」
「ははっ、あたいは元冒険者協会長なんだよ？アレ肉が金になる事は判ってるんだのよ。ハルカは安心して見てればいいよ」

　そう言ってから、エリカは腰に巻いていた鞭を手にしてオークに向かって鞭を振るって、オークの首に鞭先を巻きつけてから挽き戻して、オークの首を次々と切断していった。エリカの鞭は挽く事でノコギリのように挽き切る事が出来るみたい。

「流石は元冒険者協会長だね」
「オークなんて雑魚だから楽勝だよ。回収はハルカに任せたよ♪」
「OK！任されたよ♪」

　私がオーク5体を亡骸を〚無限収納〛に収めた後は、今日の討伐を終了して町へ戻って、冒険者協会でオーク討伐完了の手続きを行った。